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森岡龍×前野朋哉インタビュー 映画「エミアビのはじまりとはじまり」でW主演

森岡龍×前野朋哉インタビュー 映画「エミアビのはじまりとはじまり」でW主演

映画「舟を編む」で第37回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した渡辺謙作が監督・脚本を務めた「エミアビのはじまりとはじまり」が9月3日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。漫才コンビ“エミアビ”の自称モテキャラ・実道役を森岡龍さんが、交通事故で死んでしまった実道の相方・海野役を前野朋哉さんが熱演。お2人に撮影中の面白エピソードや作品への思い、そして映画を飛び出し実際に『M-1グランプリ2016』に出場したエミアビとしての活動についても語ってもらいました。

最初は何だか不思議な映画だなと思いました(森岡)

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――オファーを受けたとき、芸人役を演じることに難しさやハードルの高さは感じましたか?

森岡 もともと前野君とは仲もよかったし、最初は“まあ大丈夫でしょう”ぐらいの感覚でいたんです。

前野 僕も森岡君と一緒と聞いて「やったあ!」と思って(笑)。

森岡 僕らけっこう長い付き合いですからね。

前野 でも実際はハードルだらけでしたね。

森岡 やっぱり難しかったです。

前野 正解も分からなかったので、監督の謙作さん含め、自分たちの面白いと思う方向にネタを変えていくということを何度も繰り返しました。

――最初に台本を読んだときの感想を教えてください。

森岡 台本を最初読んだときは、どんな映画になるか本当に分からなかったですね。人の死を乗り越えて再生していくという物語は分かるんですけど、単純にそれだけじゃなくて、死んでしまった海野についても半分ぐらいの割合で描かれているので、何だか不思議な映画だなと。

前野 そうだよね。ファンタジー的な要素もあるからね。でも、そこがファンタジーと言えるのかどうかみたいなとこも僕は映画が完成してから分かったかな。台本の段階だとどんな映画になるか分からなかったというのが率直な印象でした。

――完成した映像を見ていかかでした?

森岡 自分で言うのもなんですけど、いろんな側面を持ったいい映画になったなと思いました。人の再生だけが描かれているわけではなくて、死んでしまった人の回想劇や、お笑い芸人・エミアビの2人が過ごした時間とかが混ざり合って1つの時間として流れていくので、不思議な手触りではあるけど、いい映画体験ができる作品になったなと思います。

前野 僕は森岡君が見たことない表情をしていたのが印象に残ってます。特に冒頭の黒沢(新井浩文)先輩に実道が追い詰められて苦しい表情をしているとこは、森岡君は多分本当に苦しかったんだろうなって。そこが一番笑ったシーンです(笑)。あと、もちろん僕も出演してよかったと思ってますし、何人かの骨太な人生の一部を見たという実感がすごいわきました。

――どのような役作りをされましたか?

森岡 やっぱり漫才のネタがすごい重要な映画で、それによってキャラクターが変わってきちゃう部分がありました。ある段階で実道をモテキャラにしようという話が出て、それでネタもいい感じに変わっていったんですけど、僕はモテキャラってあんまり演じたことがなかったんです。それで監督に「どういう感じですか?」と聞いたら「GACKTさんになってくれ」って言われて(笑)。それは物理的に無理なんじゃないかと思いながら、画像とかを検索して、それとにらめっこしながらいろいろやってましたね。まあ、モテキャラという話が出る前から実道は上昇志向が強くて、人に対してドライな感じのキャラクターだったので演じてるときにちょっとでも言葉が柔らかくなると監督から「もっとずぱっといけ」みたいな指摘を受けたりもしました。常にシリアスな顔をして、優しくなりすぎないようにすることを意識しましたね。

前野 僕は逆ですね。海野は死んでしまっているんですけど、人生で幸せな時間を持てた人間だと思っていて、苦しさを見せるというよりも、海野の幸せな空気、幸せな時間を伝えられたらいいなと。なのでその場を楽しもうという感覚で演じました。

漫才もちょっとはできるようになったかな(前野)

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――劇中で披露される漫才も見どころの1つだと思いますが、ネタの練習はどれくらいされたんですか?

