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浪川大輔インタビュー「こんなにしゃべる作品は初めて」海外ドラマ『リミットレス』

浪川大輔インタビュー「こんなにしゃべる作品は初めて」海外ドラマ『リミットレス』

浪川大輔さんが声優を務める『リミットレス』が、海外ドラマ専門チャンネル「スーパー!ドラマTV」にて11月23日(水・祝)より独占日本初放送される。同名映画に主演したブラッドリー・クーパーが製作総指揮を務め、その後の物語を描いたサスペンス・アクションで、浪川さんは脳を100%活性化させることのできる謎の薬「NZT-48」を飲んで難事件を次々と解決していく主人公・ブライアン役。ご本人も「こんなにしゃべる作品は初めて」とおっしゃるほど、圧倒的なせりふ量に挑んでいる浪川さんにその苦労や、作品に対する思いを伺いました。

浪川大輔インタビュー

◆主人公のブライアンに声を当ててみていかがですか?

正直、ものすごい大変です!というのも、この『リミットレス』は“新感覚サスペンス・アクション”とうたっているだけあって、せりふの量やテンポ感、設定の部分も含めて内容が本当に盛りだくさんなんです。ヒューマンドラマや犯罪捜査の要素もあり、それでいて非常に分かりやすく仕上がっているのですが、毎回収録が終わると本当にヘトヘトで…。

◆せりふのボリュームがかなりありますもんね。

そうなんです。すごくうれしいことではあるんですけど、せりふがとにかくボリューミー。演出上、ブライアンがもう一人出てきたり、そのブライアンのモノローグが出てきたり、良いブライアンと悪いブライアンまで出てきたりして…。

◆ブライアンだらけですね(笑)。

もう大変。大騒ぎです(笑)。ただ幸いなことに、ブライアンは軽いノリのキャラクターなんです。だんだんNZT-48という薬に自分も周りも慣れてきて変わっていく部分はあるにせよ、自分と目線が近いタイプなのでしゃべりやすい。そこはとても助かっています。

◆ブライアンを演じるときにフックにしている部分はありますか?

最初は「NZT-48飲んだらこうなるでしょ!」っていうすごくキメキメのしゃべり方をしていたんです。でも、そうじゃないなと。ブライアンはブライアン。NZT-48を飲んだからといって、何でもできるスーパーヒーローになれるわけでもなければ、人格ががらりと変わるわけでもない。あくまでNZT-48は脳の働きを100%活性化させるという、言わば超“脳”力の薬なんです。だから、この質問に端的に答えるとすれば、ブライアンの「ナチュラルさ」。ブライアンは実家暮らしで、音楽活動はうまくいっていないけど、家族が大好きなごく普通の青年。主人公として好印象を持ってもらえるポイントであると同時に、この作品を見やすくするポイントだとも思っているので、それが僕の声によって損なわれないよう、そしてなるべく自然と耳に入ってくるような形にしたいなと。今まさにこうして自然にしゃべっているような感じを、ブライアンでいかにできるか。それを自分の中ではフックにして演じているつもりです。

◆じゃあ、NZT-48を飲む前後での変化をそこまで意識するようなこともないですか?

あんまり意識してないですけど、芝居自体の変化は序盤に比べればだいぶあると思います。というのも、ブライアン自身が変わっていくので。NZT-48の使い方もそうですし、FBIの事件を何度も解決へ導いていく中で責任感が生まれる一方、ちょっとしたエゴや、より明確な要望が出てくるようになる。その辺はやっぱりまだブライアンって少年っぽいんですよね。だから、そこまで大きな変化ではないのですが、「あ、ちょっと意識違うな」と思う瞬間はあります。ずっとへらへら、なよなよしている感じでないのは確かですね。

◆ブライアンというキャラクターの魅力をどんなところに感じますか?

