古田新太&松坂桃李が若手女優・伊東蒼を絶賛「絶対に売れるだろうな」「ついていかねば」映画「空白」公開

映画
2021年09月24日
©2021『空白』製作委員会

公開中の映画「空白」の初日舞台あいさつが行われ、古田新太、松坂桃李、田畑智子、藤原季節、伊東蒼、寺島しのぶ、𠮷田恵輔監督が登壇した。

本作は第43回日本アカデミー賞三冠を獲得した「新聞記者」(19)、「MOTHER マザー」(20)、「ヤクザと家族」(21)など、意欲的・挑戦的なテーマの作品を次々と生み出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画、「ヒメアノ~ル」(16)、「愛しのアイリーン」(18)、「BLUE/ブルー」(21)など衝撃とともにその才能を見せつけた𠮷田監督とタッグを組み、現代の「罪」と「偽り」、そして「赦し」を映し出すオリジナル脚本で挑むヒューマンサスペンス。

中学生の少女がスーパーで万引を疑われ、店長に追いかけられた末に車にひかれて死亡してしまう。娘のことなど無関心だった少女の父親は、せめて彼女の無実を証明しようと、店長を激しく追及するうちに、その姿も言動も恐るべきモンスターと化し、関係する人々全員を追い詰めていく。見る者の心臓をあわだてる悪夢のような父親・添田充役を演じるのは古田。7年ぶりの映画主演作に挑む。松坂が、土下座しても泣いても決して許されず、人生を握りつぶされていくスーパーの店長・青柳直人を演じる。

公開を記念して実施された舞台あいさつ。本作のイベントでは、古田と松坂が対峙するのは今回が初となる。満席の客席を前に、ヒリヒリするようなシーンが続く作品とは打って変わって、笑顔が絶えなかったという現場での撮影エピソードを和気あいあいと語り合った。

撮影現場について古田は「現場はすごくゲラゲラ笑ってる現場でした、ずっとへらへらしていました(笑)、監督もげらげら笑っているし誰よりも泣いているし」と。𠮷田監督が「俺涙もろいんだよね」とつぶやく横で、松坂も「本当に誰よりも楽しそうでした」と合いの手を入れた。古田は「(緊急事態宣言前だったので)そしてそのあと速攻、飲みに行っちゃうんだよね。毎回飲んで楽しかったですよね」と撮影当時を振り返った。

主演であり、とても重いシーンが多かった古田だが「この前、監督とも話をしていたのですが、非常に楽で楽しい現場でした。皆さん早く帰りたい人が多くて、なるべくNGを出さないよう、滞りなく進むようにっていう。演じているシーンとか、特に桃李とのシーンとか、智子とのシーンとか、いや全部そうか、ものすごいとげとげしいシーンばっかりだったんで、その反動で終わったらすぐに飲みに行こうって感じでしたね。でも桃季は役作りする人なんであんまり仲良くしてくれなくてね(笑)」とぼやいた。

松坂は「毎シーン毎シーン、古田さんとのシーンのカロリー消費量が半端なくて、とてもじゃないけど飲みに行く気力がないというか。毎回僕は『お疲れ様でした』と疲弊してしまってホテルに帰ってたのですが、なぜ監督含め皆さん、飲みに行けるのか不思議でしたよ」と反論した。

そんな松坂は「学生時代にスーパーのバイトをしていたことがあって、寺島さんは当時のパートの人と雰囲気がすごく似ていて。バイト時代を鮮明に思い出しました、そのままのリアクションでいけるというか、いや、すみません」と苦笑い。

寺島は「それはそれしい。人間観察が好きで。こういうおばさんがいたら絶対嫌だろうなというのを集結させて演じました。でもスクリーンの中で生きている草加部さんはとっても必死なんです。桃李君を助けてあげたいというためにちょっと触ってみたり。すみませんね(笑)。でもほんとに距離はとられていました。これがだらだらした撮影だと私も疲弊してきちゃって、本当に桃李君に嫌われちゃったんじゃないかと思うぐらい。でも𠮷田組はぱっと撮ってすぐ終ってすごく気持ちよいから、すぐに切り替えられましたね」と話した。

