SUPERNOVA ユナク「テレビで自分のアダムの姿を見てびっくりしました(笑)」ミュージカル「プリシラ」

特集・インタビュー
2019年03月15日

3人のドラァグクイーンがマドンナやドナ・サマーなど往年のディスコヒッツで歌い踊る大人気ミュージカル「プリシラ」。2016年12月の初演から2年、美しくも生意気なゲイのアダムを演じるユナクさんが、前回の公演を振り返るとともに、今年デビュー10周年を迎えるSUPERNOVAへの思いも語ってくれました。


100%のアダムに近づけるように自分なりに頑張りたい

SUPERNOVA ユナク

◆再演が決まった時のお気持ちを教えてください。また、この2年間共演者の方との交流は続いていたのでしょうか?

メインキャストもアンサンブルもほぼメンバーが変わらないと聞いて、また一緒にできることがすごくうれしかったです!前回よりも絶対にいい作品になると思ったし、もっと楽しくなりそうだなって。キャストのみんなとは、「プリシラ」メンバーのグループLINEで「誕生日おめでとう」とか「テレビで見たよ~」っていうメッセージを送り合ったり、プライベートで会うこともありました。いくちゃん(山崎育三郎)ともずっと仲良くしてるし、陣内(孝則)さんはお忙しくてなかなかお会いできなかったんですが、「あけましておめでとうございます」というメールはしてましたね。

◆「今回はもっとこうしたい!」と思っていることはありますか?

前回は「プリシラ」を100%理解できていなかったと思うんです。せりふのイントネーションを気にしてばかりで、アダムという役に100%集中できていなかった。こうしてもう一度チャンスを頂いたので、100%のアダムに近づけるように自分なりに頑張りたいです!

◆2年前と比べて自分自身で成長したと思うところは?

成長したところ…(悩)。歌唱力とは言えませんが、歌詞の表現力が上がったんじゃないかな。昔よりは歌えるキーも高くなったし、だからこそ表現力も自分なりに豊かになったと思います。あとはステージ上での余裕も出てきたんですけど、それをお客様がどう判断してくれるかは分からないですよね。「余裕がある」と受け止めてくれる人もいれば、「ちょっと緩くなった」と感じる方もいらっしゃると思うので。

◆「プリシラ」は早着替えで次々と変化するゴージャスな衣装も注目ポイントですが、前回の公演で衣装に関するハプニングはありましたか?

2つ印象に残っていて、1つは「プリシラ号」の上で巨大なハイヒールに座って踊るシーンがめちゃくちゃ怖いんです!しかも、全身スパンコールの衣装だから座るとお尻が痛くて(笑)。汗をかくとすごく脱ぎづらくて、スタッフさんが3人がかりで脱がしてくれるんですけど、「痛い!痛い!痛い!あっ!あっ!あっ!」って僕が叫んでも、時間がないから「早く!いいから早く!」ってスタッフさんが思いっ切り引っ張って脱がすという…(笑)。2つ目は、チアガールのようなミニスカートをはくシーンで着替えが間に合わなかったことがあって。パンツ姿でスカートを手に持ったまま舞台に上がって、お客様の前ではいた時はめちゃくちゃ恥ずかしかったです!ちょうど着替えの準備中というシーンだったんですけど、小さい花をあしらった三角形の小さいパンツをはいていて6割ぐらいお尻がはみ出してたから、客席にお尻を向けたほうがいいのか、ボリューム感のある正面を向いたほうがいいのかすごい焦って、結局正面で勝負しました(笑)。

SUPERNOVA ユナク

◆衣装のほかにも、重たい被り物を装着して踊るシーンがありますよね。

それが結構きつくて、首が痛くなるんですよ。楽しいから体力的には大丈夫なんですけど、夜お風呂に入ると、「あれっ、首も肩も痛い…」って体のあちこちにきちゃって(笑)。

◆今回の「プリシラ」に向けて何か体力作りはされましたか?2年前より筋肉がパワーアップしていますよね。

毎日ジムに通っていたら、衣装のサイズが合わなくなるほど体が大きくなっちゃって。昨年12月に「プリシラ」のアダムとして『FNS歌謡祭』に出演した時に、テレビで自分の姿を見てびっくりしました。太いわけではないけど、体が大きくて「え~、僕ってこんな感じなの~!?」ってちょっと怖くなって(笑)。でも、確実に2年前より年を取ったから体力面ではどうなるのかちょっと心配です。

