『イグナイト』畑中P&駒P、最終回は「“無法者”らしい展開も楽しみにしてほしい」

ドラマ
4時間前
『イグナイト -法の無法者-』

金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』(TBS系 毎週金曜 午後10時~1054分)の最終回(627日(金)放送)を前に、企画・プロデュース・脚本を手掛ける畑中翔太氏と駒奈穂子プロデューサーのコメントが到着した。

本作は、日本の訴訟社会化と飽和する弁護士界の実態をテーマに描く、ダークリーガル・エンターテインメント。2000年以降の司法制度改革により、弁護士の数はこの20年で倍以上に急増し、飽和状態となっている。それによって、依頼人からの弁護士費用が主な収入源となる弁護士たちは、弁護士バッジをつけているだけでは食えない世の中になってしまった。そんな時代だからこそ、もしも弁護士が自ら“人々の間に訴訟を起こさせる”存在となってしまったら…。

Ignite=“火をつける”。主人公・宇崎凌(間宮祥太朗)が足を踏み入れたのは、その名の通り、“争いの火種”があるところへと潜り込み、人々に訴訟をたきつけ、あらゆる手段を使って原告を勝訴へと導く、界隈では“無法者”として知られている怪しげな法律事務所。まるで弁護士バッジをつけた“法の当たり屋”ともいえる彼らの目的は金か、正義か…。

◆まずは、5か月にも及ぶ撮影を終えた心境をお願いします。

畑中:長くて思い出深い撮影でした。肉弾的なアクションからスリリングな裁判まで振れ幅の大きい作品だったんですけど、主演の間宮さんは終始疲れた顔ひとつ見せなくて。ずっと熱量を落とさず役や作品と向き合っていたのは、本当にすごいなと思いました。

駒:宇崎という役は抱えている過去も重く、間宮さんは大変だったと思います。でも宇崎だったらどう行動するのか、どういう表情でどういう言葉を発するのかを常に考え、議論しながら取り組まれていて。キャストもスタッフも自然とその熱量に引っ張られたし、チームの空気感を作ってくださったことへの感謝が大きいです。

◆現場全体の雰囲気はいかがでしたか?

駒:大変なことも多かったけど、ずっと楽しそうにしてくださっていたのが救いでした。特にピース法律事務所でのシーンは本当に楽しそうで。空き時間もずっと4人でセットの中のそれぞれの席に座って、たわいのないおしゃべりやその後のシーンの話をしていたんです。

畑中:撮影スケジュール的には先に事務所のシーンを全部撮り終えたので、後半はピースメンバーみんなでの撮影機会が減っていったんです。なので、次はいつメンバーと会えるみたいな感じで、皆さん撮影を楽しみにしていましたね。

『イグナイト -法の無法者-』

◆キャストの皆さんからの提案により本編に生かした設定や実現したことはありますか?

畑中:割と最初の段階で上白石萌歌さんから、「伊野尾は現代っ子ぽくしたい」とご提案をいただいていて。上白石さんの言葉を借りると「ギャル弁護士」みたいな。その提案を受けてセリフ回しを変えましたし、伊野尾のキャラにラフな雰囲気を加えたところもあります。

駒:桐石役の及川光博さんは変装や潜入を楽しんでくださって、いろいろ提案していただきましたね。仲村トオルさんも、切れ者でありながらどこかうさんくさい轟のキャラクターを掘り下げて、一見シリアスなシーンなのにちょっとふざけてみたり。それに乗っかって、ほかのみんなも面白い掛け合いを繰り広げることがありましたし、おかげで作品全体にどこか笑いのエッセンスが加わった気がします。

畑中:あと、アクションですね。宇崎のアクションを見た三山凌輝さんが「俺もアクションやりたいです。結構鍛えてるんです」と言い始めて(笑)。りょうさんも、ちょっと動きのある芝居をしたいと。それを1011話に反映させて、みんな少しずつ荒ぶる感じにしたというのはあります。

◆今だから話せる撮影エピソードはありますか?