松坂に迫る古田と寺島の迫力について聞かれた古田は「めちゃくちゃ楽しかったよね。ゴジラVSコングだから、その間に人間が入ってくるわけだから、そりゃ大変だよ」と。松坂が「そうですね、その日は終わったらすぐに帰りたかったですね(笑)」と答えると、会場は笑いに包まれた。

思い出を聞かれた田畑は「古田さんは安心感があって居心地がよくて。何回も飲みにご一緒しました。監督とも何年かぶりでしたがこんなに飲んだことはなかったので。監督は本当に早く撮影終わるなと」とコメント。古田と同じシーンが多かった藤原は「緊張していたけれど、田畑さんと古田さんと僕と定食屋でご版を食べているシーンで、古田さんが目の前で泣いてらして僕も心がうわっとなったんですが、カットの瞬間には、僕が残したエビフライをぱくぱく食べちゃうんですよ(笑)。もったいないじゃんと泣きながら食べてて。混乱してましたとても(笑)」と撮影秘話を明かした。

スイッチの切り替えについて古田は「それが役者の仕事です!」ときっぱり。藤原は「真面目な話をした記憶がなくて下ネタばかりというか。古田さんはおおらかな方で、帰りの新幹線でもあのおじちゃん本当に面白かったなと思って(笑)。でも完成した映画を見た時にこんなにすごい人だったんだと思ってびっくりしました」と古田についての印象を語った。

一番の若手の伊東について「オーディション会場に入ってきた瞬間に、物語に書いている人がきた」と明かした𠮷田監督。伊東は「古田さんとの初めてお会いしたのは食卓のシーンでドキッとしたんですが、カットがかかった瞬間食卓に並んだお刺身を」と語った途端に場内から笑いが。古田が「食品ロスですよ!」とツッコむと、伊東が「どうやって本番中にお刺身にいこうかと悩んでいらっしゃいました」と初々しく語った。

古田は「伊東さんはすごいなと思いましたよ。この娘はすごいな、絶対に売れるんだろうなと、ゆくゆくはついていかなきゃなと」とべた褒め。松坂も「僕も共演したシーンで腕をつかんだときのリアクションが、本当に万引をしている子が捕まった時のようなリアクションで。僕は『警察24時』がすごく好きでよく見てるんですけど、万引きGメンとかで捕まる人と寸分たがわぬリアクションなんですよ、すごいなと」。そして古田が「ゆくゆくはついていかねば」、松坂も「ついていかねば」と掛け合いながら伊東を絶賛した。

忘れられない演技について𠮷田監督は「古田さんは台本にある重要だろというせりふに限ってさらっという。『折り合いをつける』というせりふ、他の人ならもっとこう今重要なことを言ってるよという感じになる思うけどすごくさらっと言っていて。古田さんを信じたいなと思ってカットをかけて、後で編集してみるとこれはすごく観客に届くものがあって。自分が考えていたものはオーバーというかあざとかったなと思ったので。そのあたりのさじかげんが鋭いなと思って。すごい勉強になりました」と明かした。古田は「僕はお芝居をする役者は嫌いなんで。なんでそんなことするんだろうって(笑)。なるべくあっさりと。くどいって思われがちですが、よくよく見てください、僕あっさりしてますんで」と笑いを誘った。

また、𠮷田監督は松坂について「桃李も突然古田さんが現れたりとサプライズの多いシーンばかりで。テストで何回もやっていて、普通は回を重ねるごとにだんだん温度が下がっていくけど、毎回新鮮なまま芝居をしてくれて。技術力がすごいのか、単に忘れているのか分からないけど毎回新鮮な芝居をしているのがすごいですよね」と。松坂は「忘れてるんだと思います(笑)。古田さんとここまでがっつりやるのは今回が初めてで。前回はクマとお父さんの関係で声の仕事だったので、今回はうれしかったです。実際にお芝居をしていると本当につらい気持ちになってくるんですよね、今回の関係性的にいうと。そういう芝居を共有するのは本当に楽しかった。今度は違う関係性で、もっと仲の良い関係性で次はご一緒したいなと思います」と語った。

作品情報

「空白」
公開中

公式サイト:kuhaku-movie.com

©2021『空白』製作委員会

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