葵わかな&伊藤沙莉らが『キッチン革命』にかけた熱き思いを語る!“侍ジャパン”トークも展開

ドラマ
2023年03月17日
『キッチン革命』制作発表記者会見

3月25日(土)・26日(日)に放送される2夜連続スペシャルドラマ『キッチン革命』(テレビ朝日系 午後9時~)の制作発表記者会見が3月17日(金)に開催され、W主演を務める葵わかなと伊藤沙莉、林遣都、渡部篤郎、北村一輝、薬師丸ひろ子が登壇した。

戦前から戦後にかけての激動期、“食に関わる革命”を起こした実在の女性たちをモデルに、2人のヒロインの挑戦をパワフルに描く、2夜連続スペシャルドラマ『キッチン革命』。

第1夜は、計量カップや計量スプーンを考案し、あらゆる家庭で豊かな食生活が営めるよう、現代でいうレシピ=“料理カード”を作った女性医師・香美綾子(葵)の奮闘と、先輩医師・昇一(林遣都)との愛の物語を。第2夜は、戦後復興の荒波の中、暗く寒々しかった台所に光り輝くステンレスのダイニングキッチンを導入した日本初の女性建築家・浜崎マホ(伊藤)の改革を、エネルギッシュに描く。

そんな本作の制作発表記者会見が3月17日(金)に開催され、第1夜から葵、林、渡部篤郎、第2夜から伊藤、北村一輝が登壇。さらに、2人のヒロインをつなぐ存在を演じる薬師丸ひろ子が登壇した。

まず、第1夜の主人公・綾子を演じた葵は「綾子は激動の人生を送った人物なので、すべてが取りこぼせない大事なシーン。ひとつひとつを積み重ねていかなければ薬師丸さんにバトンを渡せないぞ、という思いがありました」と、妥協することなく演じたことを明かす。

葵わかな

林はそんな葵の熱演に触発されたことを明かし、「僕はひたすら、わかなちゃんに感謝しています。夫婦の出会いから別れまで心を込めて気持ちをぶつけてきてくださったので、僕はひたすらそれに感化されたり、心を動かされたりしていただけ。すごい女優さんだと思いました」と賛辞を。

葵演じる綾子を導く恩師・花園順三郎を演じた渡部は、「彼は主人公のよき理解者でよき上司。100年ぐらい前に生きていたという設定の人物ですが、部下に対する愛情は現代でも同じなので演じやすかったです。基本、私は女性を優先するタイプの人間ですしね(笑)」と、ユーモアを交えて撮影を振り返った。

そして、第2夜の主人公・浜崎マホを演じた伊藤は、「革命を起こす人を描くのって本当にワクワクするなと思いながら演じていました。あきらめない心や一直線に目指すものがある、ということがまっすぐ届けばいいな」と、役柄にひそませた願いを打ち明ける。

また、マホと共に一大プロジェクトに挑んだ住宅公団設計課長・本郷義彦役を演じた成田凌は、会見への出席がかなわず、ビデオメッセージで「すごく熱量の詰まったドラマ。登場人物みんなが愛おしく思える作品なのでぜひ期待してください」と力強くアピール。

加えて、「せりふを間違えちゃったり、かんだりした後の伊藤沙莉がすごく好きです。自分への怒りを爆発させていて、愛おしいなと思って見ていました(笑)」と秘話も投入し、これには伊藤が「お恥ずかしながら、そんなふうに思っていただいていたならホッとしました(笑)」と照れ笑いを浮かべた。

伊藤沙莉

マホと対立する日本住宅公団副総裁・鈴木仙吉を演じた北村もまた、「ダイニングキッチンの発明はもちろん、人間にとっての大事な部分や今の時代にまで通ずる革命的な部分が盛り込まれた作品。ぜひ楽しんで見ていただけたら」と胸中を語った。

そして、綾子の壮年期にふんし、第1夜から第2夜へバトンをつなぐ役割を担った薬師丸は、「葵さんと林さんはお2人とも実際はお若いのに、歳をとったシーンでは哀愁を漂わせた素晴らしい夫婦像を作り上げていらした様子に涙しました。じっくり胸に染み込む素晴らしい作品に出演させていただいた」と、若いキャストたちの熱演をしみじみとたたえた。

質疑応答コーナーでは、「みなさんが今、熱中しているものを教えてください」という質問が飛び、葵をはじめ、ほとんどのキャストがワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での侍ジャパンの活躍に夢中だと即答。

