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悟空とベジータの対談が実現!野沢雅子×堀川りょうインタビュー 映画「ドラゴンボール超 ブロリー」

悟空とベジータの対談が実現!野沢雅子×堀川りょうインタビュー 映画「ドラゴンボール超 ブロリー」

昨年12月に公開され、大ヒット中のアニメ映画「ドラゴンボール超 ブロリー」。原作の鳥山明さん自ら脚本を手掛けた同作は、ご存知、孫悟空とベジータ、そして劇場版を代表する最強の敵ブロリーという3人の戦闘民族サイヤ人の壮絶なバトルを、父親世代からの歴史と因縁とともに描いた物語。悟空とベジータがフュージョンで合体した究極の戦士ゴジータも再登場してシリーズ最高傑作との呼び声高い今作について、悟空役の野沢雅子さん、ベジータ役の堀川りょうさんにインタビュー。30年以上にわたって戦ってきたレジェンド声優対談が実現しました!


声を合わせてゴジータを演じる秘訣は“食事会”にあり!?

野沢雅子×堀川りょうインタビュー
◆劇場版としては記念すべき20作目。脚本は前作の「劇場版 ドラゴンボールZ 復活の「F」」「復活のF」(15年)に引き続き鳥山先生ですが、最初に読まれた段階でこれまで以上に面白いものになるという確信を抱かれたのではないですか?

野沢:それは毎回思っています。先生の作品はもう、絶対間違いないですから。

堀川:そこに疑いを持ったらできませんからね。常にいい脚本であるはずだと信じていますし、実際に今回もそういう脚本になっていました。

◆興行収入もシリーズ最速の20億円超えという記録的大ヒットとなっています。

野沢:うれしいです。私のところにも「面白かった!」っていう声が届いています。

堀川:昔からのドラゴンボールファンが今、お父さん、お母さんになられて、息子さんや娘さんも一緒にハマってくれて。そうやって世代を超えて見てくださっているというのがすごくいい展開というか。だから、特に若い世代に「面白かったよ」って言われると、やっていてよかったなと思いますね。

◆今作では、ブロリーが24年ぶりに復活しました。野沢さんと堀川さんは、ブロリーのことを覚えていらっしゃらなかったそうで…。

野沢:そう。だって、ブロリーと戦ったのってすっごい前ですもん。

堀川:本当申し訳ないんですけど、最初に「ブロリーってどんなキャラクターだったっけ?」って聞いて…。

野沢:何十年も前だと忘れてしまうよね。

◆今作のブロリーは鳥山先生のアレンジによって、悟空への私怨で破壊と殺戮をし尽くす“悪魔”から悲劇的な境遇を生き抜いたキャラクターへと生まれ変わりました。

堀川:本意じゃないんだけど、戦わざるを得ない。そういう状況に追い込まれたブロリーは、とてもかわいそうですよね。

野沢:基本的に、鳥山先生がお書きになる敵に本当の悪ってあまりいないじゃないですか。どこかに愛すべきところを残していますよね。

◆ただ、圧倒的な戦闘力で暴走する姿は24年たっても健在でした。

野沢:ブロリーはとにかく強い。それは認めますけど、負ける気はしないんです。だって、悟空ですから。伊達に修行しているわけじゃないんですよ(笑)。

堀川:聞いたところによるとベジータは前回ブロリーと対峙した時は、その強さにすごく怯えて、いざ戦っても瞬殺されてしまったそうで…。でも24年たって、ベジータもいろんな意味で成長していますからね。だから、今回は自信を持って戦えるし、敵わないとなれば、口では嫌がりつつも、悟空とフュージョンする。心の中ではそれをしないと絶対に勝てないと感じていたんだと思いますよ。

◆そのフュージョンによって悟空とベジータが合体してゴジータに変身する場面は、今作の最大のハイライトです。ブロリーに続き、ゴジータの復活にファンは大興奮しています。

堀川:僕らとしてはテレビシリーズのベジットも含めて、合体は何回もやっているから…。

野沢:今回はこうなんだなという感じでしたね(笑)。

堀川:そもそも違いがよく分からないんだけど、ゴジータもベジットも合体は合体?

野沢:どちらも合体ですよね。アイテム(ポタラ)を使うか、気を合わせてポーズをとるかの違いで。

堀川:トランクスと悟天がやっているのはフュージョン?

野沢:そう。

堀川:あぁ、なるほど。時々イベントとかで僕らもフュージョンのポーズをやりますよね。指は震えるし、「合ってる?合ってる?」って何回も確認したりして、写真撮るのに結構時間がかかっちゃうんです(笑)。

◆合体したキャラクターはお二人で声を合わせて演じていらっしゃいますが、どのようにアフレコしているのでしょうか?

堀川:今作に関しては、僕が先に録ったのかな?

