劇団PatchのLIFE GOES ON
【Web出張連載 最終回】中山義紘
「これからもついてきてください!」

特集・インタビュー
劇団PatchのLIFE GOES ON
2021年09月17日

関西を拠点に活動する“ちょうどいい”イケメン演劇集団・劇団Patchの連載「劇団PatchのLIFE GOES ON」がWebで出張連載! 誌面では語り切れなかったはみ出しトークを紹介しちゃいます!

いよいよ連載最終回。ロック☆オペラ『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー』(9月18日(土)より上演)に出演する中山義紘さんに、作品の見どころや主演の中山優馬さんとのエピソードのほか、劇団Patch10周年に向けての思いなども聞きました。

◆ロック☆オペラ『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー』はどのような作品ですか?

1960年代後半、昭和40年代から令和まで、時代が移り変わる作品です。主には昭和の歌謡界がすごく盛り上がっていた時代の話で。僕は平成生まれなので昭和を知らなかったんですが、調べてみると、すごく熱気にあふれていた時代だったんだなって。例えばビートルズが初めて来日した時に日本のファンが武道館に押し寄せたり、エンタメ業界に新しいものがバンバン生まれて、今の令和の時代にも続く伝説のコンテンツがいろいろ生まれたパワーにあふれた時代だなと思いました。

ストーリーとしては、中山優馬君演じるビートルズに憧れる少年が音楽の世界と出会って、自分もバンドを始めて芸能界に入り、恋をして恋に破れ…。ビートルズが解散し、ジョン・レノンが射殺されたことで現実の恐ろしさを知り、夢と現実の世界の境界が分からなくなっていくという物語です。

◆作・作詞・楽曲プロデュースは、アニメソングからJ-POP、歌謡曲まで数多くのヒット曲を生み出した作詞家の森雪之丞さんです。

僕にとっては『ドラゴンボール』の「CHA-LA HEAD-CHA-LA」の歌詞を書いたすごい方というイメージでした(笑)。雪之丞さんの取材記事を読んだら、「これはある意味僕の遺書だ」みたいなことをおっしゃっていて。雪之丞さん自身が生きてきた昭和の歌謡界が舞台ですが、昭和の芸能界って本当にこうだったんじゃないか、雪之丞さんの実体験なんじゃないかと思うぐらい赤裸々に描かれているなと思いました。そういう意味でも、昭和の歌謡界をリアルタイムで知っている方から優馬君のファン世代の若い方まで、いろんな世代の方が楽しめる作品になっていると思います。

◆演出は「ねずみの三銃士」シリーズなどで知られる河原雅彦さん。刺激を受ける部分は?

河原さんの演出作品は初めてなんですけど、河原さん自身が一番笑ってくれるので、それを見て僕らも「もっとやろう」って気になるんです。そうやって知らず知らずに引き出される感じが楽しいですね。「行け、行け、その調子! その方向性で合ってるから、もっとこうしようか」という感じでどんどん面白いアイデアを出してくださって。逆にやりすぎたら「ちょっと抑えようか」とセーブしてくれますし。乗せ上手なんです。なので、まずは河原さんを、そして一緒に作っているみんなを楽しませたい。それが劇場に来てくださる方を楽しませることにつながっていくのかなと思います。

この作品に関しては、クールにスタイリッシュにというより、昭和臭さというか、とにかくパワーを出していこう! という演出で。だから稽古場にも熱気があふれています。台本を読んだ限りでは落ち着いたシーンなのかなと思ったら、「ここはもっと声を張り上げて、全身使ってやっていこう!」というような演出があって、「こんなに面白いシーンになるんだ!」という発見がたくさんあって刺激的です。

◆中山さんの役どころは?

