沢村一樹&髙嶋政伸インタビュー!『DOCTORS』ファイナルに「“新たな道が始まる”ような感覚なんです」

特集・インタビュー
2023年01月02日

『DOCTORS~最強の名医~ファイナル』

沢村一樹が主演するテレビ朝日系の人気シリーズ『DOCTORS~最強の名医~』が、1月3日(火)放送の新春スペシャルでファイナルを迎える。一見ひょうひょうとしているが、自分が信じる医療のためなら目的や手段を選ばない“策士”の一面も持つすご腕外科医・相良浩介(沢村)の活躍を描く痛快作。髙嶋政伸演じる“腕は確かだが人間性にやや問題あり”な院長の外科医「卓ちゃん」こと森山卓とのライバル関係も印象的だ。

ファイナルでは、森山の“最大の暴挙”によって相良が退職願を出すことになるという、最後にして最大のバトルがぼっ発する。2011年10月に連続ドラマでスタートして11年。因縁の2人を演じてきた沢村さんと髙嶋さんが、ファイナルを迎えるに当たっての心境や見どころを語ってくれました。


◆『DOCTORS~最強の名医~』がファイナルを迎えますが、その心境は?

沢村一樹:正直、“ファイナル感”はあまり感じていません。誰かの気が変わって「またやろう」ってなったりするんじゃないかな、なんて期待もしています(笑)。

髙嶋政伸:僕も同じく“ファイナル感”はあまり感じていません。でも、“ひと区切り”と言うにはふさわしい、素晴らしい作品になっていると思います。

沢村:相良と卓ちゃんには“人生のターニングポイント”のようなシーンも描かれているんです。この11年間、連ドラを3本、スペシャルを4本やらせていただいて、ライフワークの一部になっていたので、期待の半面、「終わってしまうのか」という寂しさもありました。

髙嶋:寂しいですよね。

沢村:かなり寂しいです。

髙嶋:でもうれしかったのは、今回、脚本の福田(靖)先生が伯母さん(野際陽子さん)と電話で話すシーンを書いてくださったんです。本当に伯母さんと話しているような、すごく不思議な感覚になりました。

◆続編やスピンオフを期待される視聴者の方も大勢いらっしゃます。

沢村:僕としても、どこか“新たな道が始まる”ような感覚なんです。

髙嶋:次は、『帰ってきたDOCTORS』とか、『DOCTORSビギニング』とかですかね?(笑)

沢村:(笑)。ただ、僕らもいい年齢になったので。現場にいると、11年前に比べて体力の消耗が早くなったな、とは感じますね。

髙嶋:そんなことないですよ(笑)。

沢村:オペシーンも大丈夫ですか?(笑)。

髙嶋:オペシーンって、現場に入るとグッと気持ちが盛り上がるんですよ。難しい専門用語も多いですし、ワンカットワンカットが一発勝負みたいな感じがありません? あの緊張感が結構好きなんですよね。

沢村:確かに。

◆シリーズを通して、オペシーンはやはり苦労されましたか?

髙嶋:そうですね。でもこのシリーズは、緊迫したオペシーンももちろんですが、それだけじゃなく、森山と相良先生の対立をはじめ、キャラクターそれぞれの人間関係も本当に面白いんですよ。

沢村:特に、相良先生と卓ちゃんはそれぞれのゾーンを歩きながら、それがたまに交錯したり、はたまたグルグルにねじれたり、ということをずっとしてきて。そういうやりとりは、演じていて楽しかったです。

『DOCTORS~最強の名医~ファイナル』

◆一貫した信念を持っている相良に対し、森山はあちらこちらと揺れ動くことが多いですよね。

沢村:そういう感じに見えるんですけど、このファイナルをご覧いただくと、「あれ? 実は真っすぐだったのは卓ちゃんのほうだったのかな?」と、思われる方も多いかもしれません。

髙嶋:どうでしょうね。森山って、どこか“親に逆ギレしている子供”みたいなところがあるんですよ。そういう意味で言うと、森山にとって相良先生は親のようだったのかもしれません。もしくは大スターのようで、近づきたいんだけど近づけないといいますか。

沢村:それは相良も同じだと思います。今回、相良のセリフに「あんなに真っすぐで正直な人はいない」という言葉があるんです。まさにそのとおり、卓ちゃんはわがままですけど嘘は絶対につかないんですよね。