駒:ピースのメンバーが乗っているワゴン車は轟の趣味で買ったもので、外見はレトロでおしゃれだけど、車内で会議もできちゃう代物なんです。通称「ピース車」と呼んでみんなかわいがっていたんですけど、何しろ古い車なものだから時々動かなくなって。スタッフで車を押して移動させたり、部品の交換をしたりしながら使っていたんです。でもそうやって手がかかる分、愛着も湧きました。

畑中:セット的には、法廷と事務所が隣り合わせなんです。本当に徒歩10歩ぐらいの距離なんですけど、法廷の撮影日はセリフの内容も難しかったり、量も多いこともあって、現場に少し緊張感があって。逆に事務所の日は和やかという。ほとんど同じ場所でありながら、日によって雰囲気が変わるところが面白かったです。

◆ストーリーに関しては、SNSではさまざまな考察も飛び交っていました。

畑中:視聴者の皆さんの観察眼はすごいなと思いました。1話で轟の娘・佳奈(藤﨑ゆみあ)がバス事故に巻き込まれた際、彼女のスマホに一瞬、轟のアイコンを写したんです。それを見て、もう轟の娘じゃないかという考察が始まっていて。全部バレちゃうんじゃないかと、ずっとハラハラしてました(笑)。でもそれぐらい5年前からの因縁や闇が気になってくれたのであれば、成功だったのかなと思ってます。

駒:各話や縦軸のストーリーだけでなく、メインキャラクター6人を愛してもらいたいなと思いながら脚本を作っていたんです。そんな中で、「実は轟と宇崎が親子なんじゃないか」みたいな、キャラクターの関係性への考察もしてくださって。「今はこうだけど、昔はこうだったんじゃないか」と、彼らの過去も含めて想像してくださったのはありがたいなと思いました。

『イグナイト -法の無法者-』

11話の見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。

畑中:5年前のバス事故からずっと、轟は事務所を設立して仲間を集め、宇崎を引き入れて。一方で浅見(りょう)も警察内部を探りながら、裁判のために歩んで来ました。ぜひ視聴者の皆さんも傍聴席にいるような気持ちで、この裁判を見守ってほしいなと。一方でかつてない強敵を相手にどうやって証拠を手に入れ、情勢をひっくり返していくのか。サブタイトルに「無法者」とあるところにも帰着させていくので、ワクワクする展開を楽しみにしていただきたいと思います。

駒:裁判の場における、それぞれのキャラクターの感情のぶつかり合いは見どころだと思います。ものすごい権力を持った相手に、感情が人間の形をしているような宇崎がどうぶつかっていくのか。どちらかというと理性的な高井戸(三山)や伊野尾も感化されて、みんなで感情をぶつけていくことになります。視聴者の皆さんも理不尽なことは許せないという熱い気持ちを持って、このチームを見届けていただきたいと思います。

◆少し気が早い話ですが、もし続編やスピンオフを制作するとしたら、どんなストーリーにしたいですか?

駒:そういう話はよく現場でもしていたんです(笑)。もしスピンオフ的な話をやるのなら、今まで関わった依頼人が一緒に暗躍するような話も面白いんじゃないかなと。毎回ゲストの皆さんのキャラクターも濃かったですし、また再登場していただけたら楽しい作品になる気がします。

畑中:監督とは、「『無法者』なので銃を使いたいね。だったら海外かな」という話はしました。日本の弁護士もので銃はあり得ないけど、海外が舞台だったらあり得なくもないなと。このチームは弁護士としてはあり得ない人たちの集まりですし、そのぐらいダイナミックな話も成立するんじゃないかなと思います。映画「オーシャンズ11」のような、エンターテインメント性を際立たせた作品を作ってみたいです。

『イグナイト -法の無法者-』

番組情報

金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』最終回
TBS
2025627日(金)午後10時~1054

<出演者>
宇崎凌…間宮祥太朗
伊野尾麻里…上白石萌歌
高井戸斗真…三山凌輝
浅見涼子…りょう
桐石拓磨…及川光博
轟謙二郎…仲村トオル

<スタッフ>
製作、BABEL LABEL TBS
企画・プロデュース・脚本:畑中翔太(『量産型リコ』『お耳に合いましたら。』『絶メシロード』など)
脚本:山田能龍(「全裸監督」「新聞記者(Netflixオリジナルドラマシリーズ) 」「朽ちないサクラ」など)、山口健人
法律監修:福島健史
音楽:森優太
プロデューサー:山田久人、瀬崎秀人、駒奈穂子
編成:松本友香、杉田彩佳
監督:原廣利(「帰ってきた あぶない刑事」「朽ちないサクラ」など)、山口健人(「イクサガミ」『アバランチ』など)、吉田亮

©BABEL LABELTBS

下記の「CTAボタン」を設定することで、ユーザーがスマートフォンで記事詳細ページを開いた際に「続きを読む」の下に「CTAボタン」を2つ追加できます。上段「CTAボタン」に設定したものは上に表示、下段「CTAボタン」に設定したものは下に表示されます。
2025夏ドラマ最新情報まとめグラビア関連記事一覧