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『Mr.マリック超魔術シリーズ』26年ぶりに放送!Mr.マリックインタビュー

『Mr.マリック超魔術シリーズ』26年ぶりに放送!Mr.マリックインタビュー

「きてます」「ハンドパワー」などのフレーズでおなじみのマジシャン・Mr.マリックさん。かつて“超魔術”で一世を風靡するきっかけとなった、DVD未発売のテレビ番組『Mr.マリック超魔術シリーズ』3作品が、26年ぶりにファミリー劇場で初放送。マリックさんに当時の裏話などを語ってもらいました。

孫にハンドパワーを見せられるのがうれしいです

――26年前に放送された『Mr.マリック超魔術シリーズ』が、今回ファミリー劇場で放送されることについての感想をお願いします。

まさかこんな日が来るとは思っていませんでした。ちょうど小学生の孫が3人いるんですが、当時の映像はVHSに録画していたので、今では再生できる機械がなくて。どうしようかと思っていたときに放送していただくことになって。孫の代にも私のハンドパワーを見せられるのは本当に幸せです。多分今の小学生は知らないんじゃないですかね。

このシリーズは、当時ではものすごく力を入れてつくった番組で。今では想像を絶するような、絶対にあの当時じゃないとつくれないほどの規模でした。CMからCMの間に1つのスタジオを使うとか。セットもたくさん使った壮大な番組でした。

あらためて昨日、第3弾の頭まで見たんですけど、登場するまでだけでも贅沢な演出でした。登場時は私が奥から手前に歩いてきてお客さんはその先にいるんですが、実はこのストロークがカリスマ性をつくるために大事な演出だったんですよ。この縦に登場できるって番組は今はもうなかなかつくれないと思いますね。普通横から出てきますよね。板付きかもしれません。ああいう時代だからこそこういう神懸かったものができて、より「これはなんだろう?」と世の中の人に思ってもらえたのかな、と演出の素晴らしさを感じました。とにかく、孫に見せることができるのでうれしいです。

『Mr.マリック超魔術シリーズ第3弾 光と闇の黙示録』(C)NTV

――当時のご自身やゲストについてはどう思いますか?

あの時代だから、私はああいう格好が似合ってたのかなって思います。とにかく怪しすぎますね。胡散臭いというか。いやあ、あれはだめでしょ(笑)。マジシャンがまず最初に怪しまれるのは袖ですから、最初は袖をまくるところから始めました。袖をまくるっていうのは、ちょっとマジシャンには考えられないんです。でも、スタイリストの方から「ちょっとカッコ悪いですね」って言われて(笑)。だから袖は下ろして、前を閉じました。服のところから何か持ってくるんじゃないかと疑われますから。体から何かを取り出すことを排除してからやるということでこういう衣装にまとまりました。少しずつマジシャンの匂いがしなくなった格好でやったのは新鮮に見えたかもしれないです。

あと、やっぱり当時は痩せていましたね(笑)。私も歳を取りましたけど、タレントさんたちも、あの当時を見ていると、本当にリアクションが素晴らしかった方は今でも残ってますね(笑)。

――第3弾には宮沢りえさん、第8弾にはダチョウ倶楽部の皆さんも出演されていました。

いいね。ちょうどそのあたりですかね。あとは、そのまんま東(東国原英夫)さん。今ではもう考えられないですよね。

マジシャンの掟を破って、ある3つの法則をつくりました

『Mr.マリック超魔術シリーズ第6弾 バレンタインデーの今夜お・し・え・ま・す』(C)NTV

――演出の話がありましたが、そもそもどういった経緯でこの番組ができたのでしょうか? 演出について、いろいろアイデアを出されたのですか?

今思うと、当時のスタッフは超一流の方が集まっていました。さすがゴールデンタイムでした。昔、マジシャンは“魔法使いの役をやる”のが仕事だったんです。一瞬魔法を見たという世界を見せるのがマジシャンでしたが、科学が発展して家庭の中にコンピューターが入ってきて「もう魔法なんてない」と世の中の人が完全に思っていた時代に、“超能力”という言葉をユリ・ゲラーさんが持ってきて。だから私は“一瞬本物の超能力を見たと思わせる役”をやろうと。魔法使いの役をやっていたのはマジシャンですが、私は超能力者の役をやる役者。それもどこまで本物に近づけるかっていうのがテーマで、番組の方たちとそういう夢の与え方をしようとして始めたんです。

『Mr.マリック超魔術シリーズ第8弾 未来へのメッセージ』(C)NTV

だから、スプーン曲げはマジックとは違う演出をしました。まず、マジックは現象を先に言わないんですよね。あの当時マジシャンは黙ってハンカチを振ってハトを出したりしていました。しかし、そこでユリ・ゲラーさんがリアリティを持ち込んで「考えてみなさい」って理性に訴えた。「今からスプーンが曲がります」って言うんですよ。すると、みんな科学者の目になり、これを曲げるのは力なのか仕掛けなのかいろいろ疑って、それでも分からなかったときに、マジックとは違う驚きがある。現象を先に言う演出が素晴らしかった。

そして、マジックと違ったのが「どこから見てもいい」ってことですね。「もっと奥に下がってください」と言って、自分の目線の中にお客さんを入れるのが私たちマジシャンが学んだ掟でしたから。そしてビデオの時代になって、繰り返しやらなくても繰り返し見られてしまうようになりました。ですから、「何が起きるか言ってからやる」「どこから見ても分からない」「何度見ても分からない」っていう3つの法則を、マジシャンの掟を破って作って、すごく新鮮な“超魔術”って名前を新たにつけたらぴたっとはまった。そんな意味で、演出はスタッフと相談しながら、そこをきちっと決めました。

それから、絶対「カメラトリックを使わない」「サクラを使わない」「お客さんを必ず入れて見せる」っていう、この3つをとことん守ってきたから、今も私がこうやって残っているのだと思います。

――当時を振り返ってみて、印象に残っている超魔術は何ですか?

