波瑠、NHK原爆特番ナビゲーターに「知ってもらえるきっかけになれば」

エンタメ総合
2017年08月04日

『“原爆の絵”は語る~ヒロシマ 被爆直後の3日間~』 8月6日(日)放送の『“原爆の絵”は語る~ヒロシマ 被爆直後の3日間~』(NHK総合)の試写会に、ナビゲーターを務める波瑠が出席した。

 1945年8月6日、人類初の原子爆弾が投下された広島。同番組では、被爆者が描いた「原爆の絵」を8Kカメラで撮影し、被爆直後の3日間を振り返る。現在「原爆の絵」は、およそ4200枚が広島記念資料館に所蔵されているが、劣化が激しく展示されているのはごくわずか。8Kスーパーハイビジョンの超高精細カメラで撮影した絵数十点を時系列に沿って紹介し、被爆直後の壮絶な3日間を追体験するようにたどっていく。ナビゲーターは、波瑠と東出昌大。

 波瑠は東京生まれ東京育ちということで、番組出演にあたって「なぜ私なのかという思いもありました」と戸惑いを明かす一方で「(原爆のことを)知らない人のほうが多いので、そういう方たちが、見るきっかけ、知ろうとする糸口に私がなれたらと思ってやらせていただきました。原爆の絵には、描いた人の思いや記憶が生々しく残っていて、今回それがそのままの質で届いていくんです。絵を描くことも、絵を取り込む作業もすごく大変だったと思うんですが、少しでもそういう取り組みのお手伝いができてよかったです」とやりがいを語った。

 印象に残った絵を聞かれると、「たくさんあるんです」と悩みつつ、「子供を守ろうとする母親の絵は、同じ女性として胸が苦しくなるものがありました」と神妙な面持ちで語った。原爆や戦争に対しては、「やっぱり嫌ですよね。繰り返してはいけない気持ちは前から変わらずにあります」と力強く答えた。

 ナレーションにおいて、被爆者の言葉をどう伝えるべきか悩んだという波瑠。意識した点について聞かれると、「全体的には、少し距離を置くような形で読ませていただきました。実際に絵と一緒に書かれている言葉はできる限り不自然にならないよう、状況や気持ちが伝わるように心掛けました」と回答し、その難しさを語った。

 番組制作のきっかけについて大久保幸治CPは、「ある1人の被爆者の男性が、自分の記憶を体験を絵で伝えたいんだということで、1枚の絵を広島局に持ち込んでもらったことが発端です」と説明。演出については「絵に描かれたことを体感していただくということを大切にしました。絵に描かれた言葉、絵に描ききれなかった手記をベースに、余計な説明は一切入れず、時系列で8月6日からの3日間に何が起きていたのかを静かに感じていただける番組です」とこだわりを明かした。

 また、波瑠と同じくナビゲーターを務める東出について大久保CPは、「ご自身にもお子さんが産まれて『命に対して向き合い方が変わった』とおっしゃっていたタイミングでのお仕事だったようで、非常に感情移入されていました。しかも東出さんには広島ロケにも行っていただいたので、意義もプレッシャーも感じていただいたと思います。完成した番組を見た時に『見るのがつらい、いい番組になりました。私もつらかったですが番組に関われてよかったです』とおっしゃっていて、その言葉に尽きると思います」と。

『“原爆の絵”は語る~ヒロシマ 被爆直後の3日間~』は、NHK総合で8月6日(日)後1・05~1・48に放送。