「“人を守る”という本当の意味が分かりました」小松未可子インタビュー『SUPERGIRL/スーパーガール』

特集・インタビュー
2016年07月29日

2015年、全米新作ドラマとしてNo.1の視聴者数を記録した海外ドラマ『SUPERGIRL/スーパーガール〈ファースト・シーズン〉』が8月10日(水)よりDVDレンタル開始、9月14日(水)にはコンプリートボックスがリリースされる。アメコミドラマ史上初の女性ヒーローとして話題をさらった本作。 “主人公が女性”というだけではなく、家族や恋愛、OLとしての苦悩など、等身大の女性の姿も描き、2016年のピープルズ・チョイス・アワードでは新ドラマシリーズ作品賞を受賞した。主人公カーラ・ゾー=エルの日本語吹き替えを担当した小松未可子さんに本作への思いや見どころを聞いた。

“人を守る”という本当の意味が分かりました

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――初の女性ヒーローの日本語吹き替えを担当した感想をお願いします。

テレビドラマシリーズで主人公の吹き替えは初めてでしたが、カーラを演じたメリッサ・ブノワさんと同い年というのもあり、演じやすかったです。オーディションの段階でも、個人的に見たいと思っていた作品だったので、参加できてとてもうれしかったですね。

――小松さんから見た主人公のカーラはどんな女性でしょうか。

特殊能力(スーパーパワー)を持っていること以外は、本当に普通の女性です。私たちと同じように仕事や恋愛で悩みますし、女性として等身大の心を持っていると思います。会社の上司であるキャットに嫌味や文句を言われてもめげないところや、強気で負けず嫌いなところは、私と似ているかもしれません(笑)。

――アフレコを経験して、あらためて考えたこと、気づいたことなどありましたか?

「“守る”ってどういうことだろう」と考えさせられました。スーパーガールとして、街のみんなを守ろうとカーラ自身はがむしゃらに頑張るんですが、本当に人を守るって実はどういうことなんだろうって。スーパーガールだけど、普通の女性としての心があって。使命感や責任感に押しつぶされそうなシーンもたくさんありました。でもアフレコを重ねていくうちに、ようやく人を救うために必要なことに気づかされました。毎話見逃せないシーンばかりで丁寧に描かれていて、この作品を通して自分も彼女に感化され成長することができたと思います。

――DCコミックスやヒーローものというと男性ファンが多いイメージがありますが、この作品は女性も見やすいです作品だと思います。女性にお薦めしたいポイントはありますか?

やっぱり恋愛模様ですかね。私も台本を読みながら「この人とうまくいくのかな?」というシーンが幾度となく出てきて。フラグが立っては折れ、立っては折れ…(笑)。恋愛が一歩進んだと思ったら街に事件が起きて…。自分の日常に置き換えると、仕事とプライベートというところにつながるのかなと。プライベートも仕事もうまくいくってなかなかないじゃないですか。そういうのも共感しやすいシチュエーションだと思います。

――魅力的な男性陣もさることながら、女性目線でいうとファッションもすてきで印象的でした。

そうですよね。私もアフレコしながら「あ、今日はこんな服着てる、かわいい」って思ったり、「キャットがすごい重たそうなネックレスしてる!」とか注目して見ていました。撮影が進むうちに、カーラと似た服を着ている自分に気がついたり(笑)。知らない間に感化されていたのかもしれません。

ドアの角に足をぶつけた痛みから想像を膨らませる

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――本作はアクションシーンも見どころの1つ。殴ったり、殴られたり、空を飛んだりと非日常的なシーンがたくさん描かれていく中で、小松さんは演技の引き出しをどうやって増やしているのでしょうか?

確かに普段、殴られたり衝撃波を受けることはないんですよね(笑)。だから本当に想像を膨らませることしかできなくて。家でドアの角に足の指をぶつけた瞬間の痛みとか、ふいに物を落として足にぶつけた時の衝撃とか。あとは、ジムに行って、「重いものを持ち上げる感覚ってこれか~」とか、「緊迫状態の体ってこんな感じかな~」と疑似体験して膨らませています。アフレコ中、映像を見ていて、カーラが殴られたときに、無意識に自分の顔も動いてたりするんですよね。映像と自分の動きがシンクロして声で表現できていたらいいなと思います。

――では、普段のカーラとスーパーガールに変身したカーラ。変身前と変身後で意識していたことはありますか?

普段のカーラは表情も豊かなので、少しコミカルに演じています。会社でせわしなくしていたりとか、上司のむちゃ振りに応えたりとか、“普通の女性”を全面に出すように意識しています。スーパーガールに変身してからは、表情もずっと真剣で常にアンテナを張っているので、声も低めにして感情をあまり出さずに“強さ”を表現できるようにしています。

――“強さ”でいうと、物語に登場する女性は皆さん強いですよね。小松さんが思う女性の強さは何だと思いますか?

この作品を通して分かったのは、やっぱり誰しも1人では強くなれないんだなということです。カーラがスーパーガールとして強くいられるのは、家族や友達、上司や街の人々、いろんな人から影響を受けて、みんなに強さをもらっている。だから、スーパーガールとしていられるんだなと思います。上司であるキャットや、義姉のアレックス。強さのベクトルは違うんですけど、みんな根本は同じ。支えてくれる人がいるから、強くなれるんだと思いますね。

――では、最後にこの作品の見どころをお願いします!

『スーパーマン』を見て育ってきた方は、知っているからこそ分かるニヤッとできるシーンがあったり、『SUPERGIRL/スーパーガール』から入った方は1つのヒューマンドラマとしても、アクションであったり恋愛模様だったりといった面でも、楽しめる要素がたくさん詰まっています。どの世代の方もいろんな視点で見ていただける作品だと思います。字幕版と吹き替え版、それぞれで発見できることもあると思うので、双方楽しんでもらえるとうれしいです。

 

PROFILE

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小松未可子
●こまつ・みかこ…1988年11月11日生まれ。三重県出身。B型。
数々の人気アニメなどの声優を務めるほか、歌手、女優としても活躍中。声優を務めた2016年テレビアニメには『クラシカロイド』『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』『タブー・タトゥー』『灰と幻想のグリムガル』などがある。劇場版『亜人 第3部-衝戟』が9/23(金)より公開。


作品情報

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『SUPERGIRL/スーパーガール〈ファースト・シーズン〉』
デジタルセル先行配信中
8月10日DVDレンタル&デジタルレンタル配信開始
9月14日コンプリート・ボックスリリース
(ブルーレイ 1万6200円+税/DVD 1万4300円+税)

Project DC公式サイト(https://warnerbros.co.jp/dccomics/)

(C)2016 Warner Bros. Entertainment Inc.SUPERGIRL and all related pre-existing characters and elements TM and (C)DC Comics based on characters created by Jerry Siegel & Joel Shuster.SUPERGIRL series and all related new characters and elements TM and(C)Warner Bros.Entertainment Inc.All Rights Reserved.


●photo/中村圭吾 text/高木祐美