すごくいいなと思うのは、物事をプラスに捉えていくところ。落ち込むときは落ち込むんですけど、物怖じしない。NZT-48を飲むのにしたって、冷静に考えたら怖いことだと思うんです。でも、ブライアンはそれをパッとやれてしまう。使えるものは使っていこうと考えるんです。

◆ブライアンの少年っぽいところかもしれませんが、言い換えれば素直とも取れますね。

そう、素直なんです。お父さんをはじめ家族との描写では、せりふの端々からその素直さを感じられます。FBI捜査官のレベッカに対してもそう。NZT-48を飲めばその知識力でいろんな手段が思いつくだろうに、「君がこう言ったから僕はこうやったんだけどさぁ」みたいなことを言うんです。ちゃんと言われたことは守るんです。人と人とのつながりを大事にしていて、それを自然とやれるところが素晴らしいし、うらやましくもあります。

◆ブライアンとレベッカは、相棒としてすごくいい関係性を築いていきますよね。

2人は敵同士ではないにせよ、最初は意見が合わないことも多い。でも、物語が進むに連れてそれがだんだん合うようになってきて、バディ感が生まれてくる。その感じが、演じていて非常に気持ちいいんです。あと、レベッカはFBI捜査官だから身なりがきっちりしていて、顔つきからも厳しいのかなっていうイメージがあったんですけど、意外にノリがよくて、優しいところもちゃんとある。そんなレベッカだからこそ、互いに悩みも言い合えるような仲になっていく。バディの絆の強さを生む上で、それってとても大きなことですよね。2人のそういう友情、仲間としての描写は、この作品の魅力の1つだと思います。

浪川大輔インタビュー

◆今回は事前に何か準備はされたのですか?

これはどのドラマでもそうだと思うんですけど、先々の展開って分からないものなのです。ならどうすると言ったら、役作りをして備えるしかない。ただ僕の場合、そこまで完璧な役作りはしません。なぜなら、今回の僕のように全然違う方向性でアプローチしていったときに軌道修正しづらくなるからです。だから、役作りは柔らかくするのがベスト。事前にVTRをチェックして「ブライアンって何でこんなに早口なのか、それにはこういう理由があるんじゃないか」とか「頭のいい人ってどういう感覚でしゃべるんだろうな」とか「周りの役者さんたちはどういう感じでくるかな」とか、そういう想像をするくらいにして、だいぶ余裕を持たせておく。そこから足したり削ったりするのが、1話目の作業。実際やってみないと分からないところもありますからね。

◆VTRをチェックするときに重点的に見るポイントはありますか?

お、マニアックな質問ですね(笑)。英語に日本語を当てようとすれば、そこには必ず違いが生じますけど、翻訳家さんと演出家さんのおかげでほとんど合うようになっているんです。だから、僕は大前提としてアクセントやブレスの位置まで合わせるのは当然だと思っています。ただ、やっぱり海外の方は表情が大きい。身振り手振りなんかも含めて、そこは細かいところまでチェックして、せりふのどこを立てるのがいいかを考える。つまり、日本語と英語の表情が自然とマッチするポイントを押さえるようにするんです。企業秘密ですよ?(笑)。

◆せっかくの貴重なお話なので、ぜひ掲載させてほしいです(笑)

えっ、載っちゃいます!?じゃあしょうがない(笑)。

◆ありがとうございます!ブライアンを演じているジェイク・マクドーマンさんに対しては、どんな印象をお持ちですか?

これは自分の勝手な思いであって偉そうには言えなしですし、本当に恐れ多いんですけど、今までいろんな役者さんの吹き替えをやらせていただいてきて、やっぱりやりやすい方と難しい方っていらっしゃるんです。今回のジェイク・マクドーマンは、すごくやりやすい方。彼の芝居って、非常に分かりやすいんです。先ほどもお話したような外国人独特の表情や身振り手振りに余分なものがない。いい意味で、シンプルなんです。だから僕としては、すごく味付けがいがあります。あと、彼は体が大きいし、ひげも生えていて一見イカついんですけど、まるで少年か犬かのような表情をすることが多々あるんです。あれは女性に絶対モテる!(笑)愛されキャラなんですよね。その魅力が、作品中にふんだんに使われていると思います。

◆やっぱりそういう役者さん自身のイメージというのも、声を当てるときに意識するものですか?