前野 時間にしたら1か月くらいですかね。だいたい毎日会って、いろんなことしました。最初はとにかく2人の距離感を縮めようとしましたね。CDの貸し借りから始まって、一緒に映画見に行ったり、飲みに行ったり、お笑いライブを見に行ったり。

森岡 カラオケにも行ったよね。

前野 うん。練習の後にそういうことして、明日も頑張ろうみたいな感じの繰り返しだったよね。ネタは基本的に謙作さんが書いてきて、変えるときは3人で相談してました。けど、エミアビが売れたときの漫才が難しくて。

森岡 売れてるって、もうスタイルを持ってるってことだろうからね。

前野 何か鉄板ネタを持ってたり。

森岡 あとキャラクターが確立されていたりね。エミアビが新人のときのネタは、漫才の素人の僕たちが地でやれば何となく形になるけど、売れてからの漫才はすごく難しかったですね。

前野 だからネタは最初のころと比べてかなり変わってますよ。

森岡 お笑いって、1つのネタがあって、それを誰がやっても面白くなるかといったら、そうじゃないんだなって感じました。それぞれのキャラクターに寄せていかないといけないんだなと。

――そんな中、エミアビとして『M-1』に出場されて、1回戦突破、おめでとうございます!

森岡&前野 ありがとうございます!

森岡 何かそれを言ってもらえるのが一番うれしい(笑)。

前野 映画がまだ公開してないからね(笑)。

――『M-1』ではどんなネタをされたんですか?

前野 謙作さんがネタを書いてくれて、映画ではやってないネタをやりました。

森岡 ネタを合わせる時間も今回あまりなかったよね。

前野 でも早かったよね。1年前の撮影のときに比べたら今回はかなり合理的で。

森岡 合理的だったね(笑)。撮影のときはどうしたらいいか分からなかったことが多かったんですけど、今回はこうしたら面白くなるはずだってことが分かってて、せりふを削る作業も早かったです。

前野 ちゃんと成果が出るというか、1日練習して面白くなったっていう実感がありました。

森岡 練習すればするほど面白くなっていく感じね。

前野 この映画を通じてそこは成長したんじゃないかなと思います(笑)。

――芸人としても力をつけてきたといった感じでしょうか?

森岡 いやいやいや(笑)。

前野 そこまでは言ってませんよ(笑)。まあ、最初がゼロからのスタートだったんで、そこから比べたらちょっとはやれるようになってきたかなと。

撮影初日に森岡龍として泣きました(笑)(森岡)

撮影最終日に前野朋哉として絶叫しました(笑)(前野)

int_emiabi_02――今作で俳優として新たに得たことや再発見したことはありますか?

森岡 この映画に出演して“俳優にさせてもらえた”という感覚がすごくあります。今まで「俳優です」って胸を張って言えなかったんですけど、それを堂々と言える覚悟みたいなものを得ることができました。

前野 かっこいいな。

森岡 ごめん(笑)。

前野 僕は撮り切れたことですかね。

森岡 終わらない現場はないと(笑)。

前野 そう(笑)。何とかやり切れたという。まあ当たり前のことなんですけど。

森岡 でも、分かるよ。この映画をやり切れたことが自信につながったし、去年のあの夏の現場をやり抜いたんだっていう経験は大きいよね。

前野 ほかの作品とは全然違いましたからね。これまで主演の経験もあまりなかったですし、そこを最初から最後までやったというのは大きいですね。

――撮影中に起きたハプニングや事件など、印象的なエピソードはありますか?

