花澤香菜「私はグイグイ行きすぎて後悔するタイプ…」阿波連さんとライドウくんの距離感が面白い『阿波連さんははかれない』インタビュー

特集・インタビュー
2022年04月21日

『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー

人との距離が“はかれない”阿波連れいなさんと隣の席のライドウくんの、ちょっと変わったやりとりを描くTVアニメ『阿波連さんははかれない』。まわりの人たちが2人の距離感をあまり気にしない中、心の中で2人にツッコミを入れたり、勝手に特別を感じてテンションが上がったりするのが、古典の桃原先生だ。今回は、そんな桃原先生を演じる花澤香菜さんにインタビュー。作品の魅力や桃原先生の演じ方、さらには作品にちなんだ自身のエピソードなどを語ってもらいました。

◆本作は、阿波連さんとライドウくんの奇妙な距離感をコミカルに描いていますが、最初に作品に触れた時、どんな印象を持ちましたか?

とにかく阿波連さんとライドウくんが独特すぎて、一般的なラブコメではないなと思いました。平熱低めな2人のやりとりは見ていて疲れないし、端から見ると「ベタベタしている」と思われるような距離でも、嫌な感じがしない。それがすごいなと思いました。ポーカーフェイスな2人だからこそ出せる雰囲気なんでしょうね。それこそ、阿波連さんがライドウくんの肩に乗っていても誰もツッコまないし、クラスメイトも受け入れていて、幸せな空間が広がっているという印象でした。

◆阿波連さんは、人との距離がはかれないタイプですが、花澤さんは人との距離を取るのは上手ですか?

私、仲良くなりたい人にはグイグイ行って、行きすぎて後悔するタイプで…。相手が返事をする前に、「ああだよね」「こうだよね」って話を進めてしまって、あとになって私ばっかり喋ってたな…ってなっちゃうんです。だから、人との距離を取るのは、うまくはないと思います。

『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー

◆でも、そういった時、相手って意外と気にしていなかったりしません?

覚えてなかったりするんですよね(笑)。でも、相手が何も思っていなくても、振り返って自己嫌悪に陥って、次に会った時、「う、ういー」みたいな変なテンションになるんですよ(笑)。人との距離は、はかりすぎるのも、はからなすぎるのもよくないな…と日々思っています。

◆では、花澤さんが演じる桃原先生の印象はいかがでしたか?

群を抜いて、変でした(笑)。思っていることをあまり顔に出ないから、生徒からはミステリアスだと思われていますが、世界観が強すぎるんですよね。すぐ情熱的な妄想をする、楽しい思考回路をしている人だなという印象もあって。なので、生徒に見せる顔と、心の中で燃え上がっている時では、演じ方を変えなければとも思いました。

『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー
『阿波連さんははかれない』桃原先生

◆ちなみに、オーディションではどんなアプローチを?

桃原先生って、武士っぽい感じもあると思うんです。古典の先生だからか、考え方が奥ゆかしい。でも思考は偏っているし、自分で勝手にルールを決めているというか…。「これはこうだ!」って断定して独り相撲をしている感じだったので、モノローグ部分の断定するところはすごく意識して。あと、喋っている内容はめちゃくちゃくだらないんですけど(笑)、彼女にとっては生死が関わっているんじゃないかと思うくらいに真剣なので、戦場にいるんじゃなかろうかというくらいのテンション感で臨みましたね。

◆興奮してくると「あはれ」と「をかし」を多用するところが面白いですよね。

声に出すと「あわれ」「おかし」ですし、スタッフの方からもそう読んでくださいという指示があったんですね。ただ、「最上級あはれに達した時は“あはれ”になります」と言われて。アニメを見ていただければ分かるんですが、桃原先生も無意識で、感情によって言い方が変わっているんです。「あはれ」も「をかし」も普段使わない言葉なので、アフレコ中は必殺技を言っているような気持ちになりました(笑)。

『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー
『阿波連さんははかれない』桃原先生

◆桃原先生は「あはれ」とともに吐血していますから、ファイナルアタック感がありますよね。

そうそう。最初は、「授業を何だと思っているんだ」と怒っていたのに、2人の様子を観察していくうちに、「この2人の関係は優しさなんだ!」と気づいて、気持ちが最高潮になるんです。だから、どんどん熱が入って、特別感があるなと思いながら演じました。スタッフの方からも「どんどん(テンションを)あげてください」と言われましたし、桃原先生が盛り上がる気持ちも分かるので、いい感じにテンションをあげられたのかなと。若干喉は枯れましたけど(笑)。桃原先生の口癖をきっかけに、「あはれ」が流行るといいですね。

◆花澤さんは、桃原先生のように、何かに興奮することはあります?

私、パンが好きなので、パン店でトングを持って悩んでいる時はポーカーフェイスでも、ものすごく興奮しています。「これ焼きたて!? どうする!? 何個買う!?」とか「新作じゃん、買っちゃう!」とか心の中が大騒ぎです(笑)。あと、ラジオを聞くのも好きで、(聞きながら)思わず交差点で吹き出しちゃうことも。桃原先生も脳内で考えていたことが漏れて急に吐血したりするので、そんなところには共感できますね(笑)。

『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー

◆逆に、考えすぎてしまうことは?

“スタッフの皆さんから求められていることに応えられているのかな?”とか、“今やっていることで大丈夫かな?”とか、考え出すと止まらなくなります。でも、そういう時は「出た出た、こう考えてる自分に酔ってるだけだろ?」って止めてくれる自分も出てくるんです。それで一旦考えるのを止められますし、そういった悩みから、何か新しいことを始めようとか、違った方法を取り入れてみようと発展することもあるので、一概に悪いことではないなと思っています。

◆桃原先生は古典の先生ですが、古典の授業に思い出は?

