薮宏太、19歳以来13年ぶりの「She Loves Me」再演に意気込み「にじみ出る大人を出せたら」

エンタメ総合
2023年03月08日
「She Loves Me」左から)竹内將人、坂元健児、綺咲愛里、薮宏太、宮澤佐江、岡田亮輔

ミュージカル「She Loves Me」の制作発表が3月7日(火)に行われ、薮宏太(Hey! Say! JUMP)、綺咲愛里、宮澤佐江、竹内將人、岡田亮輔、坂元健児が登壇した。

「She Loves Me」は1963年にブロードウェイで初演され大絶賛を浴びた名作で、日本では市村正親と涼風真世のコンビで1995年に初演、その後1997、1998年と続演された人気作品。クリスマスを舞台に繰り広げられる優しいストーリーと温かな音楽が観る者の心を癒やす、キュートでロマンティックなミュージカルだ。

ブダペストのとある香水店。そこで働くジョージ(薮宏太)とアマリア(綺咲愛里)は顔を合わせればけんかをする犬猿の仲だ。店の仲間たちとにぎやかに日々を送っているジョージだったが、社長のマラチェック(岸祐二)は彼に恋人がいないことを心配してあれこれと口うるさく言ってくる。だが実はジョージには最愛の女性がいた。それはなんと文通相手。まだ見ぬ彼女に本気で心を奪われていた。

主人公・ジョージ役の薮宏太は2009年の上演時にも同役を演じており、今作では観客のみならず薮本人も熱望した約13年ぶりの再演が実現。共演には綺咲愛里、宮澤佐江、竹内將人、岡田亮輔、岸祐二、坂元健児が顔をそろえる。

「She Loves Me」薮宏太

制作発表会見には、薮、綺咲、宮澤、竹内、岡田、坂元が登壇。まず、薮が「皆さまお忙しい中、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。13年ぶりに『She Loves Me』の世界に入ることができるということ、そしてまたジョージになれることが本当に感無量であり、ワクワク、ドキドキしています。本日はよろしくお願いいたします」とあいさつ。

綺咲は「何度も再演されてきたこの歴史ある作品に携わることができるということで、今からとても楽しみにしています」、宮澤は「ちょっと切羽詰まったような、楽しいことを忘れかけていた数年間だったと思うので、心にすごく響くんじゃないかなと思っております」と。

竹内は「初演から世界中で愛されてきたこの作品に参加させていただけるということで、とても楽しみにしています」、岡田は「SNSの時代になってきている中で、手紙というモチーフを通して言葉の大切さを伝えることができる作品の一員になれることを光栄に思います」、坂本は「人を妬むような役が多かったので、今回はジョージの良き理解者の役ということでワクワクしております」と本作への期待を語った。

「She Loves Me」に抱いている魅力について綺咲は「作品全体が本当にキュートでチャーミングですよね」と語り「その世界観に飛び込めることがとてもうれしいので、まだ稽古段階ですがこのメンバーでこれからどうなっていくのかなとワクワクしていますし、皆さんと一緒に私も楽しみたいなと思っています」と期待を膨らませた。

「She Loves Me」綺咲愛里

宮澤はストーリーに登場する文通に着目し、「入力された文字より手書きの文字の方が温かさや性格も出たりしてほっこりすると思うんですけど、そういった要素がこの作品のいろんなところに組み込まれているんです。温かい気持ちになっていただけたらいいなと思います」と。岡田も「本作の台本自体が“文字を書いているときに相手の気持ちを考えている”というような台本になっていると思います。文字の大切さをしっかり発信していけるよう、大事に作っていきたいです」と語った。

一方、竹内は「ブロードウェイ版のCDを聞いたときに、音楽が全部かわいいなと思いました。特に序曲には、一気にブダペストの古き良き雰囲気に連れ込んでくれるなという印象があります。実は僕、ブダペストが大好きで2回行ったことがあるので、早く稽古をしてステージに立って、またあのブダペストに帰りたいなという思いもあります」と明かした。

そして坂元は「台本を読んで、この作品にはアメリカンコメディの要素がすごくたくさんあるなと感じました。日本人がやるとリアリティのないものまね的な感じになりがちだとは思うんですけれども、その部分は非常に大事な要素だと思うので、日本人ならではの生活感がにじみ出る作品になったらいいんじゃないかなと思っております」と分析した。

また、19歳以来13年ぶりにジョージを演じる薮は、今回の再演について「このお仕事をずっと続けてきてよかったなと感じる瞬間でもあります。当時は少し背伸びをしているような感覚で“大人ってなんだろう”と考えながら演じていた部分もありましたが、13年間でいろんな経験をさせていただいたので、今作では意識をして作る大人というよりも、にじみ出る大人を出していけたらと思います」と意気込んだ。

そんな薮は、自身を“大人になったな”と感じる瞬間として「Hey! Say! JUMPのメンバーが当時は思春期だったので、叱ったり注意することがよくあったんですけど、それが最近は全くなくて、逆にいじられるようになったんです。そういった瞬間に“みんなも大人になったし、僕ももうそういう立場ではないんだな”と感じます」と明かした。

また、会見ではジョージが香水店で働いていることにちなみ、イベント中にフレグランスデザイナーが薮をイメージした香水を調香するサプライズも。今回の香水は、薮の爽やかさの中にある大人な印象と、舞台地・ブダペストのオリエンタル調を融合したイメージで調香され、さらに“13年”という歳月の重みをアンバーバニラやムスクで表現し、ウッド系の残り香で和らげたものに。

「She Loves Me」薮宏太

そんな情報を耳にした宮澤に「モテるんじゃない…?」と振られ「モテますか…?それ(香水)に見合う男になります」と語った薮。実際に完成した香りをまとうと「うわあ…最高…! 広い大草原の中に1人ぽつんと立っているような…深呼吸をしているだけなんだけど、でもちゃんと地に足をついている、そういった気持ちにさせてくれます」と見事に“香リポ”を披露。綺咲も「すごく華やかですね…!」、坂元も「いい香りですね、ウッドな感じで…!」と絶賛し、一同和んで笑顔に。

最後に薮が「お客様には、ジョージとアマリアのうまくいかない部分から“この2人はどうなるんだろう”とか“文通相手は誰なんだろう”といったことを感じ取りながら見ていただければと思います。13年ぶりに『She Loves Me』頑張りますので、ぜひ見に来てください」と呼びかけ、会見を締めくくった。

公演情報

ミュージカル「She Loves Me(シー・ラヴズ・ミー)」

<東京公演>
2023年5月2月(火)~30日(火)
シアタークリエ

<大阪公演>
2023年6月3日(土)、4日(日)
東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール

<愛知公演>
2023年6月8日(木)~6月10日(土)
御園座

台本:ジョー・マスタロフ
作曲:ジェリー・ボック
作詞:シェルドン・ハーニック
翻訳・訳詞・演出:荻田浩一

出演:薮宏太(Hey! Say! JUMP)、綺咲愛里、宮澤佐江、竹内將人、岡田亮輔、岸祐二、坂元健児 ほか

公式HP:https://www.tohostage.com/she_loves_me/