野沢:そう。で、りょう君の声に合わせて私が録ったんです。

堀川:ケースバイケースなんです。最初のテレビシリーズのころは隣にマコさんがいらして、特に何も言わずとも僕は僕でマコさんの呼吸を感じて、マコさんはマコさんで僕の呼吸を感じてくださって、というやり方でした。

野沢:それでだいたいできちゃうのよね。

堀川:ほぼ一発でできていましたよね。最近のゲームの収録とかだと、さすがに「せーの!」で声を合わせるようにしているんですけど。

◆いずれの方法にせよ、声を合わせて演じるというのは至難の技ですよね?

堀川:よく一緒に飯食ってますから!いや、冗談じゃなくてね。収録が終わるとだいたいキャスト・スタッフそろってみんなで食事に行くんですけど、そういうコミュニケーションってすごく大事だと思うんですよ。

野沢:食事会って人となりが出るというか。自分をさらけ出しちゃう部分があるじゃないですか。そうすると、この人にはこういう面があるんだ、ああいう面もあるんだっていろいろ分かる。だから大切なんですよ。

堀川:マコさんはお酒を一滴もお飲みにならないので、ウーロン茶。逆に僕はお酒が中心で、飲み始めるとあまり食べないんです。だから、マコさんからよく注意されています(笑)。

野沢:「りょう君、これ食べなさい!」ってね(笑)。

◆そういうやりとりの中で信頼関係が生まれているんですね。

野沢:私にとってりょう君は、単純にお友達。収録でも安心感がある。どういうふうに渡しても受けてくれるから。

堀川:僕はもちろん、マコさんのことはずっと大尊敬しています。役者として、パフォーマーとしてのみならず、人間性においても。例えば新人の方が入ってきても、マコさんは「ねぇ、お茶飲む?」とか「何か食べる?甘いものあるよ?」とかって常に気遣ってあげていらっしゃる。それは、緊張をほぐしてベストの状態でやらせてあげようというマコさんの愛情だと思うんですよ。だから、すごいなと。器の大きさが違う。あいさつする時も、誰に対しても丁寧ですもんね?

野沢:私はどんなに新人の方でも、必ず立ち上がって「野沢です。よろしくお願いします」ってあいさつするようにしています。

堀川:そういう姿をずっと見てきましたから、僕もそうでありたいと思って。だから、僕も必ず立ち上がって挨拶するようにしています。マコさんと高倉健さんを真似て(笑)。


台本は3冊!バトルシーンとそれ以外のシーンを分けて2日間で収録

野沢雅子×堀川りょうインタビュー
◆今回、とにかく悟空・ベジータ・ブロリーの怒涛のバトルシーンが圧巻でした。

野沢:アクションは多かったですね。台本を読んで今回もすごく面白いお話だね、なんて言っていたんですけど、いざ声を入れてみたら、戦いのシーンしか印象に残っていなくて。あれ、それしかやっていなかったかなと思って、みんなに「ねぇ、私ほかのセリフ言った?」って聞いたくらい(笑)。とにかく「ぐわぁ~」「うわぁ~」って言いっぱなしで、大変でしたよ。ブロリー役の島田敏さんなんて終わったとたん、こんなふうに(机に突っ伏す)なっちゃって(笑)。

堀川:スピード感も半端なかったので、僕は4~5カットずつきりのいいところで区切って録っていました。例えば1つの攻撃を当てるところでいったん止めて、その声を入れたら次は避けるところまで、というように。

◆アフレコは全体で4日間、お二人は2日間だったとお聞きしましたが、その段階ではまだ画はほとんど仕上がっていないわけですよね?

野沢:線がびーん、びーんって引いてあるだけで、それだけを見てもよく分からない。「これは誰ですか?」「こっちから来るのは誰ですか?」っていう状態なんですよ。

堀川:時々、悟空なのかベジータなのかさえ見分けがつかなくなっちゃって、「あれ、これどっちがどっちでしたっけ?」ってなることもありますよね。

野沢:だからその都度説明を聞いて頭にインプットして、想像しながら戦うんです。

◆完成した作品をご覧になった時にはその画がCGによってド迫力の映像になっていて、驚かれたんじゃないですか?

堀川:驚きましたね。80年代のころの映像と比べると、もちろんあれはあれで今見返しても味があっていいなと思うんですけど、今の技術は格段は進歩していますよね。臨場感が半端なくてグレードが高い。予告を見ただけでも、やっぱりすげぇなと思いました。

野沢:完成した画があって、そこに声を入れているわけじゃないから、私たちも仕上がりが楽しみだったんです。だから、そこに関しては劇場で見てくださった皆さんと全く同じ気持ちだと思います。

◆あれだけバトルシーンになると、台本もかなりのボリュームになりますよね?

