田中道子×光宗薫×辻元舞×レイザーラモンHGが語る“水彩画査定の魅力”とは『プレバト!!』

特集・インタビュー
2022年10月13日

◆これまで何度もコンクールや一斉査定でお互いの作品を見られていますが、それぞれどのような印象をお持ちでしょうか?

光宗:水彩画査定の上位の方々に関して通じて言えるのは、コントラストを強めに書いている方が多いという印象があります。テレビ画面上に映ると、結構白飛びしちゃうので陰影が強い感じ。特に田中さんはわりとバキって描くタイプで画面映えしますよね。

辻元:迫力のある絵を描くのにすごく精密ですよね。細かい書き込みも得意なんて、無敵だなと思っています。

HG:田中さんはどの作品にも情熱を感じます。その情熱が作品とうまくハマったとき、爆発力があって、一斉査定で見せた3ランクアップにつながるんだろうなと。

田中:本当ですか、うれしいです。光宗さんは繊細な絵を描かれる方で、自分の好きなものは、誰よりも精巧に仕上げてくる特化型なイメージがあります。

辻元:確かに、とにかく繊細で狂いがない絵を描かれますよね。それに水彩画に限らず、他のアート査定でも、思い浮かぶデザインの発想がすごいなって思っています。

HG:同じ12色の水彩絵の具を渡されているはずなんですが、それを単色で使わずに独特の色使いをされていますし、緻密な表現もできて、写実も得意。黒板アートやスプレーアートのデザインイラストもできて、穴がないですよね。

光宗:辻元さん、HGさんは、とても丁寧ですよね。HGさんは、アート系のジャンルの中で特に丁寧な印象で、それがもはや狂気的にも見えるというか、自分の中で多分こだわりがあるんだろうなと。癖の粋に達しているほど細かくて丁寧だなと思います。

辻元:HGさんは、迫力がすごいです。HGさんの絵を見た時に、絵が飛び出してくるみたいに、いつも「うわっ」てびっくりさせられるんです。そういう躍動感のある絵がすごくうまい人だなって思います。

田中:辻元さんはとても器用な方で、実際にさまざまなアート査定で特待生の称号を持たれているじゃないですか。何をさせても満点近くの作品を仕上げてくる万能ママのイメージです。この間、色鉛筆のコンクールで一緒だったんですが、木目を写真みたいに表現されていて、さすがだなって思いました。辻元さん、光宗さんは、同じ女性として勝手にライバル視してたんですが、最近はHGさんもライバルの1人。私と同じときに黒板アートに出場して圧倒的画力を見せつけられて、初登場なのに2位になっていて。やっぱり芸人さんだから、見る視点も面白いし、切り取る構図や表現の仕方も、この人の作品は私には描けないなって思いました。

HG:辻元さんはママなので、毎回絵から優しさを感じます。ライバルと言ってもらえていますが、段位ではもうかなり離されているので、そうやって眼中にあることがうれしいです。僕にとっても全員が上にいるライバルなので、超えたいなっていう気持ちでやっているのでうれしいですね。いつも3人でにらみあっている感じがするんで、そこに入れてもらえてよかったです。

辻元:確かに自分が納得するまで描くというのは、最初からずっと変わらずあって。毎回突き詰めているんですが、その中でちゃんと進化できているのか難しいなと思っています。

◆他のアート査定もある中で、水彩画の魅力は何でしょうか?

光宗:表現の幅が広いところ。水彩画ってぼわんとしている感じの絵っていう印象があると思うんですが、塗り方によってはパキッとしてる感じの表現もできますし、風景に限らず生物画や、細い筆を使った細かい描写もできたりと、とにかく幅広いんです。そして、みんなが入りやすい画材ですよね。学校の授業で経験されている方も多いと思いますし。だからこそ、ちょっと親近感があったり、自分自身とリンクして見ることができて面白いのかなと思います。私、特に水彩画では焦らないことを意識しているんです。例えば、塗っていて、「変な色になっちゃった」「飛び出ちゃった」と思っても、すぐ処理しようとすると濡れているから、1回乾かさないと紙がボロボロになっちゃうんです。何が来ても動じないぞと、メンタルを強く持ってやらないといけないので、作品に挑むたびに動じなくなってくるというか、冷静に焦らないで描けば、ある程度修正が効くもの。そういう思考は人生においても影響されてくるので、水彩からメンタルも鍛えられています。

HG:僕は光宗さんとは反対に、スプレーアートも黒板アートもやり直しが利くんですけど、水彩画はやり直しが利かないところ。色を間違ったからといって、重ねられないので、そこは刹那的な魅力があります。今回も空を描いたんですが、塗ってみるまでどうなるか分からなくて想像がうまくなれば、そこを調整できるんでしょうけど、まだ広い面に塗ることに慣れていないので、いい方向にいくときもありますが、思い通りにいかないこともあって、そういう操作できないところは好きですね。

辻元:お題は決められるんですが、そこからどう画格を切り取って描くかは自分で決められますし、使える色も多いので自由度が高いなと思っていいます。1番難しいんですけど、水彩画が1番楽しいです。

田中:最近、言われた通りの場所をそのまま描いているだけでは勝てないなと思ってきて、勝手に色も変えるし、構図も変えてしまっています。今のところそれでいい評価を頂けているので、しばらくはこの調子でやろうかなと(笑)。見たままの景色を書いても、写真には劣るので、写真では撮れない表現というのは気をつけていて、それでいてコントラストも実際はそう見えてないんですけど、見た人に分かりやすくっていうのはモットーにしてます。パッと見た時に違和感がなく、それでいて、印象に残る絵っていうのは心がけてます。

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