葵が「これまでは野球のルールも分からなかったのですが、楽しく見させていただいております」と答えると、もともと大谷翔平選手のファンだったという薬師丸は「本当に真剣に応援しているので、逆に緊張しすぎていて、試合開始までに自分の気を紛らわせることのほうが大変(笑)」と、ここ数日間、ソワソワしながらも幸せな思いに包まれていることを告白。

いっぽう、林と伊藤はこの作品に影響を受けたようで、林は「土鍋で胚芽米を炊くこと」、伊藤は「計量カップ、計量スプーンを使って料理を作ること」にハマっていると打ち明け、北村は「WBCももちろん大事ですが、僕は仕事です!」と仕事第一であることをアピールし、会場を笑わせた。

薬師丸ひろ子

最後は、3人のヒロインが「一生懸命、丁寧に作った作品です。皆さんに元気を届けられるストーリーです」(葵)、「ワクワクする活気のある作品。楽しんで見ていただけたら」(伊藤)、「葵さん、伊藤さんというすてきな2人が真正面から役に取り組んだことで素晴らしいドラマになったと思いますし、私自身とても感動しました」(薬師丸)と視聴者へのメッセージを呼びかけ、会見を締めくくった。

なお、この会見に登壇したキャストのほかにも、第1夜には杉本哲太、石田ひかり、伊東四朗、筒井真理子、美村里江、和田正人、第2夜には中村アン、戸塚純貴、佐藤寛太、毎熊克哉、板尾創路、寺島進ら実力派キャストたちが集結。新しい一歩を踏み出すことの素晴らしさを伝える本作に注目だ。本日のコメント全文は、次ページに掲載。

葵わかな(香美綾子・役)コメント

◆作品への思いを教えてください。

綾子はすごく“力”が必要な役柄で、撮影しながら大変だなという思いもあったのですが、私自身、演じながら綾子に励まされていた部分がありました。そんな綾子のキャラクターが見てくださる方に届いて、皆さんの何かを励ませるような、そんな第1夜になっていればいいなと思います。

◆第1夜の主人公・香美綾子は“レシピ”というものがなかった時代に、料理を数値化しようと前向きに奔走する女性ですが、演じられていかがでしたか?

第1夜は時代の流れが長く描かれており、大学に進学する娘時代から薬師丸(ひろ子)さんにバトンを渡すまでの長い年月に渡って、同じ人物を演じさせていただきました。そのためシーン数がとても多かったのですが、綾子は激動の人生を送った人物なので、すべてが取りこぼせない大事なシーン。ひとつひとつを積み重ねていかなければ薬師丸さんにバトンを渡せないぞ、という思いがありました。
また、例えば勉強するシーンでもゴミを捨てに行くシーンでも、綾子が少しずつ年齢を重ねていることを意識して演じるのが難しかったです。ここまで何かに対して一生懸命な人物を演じたことがなかったので、「こういう人が革命を起こしていくんだな」と肌で感じながら、一生懸命取り組みました。

◆林遣都さんと共演された感想を教えてください。

林さんが演じられた昇一さんとは先輩後輩として出会い、その後、夫婦になっていきます。その過程を丁寧に積み重ねていけばいくほど、2人の関係性が最後によりすてきに見えると思ったので、すべてのシーンにおいて妥協せず、「このワンシーンが最後のシーンを作るんだ!」という気持ちで臨んでいました。

◆ドラマの中にはおいしそうな料理が数多く登場しますが、撮影で印象に残っている料理は?

胚芽米です。綾子がたくさん実験をしたという描写があるので、実際に撮影でもたくさん胚芽米を炊いて食べたのですが、お料理の先生が「✕」をつける胚芽米は本当においしくないように炊いてくださったので、完成したものとはまったく味が違ったんです。完璧な状態の胚芽米は本当においしくて、それもすごく衝撃的で記憶に残っています。

◆本作は“日本の食卓”の改革に挑んだ女性たちを描くドラマです。世の中を見回して「今、革命を起こしているな」と思う人はいますか?

私は綾子を演じたことで、母の偉大さをすごく感じました。今まで育ててもらったこと、自分を支えてくれていることもそうですが、娘ながら母の人生をかっこいいなと尊敬しているんです。ですから今回の綾子のように、女性がバリバリお仕事をして、活躍していくという役柄をいただけてうれしかったです。

◆豊島圭介監督から「役柄が年齢を重ねるにつれてふるまいを変化させ、その演技のさじ加減がスゴイ」と評されましたが、いかがですか?