前野 うーん、ちょっとありすぎて(笑)。

森岡 毎日、何かしらの事件が起きてるような現場でしたからね(笑)。

前野 けどまあ、僕は飛ぶシーンですかね。ワイヤーアクションだったんですけど、僕高所恐怖症なんですよ。それで何度か練習をして、撮影の最終日にそのシーンを撮ったんです。僕としては「ついにこの日が来たか…」っていう(笑)。でも何回か練習するうちに飛ぶのは意外に慣れてきて「あ、よかった。ちゃんと芝居できる」と思ったんです。ただですね、飛んだら落ちなきゃいけないんですよ。この落ちるのがめちゃくちゃ怖くて!一度ゆっくり上につり上げられて、そこで一回ストップして、本番が始まってちょっと間があって落ちるんですけど、シーン的に下を見れない状態のまま落ちるんです。落とされたときは、普通に前野朋哉が絶叫しているだけでした(笑)。しかも、撮影の時間もあまりなかったので「できません」とも言えない状況で、あれは物理的に乗り越えなきゃいけないハードルでしたね。

int_emiabi_04森岡 なるほどね(笑)。僕はやっぱり冒頭の黒沢さんとのシーンかな。新井さんの前で本気でネタをやらなきゃいけなかったし、新井さん本気で怖いし。しかも、全然OKも出ないし、階段落ちのアクションみたいなのもあるしで大変でした。

前野 最悪だよね(笑)。

森岡 もう実道でいなきゃと思いながら、森岡龍として泣いてました。

前野 泣いてたね。

森岡 普通に泣いてたよ! 撮影の初日から(笑)。

前野 映像見てても新井さんのあの芝居は怖いですもん。「あの現場に行かなくてよかった~」って思いましたから(笑)。

森岡 それに真夏日で、撮影場所も暑かったしね。

前野 本当すごい状況ですよ。けど、あの冒頭のシーンがこの映画のテーマを描いているよね。

――最後に映画を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

前野 森岡君の泣いている姿をぜひスクリーンで(笑)。映画を説明するのは難しいので、とにかく見ていただきたいです。損はさせません!

森岡 物語的なものは、あらすじを読んだら分かりますけど、それとは別の手触りがあるような映画だと思います。とにかく僕と前野君の漫才だけじゃなく、新井さん、黒木さん含め、いろんな人の演技を超えた芸が映っているので、そこを楽しんでもらいたいです!

 

PROFILE

int_emiabi_05森岡龍
●もりおか・りゅう…1988年2月15日。東京都出身。O型。2004年「茶の味」で映画デビュー。以降「君と歩こう」「あぜ道のダンディ」「舟を編む」など石井裕也監督作品の常連に。また『あまちゃん』(NHK総合ほか)、『64』(NHK総合ほか)、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)など、テレビドラマにも多数出演。

前野朋哉
●まえの・ともや…1986年1月14日。岡山県出身。B型。2005年「剥き出しにっぽん」で映画デビュー。主な出演作は映画「桐島、部活やめるってよ」「日々ロック」「イニシエーション・ラブ」、テレビドラマ『恋仲』(フジテレビ系)、『重版出来!』(TBS系)など。また、おかやま晴れの国大使に就任、auの三太郎シリーズCMで一寸法師役に抜擢されるなど、さまざまな分野で話題を集めている。

 

作品情報

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映画「エミアビのはじまりとはじまり」
9月3日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー!

<ストーリー>
人気漫才コンビ“エミアビ”の、金髪ロン毛で自称モテキャラの実道(森岡)と、三枚目キャラの海野(前野)。人気絶頂の矢先、片割れ・海野がある日突然自動車事故で死んでしまう―。遺された相方の実道はマネージャーの夏海(黒木)を連れ、海野の車に同乗していた雛子(山地)の兄・黒沢(新井)に会いに行く。黒沢もかつて天才芸人と呼ばれ数年前までお笑いの世界にいた、エミアビの先輩であり恩人だった。しかしある悲しい過去をきっかけに、ステージから降りてしまっていた…。
どん底の笑えない現実に直面した彼らは果たして、もう一度笑うことができるのか?もう一度跳ぶことができるのか!? そんな矢先、彼らに思いもよらない奇想天外な“ドッキリ” が舞い降りる…!

出演:森岡龍、前野朋哉、黒木華、山地まり/新井浩文

監督・脚本:渡辺謙作
配給:ビターズ・エンド

公式ホームページ(http://bitters.co.jp/emiabi/

(c)2016『エミアビのはじまりとはじまり』製作委員会

 

●photo/中村圭吾 text/松田大介

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