宮野真守×櫻井孝宏インタビュー「声で“ゴジラ”に参加できるなんて夢のよう」映画「GODZILLA 怪獣惑星」

特集・インタビュー
2017年11月17日

昨年の「シン・ゴジラ」の大ヒットも記憶に新しい“ゴジラ”シリーズだが、今度はアニメーション映画になって登場。未来の地球を舞台に、人間とゴジラの運命を懸けた戦いが繰り広げられる。そこで主人公・ハルオとその盟友・メトフィエスを演じた宮野真守、櫻井孝宏のお二人に、作品の魅力をたっぷりとうかがいました!

宇宙規模の壮大なお話だからこそ、登場人物たちの心の動きも大事にしました(宮野)
非日常的な設定の中にも身近に感じられる奥深さがある作品になっています(櫻井)

宮野真守×櫻井孝宏インタビュー

◆歴史のある“ゴジラ”シリーズですが、今回は初のアニメーションです。この企画を聞いたときはどのような印象を持ちましたか?

宮野:やはり驚きました。前例のないことですし、「これは歴史的な一歩だな」って思って。それに“ゴジラ”は子供の頃から大好きでしたし、「ぜひとも参加したい!」」という思いでオーディションに臨みました。

櫻井:“ゴジラ”って時代ごとにシリーズが作られていることもあって、きっと知らない人はいないと思うんです。その作品に携われることになって本当に幸せでした。それに、声優の仕事が大好きでこの世界に飛び込んできたので、声で“ゴジラ”に参加できるなんて夢のようでしたね。

◆お二人が感じる“ゴジラ”シリーズの魅力とは?

宮野:櫻井さんがおっしゃるように、時代ごとに作品が生み出され、しかもそれぞれに描かれ方が違うことですね。戦う相手の怪獣にも個性がありますし、それによってゴジラ自体の見え方も変わってくる。そこが長年愛され続ける要因になっているのではないかとも思います。

櫻井:そうだね。敵怪獣の特徴も時代性が反映されているしね。その意味では僕、「ゴジラ対ヘドラ」が大好きなんですよ。ヘドロが原因で生まれた怪獣という設定にすごくリアリティーがあって。子供心にトラウマになったんですけど(笑)、そのぶん衝撃も強くて、いまでも大好きな作品の1つですね。

◆では、収録してみていかがでしたか?

櫻井:今回は「プレスコ」という、先にセリフを録って、そこにアニメーションを合わせていくスタイルだったんです。ですので、スタッフさんたちがどのような完成形をイメージしているのかを1つひとつ確認しながらの収録でした。もちろん、そうなると役者同士も意思統一をしていないといけないわけで、そこがいつものアニメの収録現場とは少し違うところだったんですが、その確認作業を宮野君が率先してやってくれたので、すごく助かりました。

宮野:いや、そんな大したことはしてませんよ(笑)。疑問に感じてる部分をスタッフさんに確認していただけですから。

櫻井:でも、みんなが疑問に思っていることを、いち早く感じ取って聞いてくれたので、みんなホントに助かってました。

宮野:今回の作品は、宇宙規模の壮大なスケールなお話ですし、そのぶん細かい設定も多かったので、僕らも深いところまでしっかり理解してないといけないなと思ったんです。あと、個人的には、スケールの大きさだけではなく、同時に“人の思い”も丁寧に描いてる作品だなと感じたので、アフレコでは気持ちの表現にもすごく気を使いましたね。

◆ご自身が演じた役について教えてください。

宮野:今回公開するのは3部作のまだ第一章なので「こういう人物です」とすべてをお伝えするのは難しいのですが、現時点でのハルオはひと言で言えばゴジラに対して強い憎悪や復讐心を持っている男性ですね。今の段階では、「果たしてそこまでの思いは一体どこからくるんだろう?」と感じるのですが、逆にそこが彼の魅力にもつながっている気もします。また、彼はほかの登場人物たちとは違った考え方を持っていて、独自の思いを貫こうともしている。その姿は、一見すると異分子のように感じられますが、革命家と呼ばれる人たちというのは、得てしてそうした部分をまとっているのかなという気もしますね。しかもハルオのすごいところは、そうした特別な存在感を持ちながらも、みんなを引っ張っていくカリスマ性や魅力がある。掘り下げれば掘り下げるほど、いろんな側面を持った人物だなと思います。

櫻井:この作品はハルオが主人公なので、当然物語もハルオを中心に動いていくんですが、その彼の思いを後押しするのがメトフィエスです。見た目は若い青年ですが、実は50歳の異星人でして(笑)。ただ、異星人だからこそ、人間のハルオとの間に生み出せる距離感があるように感じますね。

宮野:不思議な関係性ですよね。実は2人の関係はそれだけではないのですが、ネタバレになるので、これ以上は言えないんです(笑)。

櫻井:ほんと、言えないことが多すぎるよね(笑)。でも、それだけいろんな展開が待ち受ける壮大な作品だと理解していただければと幸いです!(笑)

◆では最後に、アニメならではの見どころを教えてください。

櫻井:“ゴジラ”シリーズは最新の特撮技術を結集させて作っていると思うのですが、今回は監督を含め、最高のアニメの技術スタッフが集結しています。そこが大きな見どころの1つですね。また、非日常的なSF作品ではあるけれど、異星人を“人種”として捉えると、実は身近な物語でもある。ですので、壮大な作品なのに、ものすごく身近なこととしても楽しんでいただけるのではないかと思います。

宮野:確かに思い切った設定で作品を作れるというのもアニメならではですよね。それにパワードスーツを着てゴジラと戦うという形も新しいですし。その意味では、“SF”“アニメ〟と、子供の頃の夢がたくさん詰まった作品だと言えますね。

 

■PROFILE

宮野真守
●みやの・まもる…1983年6月8日生まれ。埼玉県出身。B型。現在公開中の「劇場版 はいからさんが通る前編~紅緒、花の17歳~」に出演。

櫻井孝宏
●さくらい・たかひろ…1974年6月13日生まれ。愛知県出身。A型。現在、アニメ『おそ松さん』『Infini-T Force』に出演中。

 

■作品情報

映画「GODZILLA 怪獣惑星」「GODZILLA 怪獣惑星」
11月17日(金)より全国公開

<STAFF&CAST>
監督:静野孔文、瀬下寛之
脚本:虚淵玄
声の出演:宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、杉田智和、梶裕貴ほか

<STORY>
巨大生物「怪獣」とそれを駆逐する「ゴジラ」の戦いの末、人類は地球を脱出。20年後、再び帰還するも、時流の差で二万年の歳月が経過した地球は未知の世界となっていた。

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●photo/花井 透 text/倉田モトキ