髙嶋:いや、結構嘘ついてる気がする…(笑)。

沢村:ついてもすぐにバレる嘘ですから(笑)。それに比べ、相良は策士なので平気で巧みに嘘をつきます。実はずっとブレずにいたのは卓ちゃんのほうかもしれない、と思いながら演じていました。

髙嶋:演じる沢村さんご自身も、どこかいろんなものを煙に巻いちゃうような稀有な存在の役者さんなので、つくづくぴったりですよね。

◆相良と森山のし烈なバトルもファイナルの見どころですね。

沢村:そうですね。激しいのはいつも卓ちゃんのほうですが…(笑)。

髙嶋:今回も森山が一方的にかみついているような(笑)。

沢村:相良に対して、本気で追い出しにかかっていますからね。あと、11年前と今だと医療を取り巻く環境はもちろん、患者さんの意識もだいぶ変わっているように感じます。そういったことも作品に反映されているので、そこも見どころの一つです。

髙嶋: 4本の腕を持った最新の(手術支援)ロボットも出てきます。うちの妻がドクターなのですが、そのロボットを触らせてもらったと話したら、すごくうらやましがっていました。貴重な経験になりましたね。

◆先ほど沢村さんもおっしゃっていたとおり、相良と森山には“ターニングポイント”になるシーンもあります。森山は“お見合い”をすることに。

髙嶋:お見合い相手の琴美さん役が、菅野美穂さんなんです。素晴らしい方が演じてくださいました。琴美さんのご家族が森山にいろんなことを言うシーンがあるのですが、そのやりとりが面白かったです。森山のことを認めてくれて、でも悪いところはちゃんと「悪い」と言ってくれる。

沢村:琴美さんは、今までの堂上(総合病院)の人たちとは違う目線で卓ちゃんのことを見ているんです。僕はそのシーンにいないのですが、台本で読んで「そういう受け取り方もあるんだ」と思いました。

髙嶋:森山として本当にいろんな世界が一気に広がった感じがありましたね。

◆一方の相良も、看護師の宮部(比嘉愛未)とのもどかしい関係に動きが…?

沢村:2人の関係が進展するのかどうかは見てのお楽しみです。そちらもないがしろにはしません(笑)。

『DOCTORS~最強の名医~ファイナル』

◆11年間を振り返って、特に印象に残っていることは何ですか?

沢村:髙嶋さんはこの11年間で体重が増えたり、減ったりして。それをドラマの中で完全にネタにされていましたよね。フラフープとかもやって(笑)。

髙嶋:大台に乗りそうな時期もありましたから(笑)。逆に沢村さんはすごく安定していますよね。“相良像”を壊すことなく、ずーっと来ているというか。

沢村:相良のひょうひょうとしている感じは、そのまま保てていたかなと。

髙嶋:あと、森山が相良先生を手術したこともありましたし、相良先生に手術してもらったこともありました。それも印象に残っています。

◆最後に、視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

髙嶋:ファイナルということにはなりますが、今回もとっても笑えて、しっかり感動もあって。新春にご家族そろって楽しんでいただける、『DOCTORS』史上最高傑作になっていると思います。どうぞご期待ください!

沢村:11年間応援してくださった皆さん、そして初めてご覧くださる方にも楽しんでいただける、新春にぴったりのドラマに仕上がっています。2時間に目いっぱいの笑いと感動と、それ以外のエピソードも詰まっていますので、視聴者の皆さんと一緒に有終の美を飾ることができたらうれしいです

『DOCTORS~最強の名医~ファイナル』

PROFILE

沢村一樹
●さわむら・いっき…1967年7月10日生まれ。鹿児島県出身。B型。最近の出演作は、ドラマ『金田一少年の事件簿』『ナイト・ドクター』、映画「マスカレード・ナイト」など。『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)では、MCを務めている。

髙嶋政伸
●たかしま・まさのぶ…1966年10月27日生まれ。東京都出身。B型。最近の出演作は、ドラマ『華麗なる一族』『ちむどんどん』、映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」など。1月6日(金)放送のSPドラマ『ホリデイ~江戸の休日~』(テレビ東京系)にも出演。

番組情報

新春ドラマスペシャル
『DOCTORS~最強の名医~ファイナル』
テレビ朝日系
2023年1月3日(火)午後9時~11時05分

<STAFF&CAST>
脚本:福田靖
監督:本橋圭太
出演:沢村一樹、髙嶋政伸、比嘉愛未、菅野美穂、黒川智花、松坂慶子、伊藤蘭 ほか

●text/片岡聡恵