着物やヘアメイクなど、ビジュアルに助けていただいた部分もたくさんあるのですが、監督とも「このシーンでは綾子は〇歳」など、たくさんお話しさせていただきながら撮影したので、心強かったですし、自信をもって演じられたと思います。

◆ちょうどワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が盛り上がっていますが、みなさんが今、熱中しているものを教えてください。

WBCです! これまでは野球のルールも分からなかったのですが、テレビで見ています。別作品の撮影現場でも合間にみなさんとお話ししたりと楽しく見させていただいております。

◆視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします

一生懸命、丁寧に作った作品です。皆さんに元気を届けられるストーリーだと思いますので、第1夜、第2夜ともに楽しんでいただければと思います。

林遣都(香美昇一・役)コメント

◆作品への思いを教えてください。

放送に先立って先日、第1夜と第2夜の完成作品を拝見しましたが、本当にすてきな作品で、参加できて幸せでした。放送を楽しみにしています。

◆脚本を読んだときの感想を教えてください。

第1夜の綾子さんと第2夜のマホさんの生き方が本当にカッコよくて、エネルギーに満ちた、元気をもらえるような物語だな、と感じました。マホさんのセリフにも「前例がないのであれば、前例を作る」という言葉がありましたが、本当にゼロから誰かのために何かを生み出し、世の中を変えようとしたり、誰かを救おうとする生き方は、なかなかできない。常日頃からそう思っているような生き方をお2人が見せてくださり、僕もこの人たちのように生きられたらいいな、と思いました。

◆葵わかなさんとの共演で印象に残ったシーンや出来事を教えてください。

僕は(葵)わかなちゃんより少し遅れて、京都のスタジオでクランクインしたのですが、出番が来る前にわかなちゃんと和田正人さんのシーンの撮影を見学しに行ったんです。スタジオに入った瞬間に、わかなちゃんのスタジオ中に響き渡る声が聴こえてきて、「あぁ、脚本で読んだ綾子さんがすぐ近くにいる!」と感じ、会うのがすごく楽しみになりました。その後、実際にお会いして間近でお芝居をしたら、あふれ出るエネルギーをビリビリと感じて…。2人でしっかりと脚本に書いてあった素敵な関係性を築いていきたいな、と初日から思いました。

◆豊島圭介監督から「役柄が年齢を重ねるにつれてふるまいを変化させ、その演技のさじ加減がスゴイ」と評されましたが、いかがですか?

僕はひたすら、わかなちゃんに感謝しています。綾子さんと昇一が出会い、結ばれ、別れを迎えるまで、心を込めて気持ちをぶつけてきてくださったので、僕はひたすら感化されたり、心を動かされたりしていただけでした。わかなちゃんは僕より年下ですが、若い世代であんなに着物が似合う方はなかなかいないと思いましたし、役柄が年齢を重ねて夫婦になってからは貫禄のようなものも出してくれ、僕に向けてくださる眼差しも長年連れ添った奥さんのような居心地のよさがあったので、僕はただそこに浸りながら演じさせていただきました。すごい女優さんだなと思って、ご一緒できてうれしかったです。

◆ちょうどWBCが盛り上がっていますが、みなさんが今、熱中しているものを教えてください。

僕ももちろんWBCを見ています! あと、この作品で胚芽米を研究するシーンがあったのですが、わかなちゃんも最初におっしゃられたように本当においしくて、ビックリして! 料理監修の先生とスタッフの方にお願いして、胚芽米を持ち帰らせていただきました。詳しいレシピも先生に教えていただいて、土鍋で炊くことに熱中しています!

渡部篤郎(花園順三郎・役)コメント

◆作品への思いを教えてください。

華やかな作品に呼んでいただいて光栄に思っております。薬師丸ひろ子さんとは30年前に映画でご一緒させていただき、(北村)一輝とは25年ぶりで感慨深いものがあります。

◆花園順三郎は“理想の上司”のような教授ですが、演じられてみていかがでしたか?