今回、9役やるんですよ。とにかくいろんなところに出てきますし、早着替えもいっぱいします(笑)。メインは、中山優馬君がロックスターに上り詰めた時に出てくるちょっとゲスいインタビュアーです。「なにか情報あれば、いつでもすっぱ抜くぞ」という感じでスキャンダルを探ってるんです。

◆中山さんといえば舞台『斬られの仙太』でも9役を演じられましたね。

そうですね。今作では状況によって場面の雰囲気がガラリと変わるので、メインの方々もそうですが、周りの僕らがその状況をお客さんにどう伝えるかという部分を担っているので、作品のすごく重要な部分に関わっているという実感があります。

中山義紘

◆そして主演の中山優馬さんとは久しぶりの共演だそうですね。

そうなんです。2017年に大竹しのぶさん主演の『にんじん』というミュージカルでご一緒して、同じ中山同士ということもあって、めちゃくちゃ仲良くなって。今回、それ以来5年ぶりの共演なので「お久しぶり、やっと会えたね!」みたいな感じで。優馬君は料理が得意なんで、『にんじん』の時もよく自作のお弁当を稽古場に持ってきてたんですけど、当時はゆで卵にハマっていたみたいで。何分ゆでれば黄身の硬さがこうなる、とかすごい研究してたんですよね。そしたら、今回の稽古場にもやっぱりゆで卵を持ってきていて(笑)。それが、すっごくいいとろみの加減のゆで卵なんですよ。「5年たってここまでクオリティー上がるんや!」って優馬君に伝えました(笑)。

優馬君とは2人のシーンもあるので、そこも見ていただきたいですね。優馬君は目力がすごいので、熱いロックスターの役がものすごくハマっていると思います。そして、ロック☆オペラということで生演奏も見どころ。音楽フェスなどに足を運べないご時世ですが、生の楽器の音というのは稽古場でも高揚するものがあります。それが劇場という空間だとさらに迫力ある音になるはずなので、そういう“生の良さ”を感じていただきたいですね。

◆連載は今回で最終回となります。劇団Patchの今後について教えていただけますか。

本公演については未定ですが、劇団ミーティングはしています。8周年記念はカンテレさんと一緒に『マインド・リマインド~I am…~』をご一緒させていただきました。来年の劇団10周年は、僕らの生みの親でもあり育ての親でもある演出家の末満(健一)さんと大きい作品をやりたいという気持ちはあります。時期を見ながらにはなりますが、有観客のイベントも計画してます。

今回の『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー』の共演者の方が(劇団Patchメンバーの)三好(大貴)の作品を見てくださっていて、「あの子、いいなと思ったら劇団Patchだった」って話してくれたんです。河原さんも「劇団Patch覚えておくよ」って言ってくださって。メンバーそれぞれが頑張っているのが伝わってきてうれしくなりました。それぞれがいろいろな現場でしっかり種をまき、芽吹いてきているのを感じます。2.5次元、会話劇、ミュージカルなどいろいろな方面で活動するメンバーがいる劇団なので、それが強みになる瞬間が絶対に訪れる予感はありますね。

◆10周年記念公演、楽しみにしています! 最後に中山さんの今後の目標を教えてください。

舞台ももちろんですが、やっぱり大河…大河ドラマですね!『斬られの仙太』で時代劇の面白さを知って、もっとやりたい、もっと追求したい、もっとうまくなりたいという欲がどんどん出てきています。

◆最後に読者の方にメッセージをお願いします。

本当にありがとうございました! 皆さんには感謝しかありません。僕らは根拠のない自信だけはある劇団なので、これからもついてきてくださるとうれしいです!

PROFILE

「演劇で大阪を元気にしたい!」という志の下、関西を拠点としたさまざまなエンターテインメントを発信する演劇集団。中山義紘、井上拓哉、松井勇歩、竹下健人、三好大貴、星璃、吉本考志、近藤頌利、田中亨、納谷健の10人で構成。中山が『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー』(東京公演:9/18~10/3 大阪公演:10/8~10/11)、近藤が舞台『はい!丸尾不動産です。~本日、家で再会します~』(姫路公演:10/3)に、松井が『霧の中のノスフェラトゥ~ドラキュラ伝説』(東京公演:9/16~23)に出演。「カンテレ×劇団Patchプロジェクト『マインド・リマインド~I am…~」のDVDがワタナベ商店でオンライン販売中。

●text/青柳直子

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