野村萬斎×大泉洋がバディに!アガサ・クリスティー「アクロイド殺し」を三谷幸喜脚本で映像化『黒井戸殺し』4月放送

ドラマ
2018年02月15日

『黒井戸殺し』 アガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」を三谷幸喜脚本で日本で初めて映像化するドラマ『黒井戸殺し』(フジテレビ系)が4月に放送されることが決定した。

「アクロイド殺し」はアガサ・クリスティー(1890~1976)による6作目の長編小説で、エルキュール・ポアロシリーズの3作目に当たる。三谷は、2015年にフジテレビ開局55周年特別企画として2夜連続で放送された『オリエント急行殺人事件』に続くアガサ・クリスティーとのコラボとなる。

『黒井戸殺し』の主人公は、『オリエント急行殺人事件』同様、野村萬斎演じる名探偵・勝呂武尊(すぐろ・たける)。萬斎のドラマ出演は『オリエント急行殺人事件』以来、約3年3か月ぶりとなる。

 そして勝呂の良き相棒としてコンビを組み、事件の謎に立ち向かっていく“バディ役”となる医師・柴平祐を大泉洋が演じる。

 さらに、三谷作品には初出演となる、余貴美子、草刈民代、向井理、佐藤二朗、和田正人、三谷ドラマには初出演の寺脇康文、三谷演出の舞台や映画、ドラマに出演している浅野和之、秋元才加、三谷脚本のNHK大河ドラマ『真田丸』に出演した大泉をはじめ、吉田羊、松岡茉優、藤井隆、今井朋彦、斉藤由貴、遠藤憲一らが出演する。

<コメント>
■野村萬斎
「回を重ねる充実感と言いますか、再び勝呂武尊を演じることができて、とてもうれしくもあり、やりがいもありました。前回の『オリエント急行殺人事件』の時より、人間味の増した勝呂になったのではないかと思います。しかも今回はバディ役として大泉洋さん演じる柴医師と一緒に謎に迫ることになります。大泉さんとはテレビドラマでは初共演で、彼のセリフの量もかなり多かったのですが、いつもにこやかに明るく撮影現場を盛り上げてくれました。撮影の中で、洋くんと一緒にあぜ道を自転車で走るシーンがあり、偶然、勝呂が自転車から転げ落ちるシーンの倒れ方がチャップリンみたいになったところが、とてもおもしろかったです。10人の容疑者に対して、全員のアリバイを整理し、見破っていく駆け引きも見どころとなっています。複雑に絡み合ったアリバイを見事に解いていく勝呂武尊をぜひお楽しみに!」

■大泉洋
「(台本を読んでみて)文句なく面白かったですね。原作を知らずに三谷さんの台本から読んだので、ストーリーの面白さに興奮しながら読みました。三谷さん脚本による個性豊かなキャラクターたちがとにかく魅力的でしたね。(今回の役は)誠実で優しくて、周りの人間からも信頼されていて、それでいて、どこかコミカルのところもある人だったので、周りからなぜか好かれる癒やしの男を意識して演じました。萬斎さんとは、舞台で共演させていただき、どんな役をやっても強力な印象を残すお芝居が大好きだったのでとてもうれしかったです。撮影中は、ずっと聞いてるとドンドン勝呂のキャラのとりこになり、最高に楽しい毎日でした。そんな勝呂と柴との掛け合いも見どころの一つだと思います。予測のつかないストーリーと三谷さんならではの豪華な俳優陣、濃いキャラクターをどうぞ楽しみにしていてください」

■向井理
「兵藤春夫は気が小さく、苦労知らずで行き当たりばったりのどうしようもない男ですが、人間臭くてどこか憎めないやつでもあります。個性あふれる登場人物が多く登場し、物語を彩り、かつ闇に引き込んでゆく。そして、華麗に謎を解決してゆく爽快感のある作品です。最後の最後まで、気を抜かずにご覧ください」

■松岡茉優
「敬愛する先輩方とご一緒できたこと、すてきなスタッフの方々とお仕事できたこと、勉強になりました。大泉洋さん演じる柴先生のちょっと気になる娘、花子を演じさせていただきます。野村萬斎さん演じる奇妙な探偵・勝呂に振り回されるのは大変心地よい時間でした」

■秋元才加
「最初に台本を読ませていただいた時、面白くてワクワクしながら、最後まで一気に読み進めてしまいました。今回、すてきなキャストの方々とご一緒できて、とてもうれしく思っております。本田明日香という役は、メイドという職業なので、自分なりに抑えつつ控え目な女性に見える様に演じました。犯人は誰なのか、複雑に絡みあう人間模様。皆さん、ぜひ楽しみにしていてください」