100年ぐらい前に生きていたという設定の人物ですが、主人公のよき理解者でよき上司。実際はそういう人もたくさんいたのかもしれませんが、それが表に出てこないような時代だったんじゃないかなと思います。
とても昔の人物の役でしたが、部下に対する愛情は現代でも同じなのでとても演じやすかったです。基本、私は女性を優先するタイプの人間ですしね(笑)。

◆ちょうどWBCが盛り上がっていますが、みなさんが今、熱中しているものを教えてください。

やはり今は野球、WBCですね。準決勝と決勝には行こうかなと思ってチケットをお願いしていたのですが、知人の結婚式が入りまして、そちらに行こうと思っています(笑)。

伊藤沙莉(浜崎マホ・役)コメント

◆作品への思いを教えてください。

マホを演じるにあたって、モデルとなった建築家・浜口ミホさんの経歴や写真をたくさん拝見し、撮影が始まる前から演じさせていただくのが楽しみでした。撮影している最中もすごく楽しくて、革命を起こす人を描くのって本当にワクワクするなと思いながら演じていました。ひと足先に完成作品を見ましたが、第1夜、2夜ともに面白くてワクワクしたので、早くみなさんに届くといいなと思っています。

◆第2夜の主人公・浜崎マホは「できない理由を考えるより、できる方法を考える」というせりふが印象的なカッコイイ女性ですが、演じるにあたり心がけたことは?

マホはすごく生き生きとした、やる気に満ちたエネルギッシュな女性です。外国で育ったこともあって、常に時代を先取りし、先進的な考えを持っているところがとても印象的でした。でも、それらをまだ知らない人に教えたり、与えたりするときに、“上から”の発言になるのを避けたいなと思っていました。というのも、モデルとなったミホさんは笑顔がすてきな方なので、愛情深い人という面を大切にしたかったんです。あきらめない心や一直線に目指すものがある、ということがまっすぐ視聴者の皆さんに届けばいいなと思いながら演じさせていただきました。

◆本作は“日本の食卓”の改革に挑んだ女性たちを描くドラマです。今、WBCで侍ジャパンが世界に挑んでいますが、“挑戦するために必要なこと”とは何でしょうか?

誰しも失敗はしたくないので、失敗を恐れないのはすごく難しいことだと思うのですが、失敗したほうが、より広がることもあるなということは常に感じています。失敗が人をやさしくすることもありますし、学びを与えてくれることもありますので、失敗をひとつの可能性だと思うことはとても大事。綾子さんやマホもそうでしたが、ジェットコースターのように上がったり下がったりする人生の中で、下がっているときは必ずしもマイナスではない、準備段階なんだ、ととらえると、もっといろいろなことが楽しく思えてくるじゃないかなと思っています。

◆成田凌さんとの共演でのエピソードがあればお教えください。

「こういうシーンにしたいよね」とか「こういう作品になればいいよね」という思いを同じ熱量で話してくださったので、ともにひとつの目標に向かって戦っていけるパートナーであり、チームの一員であるということが、すごく心強かったです。建設課チームはみんな和気あいあいと楽しく、絆を感じましたし、本当にいいチームだなと思っていました。
(成田からの「せりふをかんだり間違ったりする伊藤沙莉が愛しいです」というコメントを受けて…)
専門用語やパパパッと早口のセリフもあって、そういうところでつまずいたりして「ごめんなさい!」ってなった瞬間を、成田さんはいちばん間近で見ていた方。お恥ずかしながら、そんなふうに思っていただいていたならホッとしました(笑)。

◆豊島圭介監督が「50年代の日本映画のように“早口だけどきっちり言葉は伝える”という演技をお願いしたので、負担は大きかったはず」とコメントされましたが、撮影はいかがでしたか?

最初にそう言われたときは「どうしよう!?」と思ったのですが、一説によると、かつての映画の早口は当時のフィルムの関係であって、そもそも役者さんたちが早口でお芝居をしていたわけではなかったらしく…。監督には、小気味のいいテンポで進むシーンはいいですが、本当に伝えないといけない場面で早口を意識してしまうと、お芝居が流れてしまうので、大切にしたいですと伝えさせていただきました。私だけではなく、みんなで一緒に作っていった空気感や、スピード感があったと思います。

