Dragon Ash「バンドマンとしての気持ちは昔も今も変わらない」(Kj)Hulu『TOKYO BEAT FLICK』出演

特集・インタビュー
2017年06月21日

“司会者なし、ゲストなし。1アーティストのLIVE1本勝負!曲間のMCもノーカット」のコンセプトを持った、日本テレビ×Huluが送る動画配信に特化した新しい音楽番組『TOKYO BEAT FLICK』。リハーサル後、本番を直前に控えたDragon Ashにお話を伺いました。

『TOKYO BEAT FLICK』

◆音楽番組に出演するイメージがあまりないDragon Ashが、この番組への出演を決めた理由を教えてください。

Kj:自分たちはどちらかというと、現場(ライブ)中心でやっているバンドマンと思うんだけど、この番組は抵抗なく、普通にいつものライブをやらせてもらえる場だった。以前、『LIVE MONSTER』に出演させてもらったとき(14年1月)もそうだったんだけど、現場をちゃんと見てくれる人(番組スタッフ)がこっちのやりたいことを尊重してくれて、声をかけてくれたことが大きかった。

KenKen:僕、Huluには開始当初から加入していたんですよ。特にアメリカのTVドラマが好きで、ツアー先でも常に見ているんですけど、ついに自分がそのコンテンツに入るという喜びが大きすぎて!

『TOKYO BEAT FLICK』

◆あえて過去のヒット曲をやらず、5月31日にリリースされたニューアルバム「MAJESTIC」の曲で固めた、今回のセットリストについては?

Kj:最新曲が今、自分たちが自信を持っている曲というのは、バンドマンならみんな同じだと思うんですよ。その中から、全6曲のセットリストを組み立てました。正直、俺らみたいなバンドばっかりじゃ、ビジネスとしての音楽業界は回っていかないと思うんですよ。かといって、いなくなってもつまらなくなるんじゃないかと、個人的には思いますね(笑)。

◆今年結成20周年を迎えたわけですが、デビュー当時の97年と言えば、CD全盛期。当時考えられなかった配信の時代、さらにスマホで音楽番組を見る時代に対し、気持ちの変化はありますか?

Kj:自分たちは現役なので、“昔はこうだったから…”とか言うのは、やっぱり卑怯だと思うんですよ。僕らって子供のころ、テレビの音楽番組全盛の時代に、テレビの前にラジカセを持ってきて曲を録音したり、レンタル店でCDを借りてきて録音したり、そんなミュージシャンに一銭も入らないところから音楽とつながってきた世代。だから今がどういう形であれ、自分たちの音楽がリスナーに届いて、何らかの影響を与えられたらいいと思うバンドマンとしての気持ちは昔も今も変わらない。

『TOKYO BEAT FLICK』

◆さらに、20年前と大きな違いを挙げるとするならば、SNSの影響力ですよね?

Kj:例えばテレビや雑誌で言うと、誰が見ているか、何人見ているか本当のことは分からないじゃない? だったら、まずは自分の信頼できる人たちにSNSで発信したほうがいいに決まっている。バンドマンって排他的なところにいて、ジプシーみたいな生活をしているから、そうやって自分から発信していくことは大事だと思う。ただ、自分は時代の流れに対する対応能力が低いから、特にやってないんだけど(笑)。

KenKen:自分とサク(桜井誠)は頻繁にSNSというか、Twitterでいろんなことを発信していて、毎回フライヤーを18万ぐらいの人が見てくれている感じがする。昔は3000枚フライヤーを刷ったところで、人の目に留まるのは300人ぐらいだった。あと、デザイナーなど、気になるクリエーターとすぐにつながることもできるし、その瞬間をファンの人たちも目の前で見ることもできる。

Kj:普通にダイレクトに質問を返したりもしてるし、僕ら板(ステージ)の上の人と、板の下のお客さんとの懸け橋だと思うね。

◆そんなSNSの存在があたりまえになった世代に、Dragon Ashの音楽を届けることの難しさはありますか?

Kj:同世代の人たちは僕たちと同じ時代を歩んできているわけだから、歌詞など伝えたいことは響きやすいと思う。でも、僕らをよく知らない下の世代にライブに来てもらうには、まずは現場を見てもらうしかないんだよね。スマホであれ、普段現場に来ない人たちがこの番組を見たことで「Dragon Ashって、カッコいいね。一回見に行ってみようかな」と思ってもらえれば、一番うれしい。中継や配信は汗が飛び散る描写だったり、バンドとオーディエンスを同時に見えたりできるしね。ただ、ライブハウスにいることを疑似体験するのとは違うから、やっぱり現場に来てもらうのが一番。ナマモノには代えがたいのは間違いない。

『TOKYO BEAT FLICK』

◆結成20周年を迎えたことで、バンド的に何か考えられていることは?

Kj:特に考えてません(笑)。ただ、周りのスタッフも20年ずっとやってきてるので、このことについては自分らより、すごく意識して行動してくれているし、愛も感じる。全員が年齢を重ねている感じがする。まだまだだけど、一応20年やってきたことは半端じゃないことだと思うし。ただ、今回のアルバムはサポートメンバーのKenKenが初めて全曲弾いてくれることもあって、どちらかというと成人1年目のような感じがするね。

◆7月15日にはKjさんが降谷建志として主演する映画「アリーキャット」が公開されますが、そういった個人活動に力を入れていくことに関しては?

Kj:相乗効果として、いいカタチになったらいいですけれど、そのためだけにやっているわけではないですね。まだ頑なに、バンドマンはバンドだけやってるほうがカッコいいと思ってるから。ただ、そうやって、縛りを強くして、20年進んできた部分もあるので、今から興味があるものに手を出しても、自分が思っているより、バンドマンとしての信頼性はぐらつかないのかなとも思う。決してバンドをやめたわけでも、休止もしたわけでもないから。しっかりバンドと向き合いながらであれば、好きなアウトプットにチャレンジしてもいいんじゃないかなとは思っていますね。

 

■PROFILE

Dragon Ash

Kj(vo&g)桜井誠(dr)
BOTS(dj)HIROKI(g)、ATSUSHI(dance)、DRI-V(dance)
KenKen(b)

日本を代表するロックバンド。
1997年メジャーデビュー。
KenKenがレコーディング
に参加して製作された3年4か月のア
ルバム「MAJESTIC」が発売中。

 

■番組情報

『TOKYO BEAT FLICK』

【Hulu配信スケジュール】
#1 Dragon Ash ライブ映像 6月2日(金)
#2 SPインタビュー映像 6月9日(金)
#3 Dragon Ash アンコールライブ映像 6月16日(金)
※プロモーション映像配信中

【セットリスト】
Intro
M1 Mix it Up
M2 Headbang
M3 Ode to Joy
M4 Faceless
M5 Circle
M6 A Hundred Emotions

Hulu公式サイト:https://www.happyon.jp/

©NTV
 
●photo/金井尭子 text/くれい響