細田佳央太「正しいわがままを言えるか、それとも普通のわがままになるかが境界線だと思う」映画「子供はわかってあげない」

特集・インタビュー
2021年08月13日

長編デビュー作で「マンガ大賞2015」2位にランクインした田島列島の同名漫画を、映画「横道世之介」の沖田修一監督が映画化した「子供はわかってあげない」。上白石萌歌さん演じる主人公・朔田美波と意気投合する同級生・もじくんを演じる細田佳央太さんに、苦労した役作りや夏休みの思い出について伺いました。

◆今回演じられたもじくん役は、オーディションで選ばれたそうですね。

はい。オーディションを受けるに当たって、沖田修一監督の映画「南極料理人」を見たのですが、心が温かくなるような世界観にとてもひかれました。そういうこともあり、もじくん役をぜひやりたいと思いました。オーディションでは、もじくんが朔田さんと出会う屋上のシーンを演じたのですが、沖田監督がものすごく汗をかかれていたことを覚えています(笑)。

◆そんなもじくんの役作りに関しては?

原作を読んだ時、何でも受け止めることができるもじくんの性格に憧れるぐらい、自分との共通点がなかったんです。そのため、どうしたらもじくんの雰囲気を出せるのか、という不安がありました。でも撮影前のリハーサルの時に、沖田監督から「台本の中にもじくんらしさを散りばめているから、あとは細田くんが演じてくれれば大丈夫」と言っていただいたんです。それで安心して撮影に臨むことができました。

◆役作りの1つとして、書道を習われたそうですね。

僕、中学生の時に一年間だけ書道を習っていたんです。今回、あまり字は書かない設定ではありますが(笑)、書道部の役ということであらためて習いました。書道をやられている助監督の方からマンツーマンで教わって、久しぶりに書道の楽しさや素晴らしさというか、気持ちが落ち着く感覚を思い出したような気がします。その姿を見ていた沖田監督から「その感じ、もじくんぽいね」と言われて、とてもうれしかったことを覚えています。

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