矢部浩之がサッカー愛を込めて語る「子供たちの成長期という見方もできるすてきな映画です」「映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ」

特集・インタビュー
2021年06月11日

◆すてきな思い出ですね。矢部さんの子供時代と今とでは、指導の仕方に違いなどはあると思いますか?

今、うちの子供もサッカーを習っているんですけど、コーチの教え方を見ていると、やっぱり全然違うなって思います。もちろん、部活かサッカースクールかによって教え方も異なるんでしょうけど。それに、僕らのころは結構ゆるかったですね。僕の周辺は小学5年生からじゃないと公式戦に登録できなかったんです。でも、3年生で出してもらえましたから(笑)。先生に「出たい?」と聞かれたから、「出たいです!」と答えたら、「じゃあ、5年生で登録しておくから、5年生の顔をしとけ」って言われて(笑)。そんなん無理やろって思いましたけどね(笑)。当時からただでさえ体が小さかったし、多分バレていたと思いますよ。そういうのも含めて、今だったらあり得ないことですよね。仮に試合で勝ち抜いていたら、どこかで大問題になっていただろうし(笑)。でも、そうやってでも試合に出たいという気持ちはすごくあって。そこはまさに、今回の映画ののんちゃんに近いものがありますね。

◆ちなみに、矢部さんがサッカーのコーチをするならどんなチームにしたいですか?

理想はオフェンシブですね。パスを回して、人とボールを動かしていくバルセロナのようなサッカーはやっぱり楽しいなと思いますから。ただ、現実はディフェンシブになるかもしれないです。やはり守備あってこその攻撃だと思うので。日本代表の試合を見ていても、一番結果を残しているのは超ディフェンシブの時ですしね。とは言え、点を取られても絶対に取り返せるぐらいの攻撃力があればオフェンシブのチームにチャレンジしたいです。いま、長男が6〜7歳の子供に交じってやっているんですけど、めちゃめちゃうまい子っているんですよ。“どこで覚えたん?”って思うくらいの(笑)。ボールの扱い方って教わってできることに限界がありますから、きっとセンスなんやろうなと思いますけど、そういう子がチームにいれば、オフェンシブのチーム作りを目指したいです。

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