◆『FNS歌謡祭』では、ジェジュンさんとの再会も話題になりましたね。

そうなんですよ~!あの日、いろいろありがたいなと思ったのが、久しぶりに堂珍(嘉邦)さんにも会えたし、ジェジュンとも会えて。ジェジュンとはすごく長い付き合いで、ずっと「会おう!」ってLINEはしてたんですけど、お互いに忙しくてなかなかタイミングが合わなかったんです。だから『FNS歌謡祭』で何年かぶりに再会できたのが本当にうれしくて。それ以降もジェジュンとはプライベートで会ったりしています。イケメンジェジュンさんをよろしくお願いします!…僕がよろしくって言うのもおかしいですけど(笑)。

SUPERNOVA ユナク

◆演出も前作に引き続き宮本亜門さんが担当されますが、亜門さんの言葉で印象に残っていることは?

普段はとても優しい方なんですけど、初演の本番前日のランスルーで僕が失敗してしまった時、厳しくダメ出しをしてくださったんです。「あなたたちに会うために、この舞台を見るために、お客様は時間を作ってお金を払って来てくれるんだから、ちゃんとしないとダメだ」って。亜門さんは俳優や作品に対してすごく愛情を持っていらっしゃるので、その言葉がすごく心に残っています。本当におっしゃるとおりで、例えば…僕が好きなビヨンセが韓国でコンサートを開催するとしますよね。もちろん見に行きたいけど、時間を作ってお金を払って見に行くのは、どれだけ僕がビヨンセを好きでもそう簡単なことじゃない。お客様たちはミュージカルやコンサートを楽しむためにチケットを買って、スケジュールを調整して、遠い所からでも足を運んでくれる。その行程ってすごく大変なことじゃないですか。僕も10年間いつも(SUPERNOVAの)メンバーたちに「おまえたちに会うために、どれだけファンの皆さんが時間とお金を使って来てくれると思ってる?」と言い続けてきましたけど、本当に“会いに来てくれる”ということがどれだけありがたいことなのか。いつもファンの方には感謝しています。

◆この3月は、そんなファンの方の思いを「プリシラ」を通じて毎日感じられますね。

そうですね。だからお酒も飲まないし、もともとタバコも吸わないし、ちゃんと寝て、しっかり健康管理しないといけないなって思います。僕のせいで失敗したらお客様に申し訳ないし、自分がすごくいやになっちゃいますから。

◆今年はグループにとってデビュー10周年イヤーとなりますが、準備は進行していますか?

1年間の活動計画プランも発表して、ライブも音源もイベントも僕らなりにいいものを作ろうと着々と進めています!いろんな物事を会社のスタッフさんも含めてみんなで相談して決めてるんですけど、全部僕1人が決めてると思われちゃうと、そこはちょっとつらいなぁ~って(笑)。大切な10周年の年だし、ステージも今までとは全然違うものを準備しているので、楽しみに期待してほしいです!

 

■PROFILE

ユナク
●12月2日生まれ。O型。181cm。近作に主演ドラマ『バウンサー』、ミュージカル「RENT」など。現在、ソンジェと共にdTVチャンネル・Kchan!韓流TV「Power of K TOKYO LIVE」のMCを務めている。SUPERNOVAとしては、4月23日(火)から「2019 LIVE TOUR 『SUPERNOVA-02』~THE COLOR~」がスタート。2ndシングル「BANG★」が5月15日(水)に発売。

 

■作品情報

ミュージカル「プリシラ」

ミュージカル「プリシラ」
劇場:日生劇場(東京都千代田区有楽町1-1-1)
開催:2019年3月9日~3月30日(土)
演出:宮本亜門
出演:山崎育三郎、陣内孝則、ユナク(SUPERNOVA)/古屋敬多(Lead)<Wキャスト>ほか
製作:東宝/エイベックス・エンタテインメント

<STORY>
オーストラリア随一の大都市・シドニーで暮らすドラァグクイーンのティック(山崎)は、別居中の妻の誘いでアリススプリングスでショーを行うことを決意。トランスジェンダーのバーナデット(陣内)と若くてエネルギッシュなゲイのアダム(ユナク/古屋)を道連れに、「プリシラ号」と名付けたバスで約3000kmの砂漠縦断の旅に出る。

作品公式ウェブサイト:http://www.tohostage.com/priscilla/
 
●photo/干川 修
hair&make/Kohey styling/NORIO HONDA