見上愛×青木柚インタビュー「アトラクションに乗るような気持ちで楽しんでほしい」『往生際の意味を知れ!』

特集・インタビュー
2023年03月04日
『往生際の意味を知れ!』見上愛、青木柚©「往生際の意味を知れ!」製作委員会・MBS ©米代恭/小学館

米代恭が2020年2月から「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載をスタートし、「次にくるマンガ大賞2021」ノミネートや、『アメトーーク!』マンガ大好き芸人での紹介が話題を呼び、緊急重版が相次ぐなど今話題の同名漫画が原作のMBS/TBSドラマイズム『往生際の意味を知れ!』(MBS 毎週火曜 深夜0時59分~/TBS 毎週火曜 深夜1時28分~)が3月7日(火)より放送スタート。W主演を務める見上愛さんと青木柚さんに、脚本を読んだ感想、撮影時のエピソードなどを聞きました。


◆原作や脚本を読んだ感想を教えてください。

青木:恋愛を軸に話が進んでいくのですが、斬新な展開の連続ですし、スリリング。その中で日和と海路といった登場人物たちが執着し合ってるシリアスなところや少し滑稽なところのバランスが、一周回って愛らしいお話だなと引き込まれました。

見上:私は原作が発売されたころから、次の話が出るのを楽しみに読んでいました。毎話すごく裏切られるんです。推理ものっぽい一面もあって、「きっとこうだろう」と思って読んでいくと、「あれ違った」みたいな裏切りを毎回されて、それがすごく面白いなと思っていました。原作と台本の違い的なことで言うと、まだ漫画は完結していないので、この先日和たちがどうなるか分からない部分がまだたくさんあります。原作は海路(青木)目線で描かれているのですが、脚本では日和(見上)の気持ちも分かりやすく描かれています。とっぴな女の子に見えるかもしれませんが、ただ真っすぐに大切なものを守ろうとしている子なんだなっていうのが見えてきました。

◆役作りで工夫されたこと、難しかったことは?

青木:普段演じるときはリアリティを大事にしているのですが、海路はわりと説明的で漫画っぽい話し方をする人。漫画原作だからそういうふうに演じようというよりは、海路が日和に執着しているからこそ、言葉がたくさん出てくるんだろうなと思ったので、話し方だったり、トーンは意識するようにしていました。

見上:日和もどんどん話が進むにつれて、生きている感じがしない方が面白いと思って。私が原作で感じた「え、何?」というのを、ドラマでも皆さんに感じてほしいなと思ったからこそ、漫画っぽい感じを残して、同じ世界に生きている感じがしないようにしました。温度感や話し方、声の使い方から動きで、いつも以上に作っていきました。後半にいくにつれて、だんだん日和は思っていることを隠さなければならないのですが、思わず出てきちゃうところを止めずに人間味を強めに出していきました。青木さんと今まで共演していても、そういう生っぽいお芝居を求められることが多かったので、2人が感じているものはそのままに、バランスを見ながらやっていた気がします。

◆撮影で印象的だったことはありますか?

青木:話の展開がジェットコースターのようにあっちに行ったり、こっちに行ったりすることが多い上に、順番通りに撮れるわけではないので…。重いシーンも多くて、僕が“やばい日”、見上さんが“やばい日”のようなことが結構ありました(笑)。撮影が進むにつれて、見上さんが役と同じようにだんだんと鬼気迫る感じになっていったなっていうのは、そばで感じていました。

見上:今回、同世代の共演者の方が多くて。妹の珠緒(安斉星来)と千世子(宮﨑優)、典子(樋口日奈)や榊田(三山凌輝)役の2人も同世代ぐらいで。こんなに同世代の方と一緒にお芝居する機会がこれまであまりなかったので、みんなのほのぼのした雰囲気にとても救われました。撮影の合間はずっと笑ってはいたけれど、重たいシーンの撮影は結構いっぱいいっぱいなことが多くて。そこにのりちゃん(典子)たちが現れると、天使みたいなオーラで、いるだけで癒やされるみたいな、その存在に助けられました。

◆好きなシーンはどこでしょうか?

見上:山本未來さんがお母さん役を演じてくださっているんですが、そのお母さんがとても怖いんです。後々そのお母さんが出てくるところは見どころです!

青木:日和の“アルカイックスマイル”(口元だけほほ笑んでいる表情)です。役柄上、一番近くで見ていましたが、「漫画のまま!」と感じる瞬間がたくさんありました。どんどんそのスマイルの精度が上がっていくんですよ。なので、ぜひ“アルカイックスマイル”集を作ってほしい(笑)。

◆日和が海路に「精子が欲しい」というシーンについては?

見上:結構最初の方に撮影をしたので、探り探りやったのを覚えてます。

青木:え、本当?

見上:どのぐらい漫画感を残して、どのぐらい生な感じにするかというバランスが難しかったです。結構原作に忠実なシーンになっていると思います。

青木:僕が見ていた印象で言うと、完璧でした。それだけではなくて、見上さんと日和ってビジュアルがとても似ているじゃないですか。米代先生も「この人しかいない」とおっしゃっていましたけど、本当にそのとおりで。この漫画っぽいシーンを演じても成立できる力は、まねできるものではないなと感じました。

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