萬田久子と『グランマの憂鬱』原作者・高口里純が対談!百目鬼ミキは「私にとっての理想像です」

ドラマ
2023年05月18日
『グランマの憂鬱』©東海テレビ

土ドラ『グランマの憂鬱』(東海テレビ/フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分〜深夜0時35分)の原作者・高口里純と萬田久子の対談が実現した。

高口里純の「グランマの憂鬱」(双葉社 JOUR COMICS)を原作とする本作は、村の総領「グランマ」こと百目鬼ミキ(萬田久子)が、日常に巻き起こる家族・仕事・生活の問題を一刀両断。見ているだけで胸がすく、愛ある「喝!」が必見のドラマとなっている。

5月20日(土)放送の第7話の見どころは、友人の死を悼むために東京へとやって来るミキと、旧友たちの久々の再会シーン。撮影を行ったのは、東京近郊のホテルにあるレストラン。そしてミキの友人を演じるのは小柳ルミ子、今陽子、梅沢昌代といったベテラン勢だ。

『グランマの憂鬱』©東海テレビ

「(ミキの友人役は)役者だけで固めたくなかった」というプロデューサーの言葉通り、4人がそろったシーンでは声量豊かな小柳や今のせりふが響きわたり、それを萬田や梅沢が受け止めるといった流れに。また、せりふを間違えた小柳が笑いをこらえきれず、今が「ルミ子は笑い出すと止まらないの」とフォローする場面も。和やかながらもカッコ良い、大人の女性の生き方を感じるシーンは必見だ。

そんな本作について、ドラマ化を心待ちにしていたという原作者・高口は、執筆で忙しい合間を縫って撮影現場も訪問。そして今回、萬田との対談が実現した。実は同世代という高口と萬田が考えるこれからの生き方や、ドラマの見どころであるグランマの「喝!」が生まれるヒントなどについて語ってもらった。

原作者・高口里純&萬田久子 対談

『グランマの憂鬱』©東海テレビ

高口:お互いに、もう45年ぐらいのキャリアになりますね。

萬田:高口先生は、これまでずっと漫画を描いてこられたんですか?

高口:少女漫画からスタートしました。でも当時の少女漫画家って、30歳くらいになると学校が舞台の作品などは、リアリティのある内容が描けなくなって引退、という人も少なくありませんでした。

萬田:でも、先生は現在もご活躍ですね。

高口:私が30代を迎えた頃にレディースコミックが出版されるようになって、大人の漫画を描ける場所ができたんです。そこで描いた作品の一つに、ベビーシッターを主人公にした漫画「紅のメリーポピンズ」がありました。百目鬼ミキはその漫画に登場したサブキャラで、彼女を主人公に据えてスピンオフとして描いたのが「グランマの憂鬱」なんです。

萬田:それが百目鬼ミキの誕生だったんですね!

高口:当初はおばあちゃんが主役の漫画ってどうなんだろうと思ったけれど、受け入れていただいて。だからこのジャンルでは、たぶん私が先駆けだと思います。

萬田:(パチパチパチ)素晴らしい!

『グランマの憂鬱』©東海テレビ

高口:「グランマの憂鬱」は、描き始めた当初から読者の方に「ドラマ化されないの?」と言われていたので、今回はとてもうれしいです。

萬田:その頃、誰をイメージして百目鬼ミキを描いていたんですか?

高口:私のイメージでは80歳以上のおばあちゃんだったんですね。ただ、読者の方からは「野際陽子さんがいいのでは?」という意見が多かったことを覚えています。だから最初に萬田さんと聞いた時には想像よりも若くて、「おぉ、そう来たか!」と(笑)。

萬田:私もお話を頂いた時はうれしい反面、頭の中にクエスチョンマークがたくさん浮かびながらもなるほど!! と。

高口:でも百目鬼ミキに扮したお写真を拝見した時には、合っていると思いました。ウチのスタッフに萬田さんが吹き替えを担当した海外ドラマ「デスパレートな妻たち」の大ファンがいて。彼女が「萬田さんが演じるのなら絶対大丈夫!」って、太鼓判を押してくれましたよ。

萬田:うれしいなぁ。今回の百目鬼ミキは、漫画版よりも若干若くて70代という設定。それでも私とは少し年齢差があるんですが、衣装とヘアメイクに助けられています。

高口:きちんと着こなしておられて。

萬田:やはり着物に袖を通すと背筋が伸びるというか、気持ちを凜とさせてくれる。私を百目鬼ミキにさせてくれますね!