■和田正人
「私の演じる役は極めて重要な容疑者の一人です。明らかに怪しいです。疑われても仕方ない。誰が見てもそんな印象です。ストーリーを追っていく中で、加害者なのか? 被害者なのか?と、そんなところにある種の面白みを感じる人物です。真犯人は誰なのか。歴史に名を刻む推理劇をどうぞ最後まで楽しんでください」

■寺脇康文
「三谷さんとは映画や舞台でご一緒させていただいていますが、映像作品としては映画『ザ・マジックアワー』以来、約10年ぶりです。今回の作品も同様、三谷さんの台本は、“ギャグ”ではなく“コメディ”要素が詰まった、そこはかとない面白さがあると思います。演じている側は真面目ですが、お客さんは芝居を面白がってくれる。面白い本はリアルに演じたほうが面白さの本質が伝わると思うので、今回もそれを心がけました。僕が演じる黒井戸の秘書・冷泉は、探偵小説が大好きで、ミーハーな男。自分が仕えている黒井戸が殺されましたが、“自分の推理が少しでも役に立てば…”と事件の推理に加わろうとします。でも彼がふざけているのではなく、あくまでも大真面目にやっている…ということを三谷さんともお話ししました。推理を楽しむことを大前提にしながら、それぞれの人間関係やキャラクターの面白さが際立つ、“三谷版推理小説”をぜひ楽しんでください」

■藤井隆
「撮影初日、セットに入った時に“事件”が起こりそうな予感にあふれてて、とても楽しかったです。執事の袴田役をやらせていただいております。いろいろな場面を目撃している袴田をどうぞよろしくお願いします」

■今井朋彦
「蘭堂吾郎。作家といいながら書いているのかいないのか。誰とどのくらい仲が良いのか悪いのか。今回の事件同様、謎の多い人物でございます。つかみどころのない役柄を楽しみながら演じました。事件のまわりをフワリとただよう蘭堂にご注目ください」

■吉田羊
「私の死をきっかけに始まる今回の事件。故人ではありますが、語り手たちによる在りし日の私から、その人生を想像していただけるとうれしいです。大泉さんを想定した三谷さんの“当て書き”がこれまた楽しい!最後までご一緒に推理を楽しんでください」

■浅野和之
「三谷さんの作品は、役に対してヒントがあって、いつも面白いアプローチを仕掛けてくるという印象があります。今回の役どころについては、はじめ90歳くらいのイメージをもって現場に入ったのですが、かなりの年齢設定を上げ過ぎたようで、結局現場では、70歳くらいのイメージで演じました(笑)。今回はワンシーンに集中し、凝縮したお芝居をお楽しみいただければと思います」

■佐藤二朗
「この作品で僕が演じたのは地元の袖丈警部。初参加となる三谷さんの脚本にわずかでも彩りを加えられればと思い演じました。共演者も、いずれもハートとテクニックを持った方々ばかり。大げさでなく一緒に芝居をするのが夢のように楽しい時間でした。“歴史に残る”と言われる壮烈なトリックを存分にご堪能ください」

■草刈民代
「いつか三谷幸喜監督の作品に参加させていただきたいと思っておりましたので、お話をいただき、とてもうれしかったです。私演じます“満つる”さん、ちょっと変わった人です。このような役柄は演じたことがありません!でも、楽しかった~。皆さまに楽しんでいただけたら幸いです」

■余貴美子
「原作ではエリザベス・ラッセル、三谷さんの脚本では来仙恒子。黒井戸家の女中頭が役どころです。黒井戸家という薄気味悪い空間の中で、偽りの関係が見破られていく推理は、サスペンスがありワクワクします。初めて参加した三谷作品ですが、台詞の一つ一つが怪しく、魅力的なキャラクターになったと思います」

■斉藤由貴
「私の役、カナという女性は大泉さんが演じる医師の姉です。関係ない立ち位置ですが、生まれ持って好奇心旺盛な性格のために、あちこちに出没して首をつっこみ、動物的なまでのカンで(笑)謎の鍵となる情報を探り当てたりします。明るく、かわいらしく、ちょっとずうずうしくKY(死語)なキャラクターで、弟を困らせますが、実は大きな秘密を抱える役どころで、演じていてとてもやりがいがありました。三谷さんからの手紙をもらったような気分にさせられる台本ばかりで、すばらしい仕事でした。舞台みたいな気分でした」

■遠藤憲一
「三谷作品4作目、あらためて展開のすばらしさと言葉の面白さを感じました。自分はいろんな役の方と接する役でしたので、毎日とても楽しく撮影できました。ロケもセットもレトロな雰囲気があって面白いですよ」

■三谷幸喜
「あの名作『アクロイド殺し』のドラマ化に関われるのは、クリスティファンの脚本家にとっては最高の喜びです。ミステリーの女王に敬意を表し、設定を日本に移した以外は、極力原作に忠実に脚色してみました」

