山田孝之「賞のことしか考えていない」『映画 山田孝之3D』公開記念舞台あいさつ

映画
2017年06月19日

124887_001_R 主題が山田孝之という異例の映画『映画 山田孝之3D』の公開記念舞台あいさつが行われ、山田孝之、芦田愛菜、松江哲明監督、山下敦弘監督が登壇した。

 本作は、さまざまな顔と数々の名演で人々を魅了し続ける、俳優「山田孝之」の思考にダイブする、脳内スペクタクル3D映画。『山田孝之の東京都北区赤羽』『山田孝之のカンヌ映画祭』を手掛けた松江監督と山下監督がメガホンをとり、本作の発案者でもある芦田が友情出演を果たしている。

 今回のトークイベントでは、芦田がスペシャルアシスタントとしてMCに挑戦。芦田が山田に「本作のキャッチコピーが『山田孝之、全告白』とありますが、全てを告白してしまって後悔はないですか?」という質問すると、山田は「後悔しかないです(笑)。実験で作った映画なのですが失敗でした(笑)」と苦笑いで心情を明らかにした。

 さらに、「本当になんとかして公開を止めようとしたのですが失敗しました(笑)。チャップリンの『独裁者』以来、全国何館でスクリーンが破られるか心配です(笑)」と不安だらけの様子。それをフォローするように、山下監督は「見どころは全部ですが、映画の見方としては、ちゃんと観ないでください(笑)。シンプルな映画ですが情報量が多いので、じっくり見ると頭が疲れると思います。考えることは後回しにして、この映画を感じてください」と映画の見どころを語った。

 山田との共演に関して、松江監督は「『山田孝之の東京都北区赤羽』で始まって『山田孝之のカンヌ映画祭』があり、こうして今ドキュメンタリー映画が公開しているのですが、中学校の教室の隅でこそこそしているようなグループがいつの間にか、全校集会で全校生徒の前で立たされているような感じがしています。山田君との日々はそんな学校の男子のこそこそした日々のような感じでした」とこれまでを振り返りつつ、特別な関係を告白。

 山下監督も「最初は『山田孝之の東京都北区赤羽』の山田君を記録するところから始まって、『山田孝之のカンヌ映画祭』では実際にカンヌに行き、出品はかなわなかったけれども、今こうして映画がTOHOシネマズで公開していて、本当にいろいろな所のいろいろな景色を見せてもらったなと思います」と山田に感謝を伝えた。

 また、本作を3D映画にした理由について松江監督は「『山田孝之のカンヌ映画祭』で山田君と山下君が別れてしまったことや、山田君が鹿児島へ帰ってお父さんと向き合ったことなども含めて、これまで山田君と過ごした3年間を映画にしたいと思ったのですが、山田君の書いた『実録山田』という本が面白かったので、あの本を読んだ時のような感覚を映像にするなら3Dが合っていると思って3D映画にしました」と。

 本作においても賞を狙い続けているという山田は「今も賞のことしか考えていないです。“良い芝居”“良い俳優”“良い役者”なんて考えていないです。何としてでも賞を獲りたいと思っていますし、まずは日本アカデミー賞から狙いたいと思います」と受賞へのこだわりを語り、会場からは歓声が上がった。

 
『映画 山田孝之3D』
全国公開中

監督:松江哲明 山下敦弘
出演:山田孝之
友情出演:芦田愛菜
配給:東宝映像事業部
制作:テレビ東京 C&Iエンタテインメント

公式サイト:http://www.tv-tokyo.co.jp/yamada_cannes/takayuki_yamada_the_movie_3d/

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