橋本愛、10年前を振り返り「今ここにいるのが不思議」

映画
2018年10月23日

映画『ここは退屈迎えに来て』 映画『ここは退屈迎えに来て』の公開記念舞台あいさつが行われ、橋本愛、成田凌、渡辺大知、村上淳、廣木隆一監督、原作の山内マリコが登壇した。

 本作は、山内マリコの同名小説を廣木隆一監督が映画化。2004年の高校時代から2013年の現在まで、みんなの憧れの的だった“椎名くん”を柱にキャラクターを交差させながら描く、痛く切ない群像劇。

 何者かになりたくて東京で就職したものの、10年経って何となく戻ってきた主人公「私」を演じるのは橋本愛。元彼「椎名くん」を忘れられない「あたし」を門脇麦。青春時代にみんなが恋い焦がれた、自らの退屈を埋めてくれるであろう「椎名くん」を成田凌が演じる。さらに、渡辺大知、岸井ゆきの、内田理央、柳ゆり菜、村上淳が脇を固める。

 橋本は「皆さんの余韻が少しでも長く続くような舞台あいさつになればと思います」とあいさつ。村上は「今日は朝5時に起きて、ぼんやり数えてみたのですが、廣木監督とは今回で13本目になります。800本くらい撮っている中の、ですけど(笑)」とコメントし、廣木監督も「今作で801本目の映画になります(笑)」と続いて会場を沸かせた。

 撮影時も思い出について橋本は「監督の作品はキャストがすごくキラキラ輝いているので、現場でどんな演出をされるのかと思っていたら、具体的な演出はなく、でもそれを不安に思うこともなく、無言のコミュニケーションを楽しみました」と。

 そんな橋本の共演について、村上は「すごい緊張しましたね。こんな素敵な女優さんを助手席に乗せて運転して、けがさせちゃいけないと思いまして」と話し、さらに「衣装合わせの時に監督から、“衣装は自分でやれ”と言われて、その日に買いに行って、劇中のカメラも私物で撮影に挑みました」と驚きの撮影秘話を明かした。

 そして、青春時代の2004年から大人になった2013年までの10年間が描かれている本作にちなみ、キャストの10年前の写真を披露。橋本は、12歳の修学旅行の時の貴重なデビュー前の写真を披露。当時のことを振り返った橋本は「小学生の頃から制服でして。地元が熊本なんですけど、そこから出る想像はしてなくて、頭の良い大学に行って、給料の良い就職をするんだろうなと思ってました。その頃は、TVも映画も見ていなかったので、今ここにいるのが不思議です」と。

 すると村上から「でも、ミニシアターで一番出会う芸能人はこの人ですよ!」とツッコミが入り、橋本は照れた様子で「最近は腰が痛くてなかなか行けてないんですけど(笑)」と返した。

 成田は、中学時代のサッカー部の写真を披露。「これは中2の頃で、心が折れる寸前の写真です。県大会の直前で、決勝に出させてもらえず、TV中継に映れなかったので悲しかったです」とその頃の無念を語った。

 渡辺は、黒猫チェルシー結成当時の写真を公開。「高3の時の黒猫チェルシーの結成時の写真です。写真を探したんですけど、上半身裸で暴れまわっている写真ばかりで…。この頃は、裸で豆腐など、柔らかいものを投げたり、ステージ上でうどん作っていたりしていて、音楽よりも投げているのが楽しかったですね(笑)」と、彼らしいエピソードを披露した。

 村上は、映画『L’amant ラマン』の劇中カットを公開。すると、唐突に前列に座っていた観客の持っている「(成田)凌」と書かれたパネルを借り、「これがあれば、カットされないですよね(笑)」と話し、「この時は、主演女優さんを投げなきゃいけないシーンの撮影があり、思いっきりできないと思っていたら監督から、“あれ淳そんなもん?”と言われたのが、すごく良い思い出です。でも、おじさんの10年前もおじさんですね(笑)」と話し、会場は笑いに包まれた。

 そして、仕事の都合で来ることができなかった門脇麦からの手紙をMCが代読。直接会場であいさつできなかったことに対しての残念な気持ちと、本作についての想いが伝えられた。

 最後に橋本は「過ぎ去ってしまった時間や記憶を呼び起こしてしまうんですが、ちゃんと今の自分と会話できるような、前進する力をくれるような映画になったと思いますし、それぞれの持ち帰ったものを打ちこんでください」とメッセージを送った。

映画「ここは退屈迎えに来て」
全国公開中

<あらすじ>
マスコミ業界を志望して上京したものの、10年後地元に戻ってきた27歳の「私」(橋本愛)。実家に住みながらフリーライターとしてタウン誌で記事を書いている冴えない日々。高校時代に仲の良かった友達サツキと久々に会った勢いで、男女を問わず皆の中心にいた憧れの椎名くん(成田凌)に連絡し、会いに行くことに。道中、「私」の中に椎名くんとの高校時代の忘れられない思い出が蘇るー。元カレ「椎名」を忘れられないまま地元でフリーターとして暮らす「あたし」(門脇麦)。元カレの友達・遠藤と、腐れ縁のような関係を続けているけれど、心は彼といたときの青春の輝かしい記憶に今もとらわれている―。

出演:橋本愛 門脇麦 成田凌/渡辺大知 岸井ゆきの 内田理央 柳ゆり菜 亀田侑樹 瀧内公美 片山友希 木崎絹子/マキタスポーツ 村上淳

原作:山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」幻冬舎文庫
監督:廣木隆一
脚本:櫻井智也
制作プロダクション:ダブ

配給:KADOKAWA

©2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会