<キャスト>
野村萬斎…名探偵・勝呂武尊(すぐろ・たける)
大泉洋…医師・柴平祐(しば・へいすけ)
向井理…黒井戸禄助の義理の息子・兵藤春夫(ひょうどう・はるお)
松岡茉優…黒井戸禄助の姪・黒井戸花子(くろいど・はなこ)
秋元才加…黒井戸家の女中・本多明日香(ほんだ・あすか)
和田正人…謎の男
寺脇康文…黒井戸の秘書・冷泉茂一(れいぜい・もいち)
藤井隆…黒井戸家の執事・袴田次郎(はかまだ・じろう)
今井朋彦…黒井戸禄助の旧友、作家・蘭堂吾郎(らんどう・ごろう)
吉田羊…黒井戸禄助の婚約者・唐津佐奈子(からつ・さなこ)
浅野和之…鱧瀬弁護士(はもせ・べんごし)
佐藤二朗・・・警部・袖丈幸四郎(そでたけ・こうしろう)
草刈民代…黒井戸禄助の義妹・黒井戸満つる(くろいど・みつる)
余貴美子…黒井戸家の女中頭・来仙恒子(らいせん・つねこ)
斉藤由貴…柴医師の姉・柴カナ
遠藤憲一…村の名士・黒井戸禄助(くろいど・ろくすけ)

<あらすじ>
昭和27年3月、片田舎・殿里村で唐津佐奈子(吉田羊)が死亡しているのを、村で唯一の医師である柴平祐(大泉洋)が発見した。死因は睡眠薬の過剰摂取。佐奈子は昨年、夫を毒殺した疑惑があり、柴の姉・カナ(斉藤由貴)は、佐奈子が夫殺害の罪にさいなまれ自殺したのでは、と推測する。
柴の親友で村一番の富豪・黒井戸禄助(遠藤憲一)は、佐奈子に結婚を申し込んでいたため、彼女の死に大変なショックを受ける。黒井戸は、自宅に柴を招き、姪・黒井戸花子(松岡茉優)、義妹・黒井戸満つる(草刈民代)、秘書・冷泉茂一(寺脇康文)、旧友・蘭堂吾郎(今井朋彦)らと食事をした後、柴と二人になると、佐奈子が夫殺しの件である男に脅されていると話していた、と明かした。
そこへ、佐奈子から遺書が届く。黒井戸は一人でそれを読みたいと言ったため、柴は屋敷を後にした。屋敷を出たところで、柴は、復員服を着た見知らぬ男(和田正人)とすれ違い、不審に思いながら帰宅する。すると、黒井戸が何者かに殺害された、と黒井戸の執事・袴田(藤井隆)から電話が来た。柴が屋敷に駆け付け袴田に聞くと、そんな電話をした覚えはないと言う。嫌な予感がした柴は、黒井戸の部屋の鍵を壊し中に入ると、黒井戸が短剣で背中を刺されて死んでいた。
その後、屋敷に刑事・袖丈(佐藤二朗)が到着し、捜査が始まった。聴取を受けた女中頭・来仙恒子(余貴美子)が、東京にいるはずの黒井戸の義理の息子・兵藤春夫(向井理)を村で見かけた、と証言したことから、春夫に疑いがかかる。
春夫の婚約者・花子は、春夫の疑惑を晴らそうと考えを巡らす。半年前に柴家の隣に引っ越してきた職業不定の不思議な男が、実は引退した名探偵・勝呂武尊(野村萬斎)だと思い出した花子は、ぜひ勝呂に捜査を依頼したいと、柴に相談に来る。あまり気乗りしない柴だったが、花子の必死の願いを受けて勝呂に捜査を依頼。勝呂は花子の依頼を快諾。柴に、ホームズのワトソンの様に相棒としての協力をお願いする。渋々勝呂と行動を共にすることにした柴。
コンビとなった二人は、捜査を開始、警察や黒井戸邸を訪れる。袖丈警部から、失踪した春夫だけでなく、あの晩黒井戸邸にいた全員が容疑者であると聞いた勝呂は、黒井戸家の女中・明日香(秋元才加)を始め、関係者全員から証言を得る。すると、次々と不可解な事実が浮かび上がる。
そんな中、黒井戸の弁護士・鱧瀬(浅野和之)は、黒井戸親族や関係者を集め遺産相続について話し始めた。すると、衝撃的な事実が明らかとなり…。

『黒井戸殺し』
フジテレビ系
4月放送予定

<出演者>
野村萬斎 大泉 洋 向井 理 松岡茉優 秋元才加 和田正人・寺脇康文 藤井隆 今井朋彦/吉田羊 浅野和之 佐藤二朗/草刈民代 余貴美子 斉藤由貴 遠藤憲一

原作:アガサ・クリスティー(1890~1976)「アクロイド殺し」
脚本:三谷幸喜
プロデューサー:渡辺恒也、橋本芙美、貸川聡子
演出:城宝秀則
制作著作:フジテレビ
制作協力:共同テレビ

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