◆ちょうどWBCが盛り上がっていますが、みなさんが今、熱中しているものを教えてください。

今までは気が向かないと料理はしなかったのですが、最近、すごく遅ればせながら、それこそ計量カップとか計量スプーンとかを料理に使ったらこんなにおいしくできるんだということに気づきました。これまでは「どうせできないし…」とあまり料理もしなかったのですが、意外ときっちりやってみたら、自分が思い描いていた味になったという喜びがありました。先日もいただいた野菜があったので、レシピを見てそのとおりに作ったら、本当においしくできたんです。最終的にはお母さんみたいに目分量で作れるようになりたいんですけど、今は計量カップ、計量スプーンを使うことにハマっています。

◆視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。

すごくワクワクする活気のある作品だと思いますので、みなさん楽しんで見ていただけたらうれしいなと思います。よろしくお願いいたします。

成田 凌(本郷義彦・役)コメント※VTRコメント

◆本作に参加した感想を教えてください。

撮影は京都で行われたのですが、伊藤さんを中心にすごくいいチームで、撮影初日から“もう何年も一緒にやってきたチームなんじゃないか”という感覚になるぐらい、すごく楽しい撮影でしたね。その熱量が視聴者の皆さんに伝わればいいなと思います。

◆本作のみどころを教えてください。

伊藤沙莉さん演じる浜崎マホを中心に、日本のキッチンをより良くしていこうと動く、すごく熱量の詰まったドラマですが、同じチームの人たちがユーモアたっぷりで、登場人物みんなが愛おしく思える作品なので期待してください。

◆第2夜の主演、伊藤沙莉さんの印象は?

何度目かの共演なのですが、こんなに2人でガッツリ組むのは初めてでした。笑い声でどこにいるか分かるような人なので、彼女の明るさで現場は毎日、保たれていたようなものでしたね。
お芝居においても、マホという力強いけどやさしさがある愛情深い役柄がとても似合っていました。常に伊藤さんを中心に創っている作品という印象があり、本当にありがたかったですね。
自分は、せりふを間違えちゃったり、かんだりした後の伊藤沙莉がすごく好きです。自分への怒りを爆発させていて、愛おしいなと思って見ていました(笑)。

◆対立する日本住宅公団副総裁を演じた北村一輝さんの印象は?

いやぁ、すてきでしたね、本当にカッコよかったです。ずっとお会いしたかった方なのでご一緒できてうれしかったですね。でも、いかんせん北村さん“ゲラ”なんですよね。この作品、ゲラが集まってしまったというか、シリアスなシーンなのにみんな笑っちゃってNGを出すということが多々ありました。自分は、それぜんぶ北村さんのせいかなと思っています(笑)。

北村一輝(鈴木仙吉・役)コメント

◆作品への思いを教えてください。

本作は、女性地位向上を描いたドラマ。今の時代にとてもリンクしているなと思い、幸せを感じながらオファーを受けたことを覚えています。ひと足先に作品を見せていただきましたが、ダイニングキッチンの発明はもちろん、今の女性の地位につながる1ページが描かれ、その裏にある人間にとっての大事な部分や今の時代にまで通ずる革命的な部分が盛り込まれているなと思いました。ぜひ楽しんで見ていただけたらと思います。

◆日本住宅公団副総裁という役柄でしたが、演じられた感想を教えてください。

マホから見れば“抵抗勢力”にあたる人物ですが、そういう人物がいるからこそ力がひとつにまとまったり、強くなったりするのだと思います。日本は保守的な人が多い中、まわりが敵だらけになるような立場に自分の身を置くパイオニアはすごいなと思いますし、個人的には革命を応援する派なので、マホという人間はかっこいいなと思いながら演じていました。やっぱり信念を持っている人は必ず成功するんだなと思いましたし、そういう部分が強く伝わればいいなと思いました。

◆伊藤沙莉さん演じるマホたちが副総裁室に乗り込むシーンは手に汗握る場面でしたが、実際に演じられていかがでしたか?