『グランマの憂鬱』©東海テレビ

萬田:凜とした姿も百目鬼ミキの魅力ですが、本当に心に響くせりふが多いんですよね。

高口:ミキのせりふは、普段友達と話している中にヒントがあるんです。

萬田:そうなんですか?

高口:同世代の友達と話をしていると、怒りの沸点が同じだったりするじゃないですか(笑)。それで怒りに任せてああでもない、こうでもないと話をしていると、「喝!」につながるような考え方や言葉が見えてきて…。友達からも、よく「今、グランマになってるよ」って言われたりするんです(笑)。

萬田:子供の頃、おばあちゃんから、ためになる話を聞く機会がたくさんありました。

高口:もっと話しておけば良かったと、今になって思っています。自分の周りもお年寄りがいなくなってきたし…。いや、自分がその年齢に近づいているのか(笑)。

萬田:本当に(笑)。楽しみは先延ばしにせず、今を楽しもうという気持ちになっていますね。

高口:確かに…。この間も同世代の友達から「花見を計画したら、当日になって参加者の1人が入院しちゃって」と聞かされて…。人生をどう楽しみ、どう終えるかは私たち世代にとって重要なテーマかも。

萬田:ドラマの中でも「死に様は生き様で決まる」というせりふがあって、とても印象的でした。

高口:いいこと言ってるなぁ(笑)。人生の最期は自分では決められないから、その日までちゃんと生きないと、ちゃんと死ねないってことですね。

萬田:私もミキさんみたいに生きないと(笑)。演じているうちに、だんだん百目鬼ミキに魅力を感じ、愛しい人になってきました。今はもう、私にとっての理想像ですね。

第7話 ストーリー

百目鬼ミキ(萬田久子)のもとに、学生時代の友人・アキちゃん(榊原るみ)が亡くなったとの報が入る。由真(足立梨花)と亜子(加藤柚凪)を残して、ミキは東京へお焼香をあげに行くが、そこで待っていたのは「俺より先に死にやがって、最期まで気の利かない女だな」と悪態をつくアキの夫・耕吉(秋野太作)と、そんな父親に手を焼いている様子の娘・博美(中島ひろ子)の姿だった。
一方の由真と亜子は、ミキがスマホを忘れていったことに気づき、届けようと東京へ追いかける。そこでグランマそっくりの淑女たちと遭遇する亜子。歯に衣着せぬ物言いとシャンと伸びた背筋、堂々としたその立ち居振る舞いは、ミキに通じるものがあって……果たして彼女たちの正体は? 大切な人に「言うべきこと」と、「言わなくて良いこと」、ちゃんと意識していますか? そして、「年齢はただの数字」! のマル秘ガールズトーク開催!!

番組情報

『グランマの憂鬱』全8話(予定)
東海テレビ/フジテレビ系
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分

出演:萬田久子、足立梨花、加藤柚凪
鷲尾真知子、竹内都子、駒塚由衣、金子昇、神尾佑、モト冬樹

企画:市野直親(東海テレビ)
原作:高口里純 「グランマの憂鬱」(双葉社 JOUR COMICS)
脚本:森脇京子、阿久津朋子、遠山絵梨香、的場友見
音楽:鈴木ヤスヨシ
主題歌:THE ALFEE「鋼の騎士Q」(ユニバーサルミュージック)
演出:岡野宏信、長尾楽、雨宮由依ほか
プロデューサー:中頭千廣(東海テレビ)、小林和紘(FCC)、浅野澄美(FCC)
制作:東海テレビ FCC

土ドラ公式YouTube:https://www.youtube.com/shorts/rydfw-s1xic
土ドラ公式TikTok:dodra_tokaitv

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