藤竜也のこだわりシーンに観客大盛り上がり!映画「東の狼」初日舞台挨拶

エンタメ総合
2018年02月07日

157868_01_R 映画「東の狼」の初日舞台挨拶が行われ、主演の藤竜也、大西信満が登場した。

 藤が「いかがでしたか」と語りだそうとした途端、客席からは温かな拍手が。藤は「いかかでしたか?と聞くと困ると思って言うのをやめようとしたのですが、思いがけず拍手をいただきありがとうございます」と笑顔。大西は「簡単な撮影ではなかったので、無事に初日を迎えることができてよかった」と安堵の表情を見せた。

 共演をした印象を聞かれると、大西は「藤さんは山のような、太くて重い木のような人でした。そんな人を少しでも揺らすことができるように演技しました」と身心ともにずっしり構えた藤の印象を語った。

 監督のカルロス・M・キンテラ、そしてプロデューサーを務めた河瀨直美からのコメント映像がスクリーンに映し出されると、カルロスは「黒木和夫監督がキューバで撮影した『キューバの恋人』が作られてから50年たち、『キューバの恋人』の続きともいえる『東の狼』を日本で撮影することができた。夢がかないました。藤さんは父親のような人でした。ハグを送りたい」と日本での公開を祝した。続けて河瀨直美は、「一升瓶を持って来て、地元の猟師さんたちにドンと渡してさあ飲もうと振る舞いました。俺は今日からこの村入りをさせてもらうよ、と入り口から猟師になる覚悟をしてくれたことがこの映画の成功に結び付いたと思う」と、藤の役者魂に感謝の意を述べた。

 2人のコメント映像を見た藤は、カルロスとの製作エピソードを聞かれると「話すと2~3時間はかかる」と言い、会場からは笑いが。続けて藤は「カルロスさんも河瀨さんも“魂”という言葉を口にするのですが、この映画の感想を聞かれると、なんか“魂”なんです。カルロスにとって狼はただの生き物としての狼ではなく、カルロスが伝えたい意図を探ろうとした」と撮影時の苦労を語った。さらに、「ラストカットがかかったときに(あまりにも過酷な撮影だったので)カルロスを呼んでエアで殴ったら、カルロスも分かってるよって顔をして、最後は握手をしました」とエアボクシングを披露しながら、撮影終了時の思い出を語った。即興性のある撮影について聞かれると、藤は「本当はヒロインがいて、(藤・大西との)三角関係がある予定が、いつの間にかなくなってしまった」と急に大幅な脚本変更が行われるなど撮影の裏話を明かした。

 エグゼクティブプロデューサーを務めた河瀨直美について聞かれると、藤は「カルロスが悩んで止まっているときに、現場に来てプロデューサーとして仕切っていました」と河瀨の敏腕ぶりを語った。しかし、「あの一番苦労したシーンはカットされているんだよね」と悲しげな表情を見せると会場からは笑いが起こり、大西も「本編の続きに、山の中に入っていろんなシーンをたくさん撮影しましたが全部なかったですね(笑)」と、苦いエピソードを明かした。

 続いて、観客からの質問コーナーに。観客からこだわりのシーンについて聞かれると、藤は「大西さんにいじめられたシーンの後はアドリブなのです。本当は寂しげにトラックが発進するだけでしたが、藤竜也としてもアキラとしても心がむしゃくしゃして、ギアをバックに入れてハンドルを目いっぱい切ってアクセル全開でガラガラと回ったら、監督も喜んじゃって」と藤竜也の機転の利いた1シーンについての裏話を披露した。

 そしてお客さんから藤へ公開を祝した赤い花束が贈られ、会場から大きな拍手が沸き起こり、藤は笑顔に。最後に藤は「この映画は決して分かりやすい映画ではないと思っていましたが、皆さんの温かい雰囲気で、楽しんだと言ってくださってうれしいです。ありがとうございます」と自らの不安をかき消す観客の反応に、驚きと喜びの笑顔を見せ、大きな拍手の中、舞台挨拶は終了した。

映画「東の狼」は現在公開中