狭いセットの中に、ものすごい数の人たちが入ってくるな、と思いました(笑)。僕は朝からずっとそのセットにいたのですが、部屋の温度も上がり、暖かくなってきて眠気も訪れそうになりましたが、それを超えるくらいの面白さがありました。

◆成田凌さんとの共演で印象に残ったことを教えてください。

沙莉ちゃんと成田さんは今回共演する前からいろいろな作品を見せていただいて、素晴らしい俳優だなと思っていたので、現場でお会いできて勉強にもなりましたし、本当にすてきだなと思いました。沙莉ちゃんや成田さん、そしてほかのキャストの方々と共演できたことがとても幸せです。

◆ちょうどWBCが盛り上がっていますが、みなさんが今、熱中しているものを教えてください。

僕はいつも仕事です! 間違いなく仕事です。もう1回言いましょうか? WBCも大事ですけど、仕事です(笑)。

薬師丸ひろ子(香美綾子・役)コメント

◆作品への思いを教えてください。

葵(わかな)さん演じる香美綾子の晩年を演じさせていただきました。葵さんと林(遣都)さんはお2人とも実際はお若いのに、歳をとったシーンでは哀愁を漂わせた素晴らしい夫婦像を作り上げていらした様子に涙しました。違う人間が同じ人物を演じるということで、監督にもご相談させていただいて、2人をつなぐ“クセ”を考え、葵さんに現場でお会いすることはありませんでしたが、2人の間には共通のクセや習慣が生まれたなと思っています。
脚本をいただいたとき、「若い女性が活躍するこの作品、なんて清々しくてかっこよくて気持ちのいい作品なんだろう」と思って撮影に入りました。実際に出来上がった作品を見ると、もちろん女性の活躍は素晴らしいのですが、それをサポートするパートナーや仲間たちが本当にすてきで、そんな人たちに支えられた2人の主人公の女性はとても魅力的だったんだなと思いましたし、じっくり胸に染み込む素晴らしい作品に出演させていただいたんだなという感想を持ちました。

◆第1夜の主人公・香美綾子の壮年期を演じられましたが、演じる上で意識したことは?

綾子は子どものころに母親と死別したことから、「人の役に立ちたい」「食事で体を治すんだ」という思いが根底にあって、それが綾子を“栄養大学を作る”というところまで導いていったのではないかな、と思います。
計量カップやスプーン、料理カード(レシピ)の開発など、今では当たり前のものを頑張って作った彼女ですが、計量によって料理は80%おいしく作ることが可能になるけれど、残りの20%に加えるものはもっと大事な要素がある…ということを生徒さんに教えたんだと思います。みなさんも残り20%の部分は、ドラマを見て納得していただけたらうれしいなと思います。

◆第2夜の主人公・浜崎マホの印象は?

劇中、ひとりで大学に乗り込んで、自分の考えたこと、生み出したことが間違っていないか、ダイニングキッチンがみんなの生活にとってどれほど有益なものになるのか、ということを証明したマホさんはとても勇ましいなと思いました。そしてそんな彼女を見守ってくれる仲間がいたということ、それがマホさんがとても魅力的な人だったという証明のように思えました。

◆本作は“日本の食卓”の改革に挑んだ女性たちを描くドラマです。侍ジャパンの勇姿が話題になっていますが、「今、革命を起こしているな」と思う人はいますか?

今の私にとっては毎朝、前日のWBCの試合の様子、対戦相手とのエピソードなどを読む時間が何にも代えられない幸せなひとときです。暗いニュースが多い中、ここ数日は本当に心温まる時間をもらっています。応援して楽しむのはもちろん、スポーツを見ることでこんなにも幸せな気持ちにしてもらえるとは…。私は普段から大谷翔平選手の試合を見ていますが、スポーツを通じて自分たちの仕事やチームワークとは何か、というところまで発展させられる戦いぶりや人柄に衝撃を受けています。

◆今、熱中しているものは?

WBCは本当に真剣に応援しているので、逆に緊張しすぎていて、試合開始までに自分の気を紛らわせることのほうが大変だったりします(笑)。
私は普段からほとんど外食はせずに自分で料理を作っているのですが、この作品で「計量カップで80%はおいしいものが作れるけれど、残りの20%がもっと料理をおいしくする秘訣だ」ということを知りました。それは誰かのために作る、ということだけではなく、自分自身に向けた愛情も大事。私自身、「これを食べて元気を出そう!」と撮影前、自分のためにお弁当を作るなどしています。

◆視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。

葵さん、伊藤さんというすてきな女性お2人が真正面から役に取り組んだことによって、このドラマが本当に素晴らしいものになったと思いますし、私自身とても感動しました。今の時代にピッタリな役柄を2人がすてきに演じられたことで、このドラマがますます輝いたと思います。ぜひご覧ください!

番組情報

『キッチン革命』
テレビ朝日系
2023年3月25日(土)・26日(日)午後9時~

番組公式HP:https://www.tv-asahi.co.jp/kitchen_kakumei/