(スタッフさんが実物の台本を用意してくださって…)

野沢:素晴らしい、持ってきてくれた!これです。3冊あるんです。

堀川:3冊あるのは、字を大きくしてくださっているからなんですけどね。

野沢:それは、私がずいぶん前にお願いしたからなんです。なぜかと言うと、小さい字だと読んでしまうから。そうすると“言葉”じゃないでしょう、と。大きい字だったらぱっと目に入ってきた瞬間に気持ちを乗せられる。それで、私の出ている作品の台本は全部字が大きいんですよ。

堀川:普通の字のサイズにすれば2冊くらいにまとめることもできるんでしょうけど、そうすると見づらいし、何かチェックするときにもどこがどのシーンだったか分からなくなっちゃいますからね。

◆なるほど。文字のサイズを加味しても、3冊ってかなりのボリュームがありますよね。

野沢:すごいでしょう? これを頭からずーっと録っていけば気持ちも乗っけやすいわけだけど、先に最後のシーンを録ったり、その後で前のシーンを録ったりするから、そのたびに切り替えなきゃいけなくて。

◆順録りじゃないんですか!?

野沢:バラバラでしたね。

堀川:アクションシーンのみで1日、それ以外のシーンをもう1日で、というふうに分けて録りました。それでも2日間ですからね。そこがアメリカと違うところ(笑)。向こうだと1シーン録るのに1~2週間くらいかかる。しかも抜き録りで、みんな一緒にはやらないですからね。だから、向こうでフュージョンなんてやったら大変だろうなと思いますよ(笑)

野沢:本当だね(笑)。


変わらない悟空と変わったベジータの魅力

野沢雅子×堀川りょうインタビュー
◆ラストの悟空のセリフもとても印象的でした。

野沢:私はね、悟空は口には出さないけど、常にそういう気持ちを持っていた人だと思っていて。それが年月を経て、たまたまあの時に言ったという。

◆つまり、悟空自身は何も変わっていないと。

野沢:そう!最初からずっと明るく、楽しく、正義の味方。だからと言って悟空は正義の味方然とした生き方ではないじゃないですか。ただ普通に明るく楽しんで生きている感じがするところがいいですよね。

堀川:悟空はピュアですよね。普通我欲があったりするものですけど、そういうのがほとんどない。「おめえすげえな!オラもおめえみたい強くなりたいんだよ!」っていう、その思いがすごく素直でけれんみがないというか。そこが魅力なんだろうなって気がします。

野沢:ベジータは絶対そういうこと言わないもんね。

堀川:口が裂けても言いませんね(笑)。

野沢:どんなに相手が強くても、いや自分のほうが上だって言って認めない。

堀川:心の中では分かっているんですよ。だからこそベジータは悟空とは逆で、変わっていったんだと思うんです。戦って、負けて、何とか追いついたと思ったら相手はもっと上をいっていた。それを繰り返す中で、ベジータなりに本当の強さとは何なのかという葛藤があったわけですよね。技だけを磨けばいいのか。パワーだけをつければいいのか。いや、そうじゃないだろうと。我慢したり、耐えたり、相手を慮って守るために戦うことも必要だということに気づいた。まさにそういうシーンで僕が一番好きなのが、魔人ブウとの戦いで自己犠牲を決意したベジータが、最後にトランクスを抱きしめて「母さん(ブルマ)を大切にしろよ」って言うところで。そもそも結婚したこともそうですけど、そんな行動、ベジータにはまずなかったことですからね。

◆今作でフュージョンを決意したのも、最終的にはブルマのためと説得されたからでしたね。

野沢:ベジータはブルマのことをすごく愛しているんですよ。

堀川:これも以前、ベジータがビルス様に「俺のブルマに何をする!」って怒るシーンがありましたけど、まさかあんなセリフが出てくるとは思いませんでした。

野沢:今までのベジータだったらありえないですよ。

堀川:そういう変化は演じていてすごく感じるし、面白いです。「ほぉ、変わってきてるなぁ。よくなってんじゃん、おまえ!」って(笑)。

野沢:人生の面白さは、悟空よりもベジータのほうがありますよね。悟空は優等生…からははみ出していますけど(笑)、どちらか言えばそっちのタイプでしょう?人様に迷惑をかけるつもりはないじゃないですか。こちら(ベジータ)はありますけど。

堀川:迷惑の権化でしたからね(笑)。

野沢:でも、生き方としてはベジータのほうが面白い。本当に真逆の2人ですけど、だからこそやっていけるんだと思いますよ。

 

■PROFILE

●のざわ・まさこ…10月25日生まれ。東京都出身。O型。『ドラゴンボール』では悟空役のほか、父・バーダック、息子の孫悟飯・孫悟天役なども務めている。

●ほりかわ・りょう…2月1日生まれ。大阪府出身。O型。『名探偵コナン』の服部平次役などでも知られる。

 

■作品情報

「ドラゴンボール超 ブロリー」
公開中

<STAFF&CAST>
原作・脚本・キャラクターデザイン:鳥山明
監督:長峯達也

<声の出演>
野沢雅子、堀川りょう、中尾隆聖、島田敏、久川綾、古川登志夫、草尾毅、山寺宏一、森田成一、宝亀克寿、水樹奈々、杉田智和ほか

公式サイト:http://www.dbmovie-20th.com/

●text:甲斐 武

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