もちろんです。それに、向こうの役者さんだってしっかり役作りをされているわけです。役があって、それに対して役者さんがどうアタックしているか、その気持ちはできるだけ汲んであげたい。そういうインプットとアウトプットの両方を見られるのが、声優なんじゃないかと思うんです。

◆ちなみに浪川さん自身、NZT-48を飲みたくなる瞬間はありますか?

そりゃあいっぱいありますよ。しょっちゅうです(笑)。それこそ『リミットレス』のアフレコのときだってそう。難しい単語に難しい国名、難しい名前なんかもいっぱいあるんですよ。何でこの名前なんだろうって思うような人たちがぞろぞろ出てくる(笑)。それでもすごい速さでしゃべらないといけないので、そのときは「NZT-48!」って叫びたくなります(笑)。ただ、その苦しみがあるからこそ、そしてそれを乗り越えてこそ、見てくださる方たちに喜んでもらえるでしょうし、あと自分の限界を知るのも大事だと思うんです。こういう取材のときとかに話のオチを求められてNZT-48が欲しくなるときもありますけど、例え失笑されたとしてもそれが今の実力なんだと受け止めなきゃいけない(笑)。だから、一生に一錠あればいいかもしれないですね。いつ使うは分からないですけど…いやでも、目の前にその一錠があったらすぐ飲んじゃうかなぁ(笑)。

◆ただ、NZT-48には副作用もありますからね。頭痛や吐き気だけに留まらず、例えるなら二日酔いをもっと強烈にひどくした状態のような…。

「キレイなバラにはトゲがある」じゃないですけど、やっぱりいいものには絶対悪いものがひっついてくるんですよ。NZT-48も例外ではなく、使いすぎると体がついていかなくなったりする。だから、使わなくて済むならそれが一番。でも、使いたい気持ちは“リミットレス”です(笑)。この『リミットレス』を見ていただければ、ブライアンを通して「NZT-48を飲めばこんなこともできるんだ!」っていう疑似体験ができる。あなたの人生をまさに“リミットレス”にしてくれるはずです(笑)。そういう楽しみ方もしていただければと思います。

◆では最後に、視聴者へ向けてメッセージをお願いします。

よく「人間の脳って実は3%くらいしか使っていないのよ」なんて話を聞きますけど、じゃあ脳がすべて覚醒したらどうなるのか。そんな妄想をかき立ててくれるドラマが、この『リミットレス』です。もしかしたら難しくて入りづらい作品なんじゃないかと思われるかもしれませんが、全然そんなことはありません。むしろすごく入りやすいと思います。いろんな要素がありますが、どれもこれも中途半端にしていない。ユーモラスな部分もシリアスな部分も含めてしっかりやり切っている感があって、合点がいかないってことはまずありません。コアな海外ドラマファンにも、ちゃんと作っているんだなって分かっていただけると思います。僕としてはこんなにしゃべる作品は初めてですし、あまり嫌味にならないようにお芝居しているつもりなので、最後まで応援していただけるとうれしいです。

 

■PROFILE

浪川大輔インタビュー浪川大輔

●なみかわ・だいすけ…1976年4月2日生まれ。B型。東京都出身。
アニメでは『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のアルフレッド・イズルハや『ルパン三世』の石川五ェ門、洋画では「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのイライジャ・ウッドなど出演作多数。
吉野裕行との音楽ユニット「Uncle Bomb」としても活動している。

 

■作品情報

『リミットレス』『リミットレス』
海外ドラマ専門チャンネル「スーパー!ドラマTV」にて、11月23日(水・祝)より独占日本初放送スタート

【二ヶ国語版】毎週(水)後10・00ほか
【字幕版】毎週(水)深0・00ほか

<STAFF>
製作総指揮:クレイグ・スウィーニー、ブラッドリー・クーパー

<CAST>
ジェイク・マクドーマン(声・浪川大輔)、ジェニファー・カーペンター(本田貴子)、ヒル・ハーパー(上田燿司)、メアリー・エリザベス・マストラントニオ(高島雅羅)、ブラッドリー・クーパー(桐本拓哉)、ロン・リフキン(星野充昭)ほか

 
●photo/中村圭吾 text/甲斐 武

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