やっぱり最初にやりたかったのは、ユリ・ゲラーさんがやった、テレビを見ている人にスプーンを曲げさせることです。スプーンを本人が曲げることはマジックでもできるって私なりに見てたんですが、ユリ・ゲラーさんがすごかったのは、テレビを見てた人まで曲げさせたってこと。人をコントロールするすごさ、これが本来の魔術ですね。本来の魔術というのは、人をコントロールさせるために人間がつくったもの。それをスプーン曲げという形でまざまざと見させていただいて、これこそ魔術だと思いました。世の中の人は超能力だと思っていましたが、これをやろうと思ったんです。そこ1点に絞ってずっと追いかけてきました。

でも、それをやるためには私自身が世の中の人から超能力者だと思っていただかないと「では皆さんスプーンを用意してください」って言っても誰も用意してくれないですよね。そこで、思いっきり超能力者のような演出でたくさん不思議なことをやって、やっとゴールデンの第1弾で「テレビをご覧の方も一緒にやりましょう」と初めてスプーン曲げをやりました。「曲がった!」という反響の電話がたくさんあったんですよ。

テレビ史上かつてないほどの不思議な番組だと思います

――以前、インタビューで「“教祖になってほしい”という集団が来たこともある」とおっしゃっていましたが、反響が大きくなっていくことをどう考えていましたか?

世の中の人が私のことを超能力者だと思っている人と思っていない人に分かれて、そこからちょっとややこしくなりましたね。ライブをやると半分は暴露本読んでるし、もう半分は手を合わせて見てるし(笑)。「あれ、この雰囲気はなんだろう」と。やっぱり、いくら勘違いでも、ちょっとやりすぎたなって思いますね。競馬当てたりパチンコ出したり、最後「宝くじ当ててくれ」って来たころには、ちょっといきすぎたなって。そのあたりからちょっとブレーキをかけはじめました。

風呂敷に包んで現金持っていらっしゃる方がいたりしたんですよ。まずは私にポンと(現金を)渡すんです。それで私が「ちょっと待ってください」って言うと、「お願い事があります」と言われて。そういう方って集団でいらっしゃるからものすごく怖いんですよね(笑)。世の中にはいろんな人がいるな、と思いました。

あと、家に帰ると全然知らない人が上がりこんでいて、賛美歌のような歌を歌ってたり。「(マリックさんは)私と結婚するんです。お告げが来ました」って言われました。うちの家内が横にいるのにですよ(笑)。「どこから来たんですか」って聞いたら「秋田から来ました」とかね。その都度、近所の警察署へ届けて帰ってもらって。そういう方がもう何人も来ましたけど、やっぱりこのへんは止めようがなかったです。そんなこともありました。

――最後に視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

今回、ファミリー劇場でこの番組を再び見ていただく機会をつくってくださって本当にありがとうございます。人は謎を感じたらそれを追い求めるとDNAに刷り込まれてありますから。信じてから疑ったり、疑ってから信じるって見方もありますけど、どうかまず私の番組を見てるときは、まず信じて見ていただきたいです。

そして、終わったら「あれ、これはマジックかな?」って思っていただいたほうがいいです。やはり何事も不思議なことに出会ったら、一旦「お!」と驚いてから考える、そんなものの見方をしていただければと思います。とにかく、テレビ史上かつてないほどの不思議な番組だと思いますので、楽しんで見ていただきたいです。

 

PROFILE

Mr.マリック●みすたーまりっく…1949年1月1日生まれ。岐阜県出身。B型。サイキックエンターテイナー・超魔術師。
1988年超魔術生誕『11PM』で衝撃的にデビュー。1989年から『Mr.マリック超魔術シリーズ』などの単独スペシャル番組を年3本ペースで制作。「きてます」「ハンドパワー」が流行語になるなど、超魔術ブームが巻き起こる。現在、ホテル主催ディナーショー、各種イベントステージ出演多数。その他、メディアミックス12タイトル、歌舞伎・舞台・イベントなどの舞台演出、特殊効果、技術指導に進出している。

 

番組概要

『Mr.マリック超魔術シリーズ第3弾 光と闇の黙示録』(1989年)
9月17日(木)後9・00~10・30、10月4日(日)後0・00~1・25

『Mr.マリック超魔術シリーズ第6弾 バレンタインデーの今夜お・し・え・ま・す』(1991年)
9月24日(木)後9・00~10・20、10月4日(日)後1・25~2・40

『Mr.マリック超魔術シリーズ第8弾 未来へのメッセージ』(1992年)
10月1日(木)後9・00~10・30、10月4日(日)後2・40~4・00

放送チャンネル:CSファミリー劇場
公式HP(http://www.fami-geki.com/maric/

 

●取材/金沢優里

 

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