古典の授業はすごく好きでしたね。特に、中学の古典の先生の文字が好きで、先生の字をマネして書いて習得したことがあるくらい。大学進学を考える時も、日本語を扱うお仕事に就きたいと思って、文系を選んだほど。そんな私が古典の先生を演じられる日が来るなんて…と思うとすごくうれしかったです。あと、「祇園精舎の鐘の声」とか「仁和寺にある法師」とか、暗記系のものも好きで。京都や奈良に行った時に、“あれで覚えた、あのお寺だ”って思い出せるんですよ。これも聖地巡礼なのかな、みたいな気持ちでしたね。

『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー

◆ちなみに、阿波連さん役の水瀬いのりさんとライドウくん役の寺島拓篤さんとは、アフレコではあまり一緒ではなかったと聞きましたが、2人が演じる阿波連さんとライドウくんはいかがでしたか?

阿波連さんにしてもライドウくんにしても、すごく難しい役どころだと思うんです。高校生を描く時って、もどかしかったり、素直になれなかったり、それこそ駆け引きみたいなものもあると思うんですけど、彼女たちは思っていることはたくさんあるけど、表情には出ない。でも素直であるっていう。お2人はその演技が絶妙で、“すごいな” “ピッタリだな”って。

『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー

◆今の段階で、気になっているキャラクターは?

桃原先生の唯一の友達である宮平先生。まず、かわいい。桃原先生のことを好きなんじゃないかと思うような雰囲気もあって。壁ドンシーンもありますし、宮平先生がいることによって、桃原先生もちゃんと生活をしているのが見えてくるので、すごく大切な存在だなと思います。あと、桃原先生の面倒をめちゃくちゃ見てくれるので(笑)、その優しさにも注目してほしいですね。

◆作品で、特に注目してほしいポイントはどこでしょう?

阿波連さんとライドウくんは、話が進んでも変わらずにベタついてくれるんですが、たまに阿波連さんがデレ顔をするようになるんです。結構まわりがざわざわしている時に見せるので、それは見逃さないでほしいですね。私の気持ち的には「キター! あはれー!」ってなります(笑)。

◆ちなみに、ライドウくんには「友達を100人作る」という目標がありますが、花澤さんは友達作りが上手でしたか?

小・中学生の時は、家が近所だからという理由などで友達ができましたが、高校になるとテンションが合う子と仲良くなった感じだったかなぁ。私、中学・高校生時代は、特に人見知りが激しい時期でグイグイ行けなかったので、もっと友達を作っておけば…という気持ちはあります。一方で、友達とはちょっと違うんですけど、参加していた生徒会が楽しくて。ほかの学年の人や先生とも触れ合いがあって、すごくいい経験をしました。

◆アニメがスタートした4月は始まりの季節です。花澤さんが今年始めてみたいことは?

著名人のお墓参りを趣味にしている“墓マイラー”という方がいるんですが、その方の本を読んだことがあって。著名人の歴史や、墓地にどんな歴史上の人物がいるのかなど、興味深く知ることができて、それ以来、墓マイラーに興味があります。時間をかけてじっくり回ろうとするとなかなか難しいのですが、いつか機会があったらやってみたいですね。

PROFILE

『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー

花澤香菜
●はなざわ・かな…2月25日生まれ。東京都出身。近年の主な出演アニメ作に、『鬼滅の刃』甘露寺蜜璃役、『五等分の花嫁』中野一花役、『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』牧高美和役、『恋は世界征服のあとで』魔島忌々(魔獣王女)役などがある。

番組情報

『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー
『阿波連さんははかれない』 ©水あさと/集英社・BILIBILI

『阿波連さんははかれない』
TBS 毎週金曜 深夜2時25分~
MBS 毎週金曜 深夜2時25分~
BS-TBS 毎週金曜 深夜3時~
AT-X 毎週月曜 午後11時30分~(リピート放送 毎週水曜 午前11時30分〜/毎週金曜 午後5時30分〜)

(CAST)
阿波連れいな役:水瀬いのり
ライドウ役:寺島拓篤
大城みつき役:M・A・O
石川役:柿原徹也
佐藤ハナコ役:楠木ともり
桃原先生役:花澤香菜
ライドウ妹役:長江里加
宮平先生役:小坂井祐莉絵
ふたば役:指出毬亜
あつし役:藤原夏海

(STAFF)
原作:水あさと(集英社「少年ジャンプ+」連載)
総監督:山本靖貴
監督:牧野友映
シリーズ構成:吉岡たかを
脚本:吉岡たかを、久尾歩、兀兀
キャラクターデザイン:八尋裕子
音響監督:阿部信行
音楽:神前暁 & MONACA
アニメーション制作:FelixFilm
製作総指揮:夏目公一朗
プロデュース:藍沢亮
製作:bilibili
オープニングテーマ:TrySail「はなれない距離」
エンディングテーマ:ハコニワリリィ「キョリ感」

公式サイト:https://aharen-pr.com/
公式Twitter:@aharen_pr

©水あさと/集英社・BILIBILI

photo/松下茜 (エントランス) text/野下奈生(アイプランニング)

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『阿波連さんははかれない』花澤香菜インタビュー

<応募方法>
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TV LIFE公式Twitter(@tv_life):https://twitter.com/tv_life

<応募締切>
2022年4月28日(木)午後11時59分

※応募規約(https://www.tvlife.jp/present_rules)をご確認いただき、ご同意の上、ご応募ください。